“両側”のいろいろな読み方と例文
旧字:兩側
読み方割合
りょうがわ52.6%
りやうがは15.8%
もろがは10.5%
りょうそく7.9%
ふたがわ5.3%
りやうかは2.6%
りやうわき2.6%
わき2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まちなかとお人々ひとびとも、両側りょうがわみせもだいぶわったけれど、やはり、銀行ぎんこうは、そこにあり、そして、こうがわにたばこがありました。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
出島には長い、広い一条の街路が通り、両側りやうがはには、ヨオロツパ風の二階家がならんでゐる。見たところは、いかにも小じんまりしてゐる。(中略)
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
両側もろがはの立枯並木、しも見れば一側ひとかは並木なみき、時をりにとまる鴉もその枝の霜にすぼまり、渡り鳥ちらばる鳥もその空に薄煙うすけぶり立つ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私たちの踏んで行くのは、その両側りょうそくに何千尺と、千尺を単位にして数えるべき谿谷をもった、高まりつくした頂上を貫いている一線の上である。
烏帽子岳の頂上 (新字新仮名) / 窪田空穂(著)
階の両側ふたがわのところどころには、黄羅紗きラシャにみどりと白との縁取ふちどりたる「リフレエ」を着て、濃紫こむらさきはかま穿いたる男、うなじかがめてまたたきもせず立ちたり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
次第しだいかさなり両側りやうかはの家のあひだに雪のつゝみきづきたるがごとし。こゝに於て所々ところ/\に雪のほらをひらき、ひさしより庇にかよふ、これを里言さとことば胎内潜たいないくゞりといふ、又間夫まぶともいふ。間夫まぶとは金掘かねほり方言ことばなるをかりもちふる也。
口はがまの様に開けた儘、ピクリピクリと顔一体が痙攣ひきつけて両側りやうわきで不恰好に汗を握つた拳がブルブル顫へて居る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)