“薄煙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすけむり50.0%
うすけぶり30.0%
うすけぶ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つきのはじめにあきてば、あさ朝顏あさがほつゆはあれど、るゝともなき薄煙うすけむりのきめぐるもひでりかげほのほやまくろそびえて、やがあつさにくづるゝにも、熱砂ねつさみなぎつて大路おほぢはしる。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あの、薄煙うすけぶり、あの、靄の、一際夕暮を染めたかなたこなたは、遠方おちかたの松のこずえも、近間なる柳の根も、いずれもこの水のよどんだ処で。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
港口みなとぐちへ飛んで消えるのを見ました……あつと思ふと夢はめたが、月明りに霜の薄煙うすけぶりがあるばかり、船の中に、尊いこうかおりが残つたと。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)