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薄煙
読み方 | 割合 |
うすけむり | 50.0% |
うすけぶり | 30.0% |
うすけぶ | 20.0% |
月のはじめに
秋立てば、あさ
朝顏の
露はあれど、
濡るゝともなき
薄煙、
軒を
繞るも
旱の
影、
炎の
山黒く
聳えて、
頓て
暑さに
崩るゝにも、
熱砂漲つて
大路を
走る。
あの、
薄煙、あの、靄の、一際夕暮を染めたかなたこなたは、
遠方の松の
梢も、近間なる柳の根も、いずれもこの水の
淀んだ処で。
衝と
港口へ飛んで消えるのを見ました……あつと思ふと夢は
覚めたが、月明りに霜の
薄煙りがあるばかり、船の中に、尊い
香の
薫が残つたと。