“薄縁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすべり96.2%
うすべ3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
血に染んだ部屋、檢死の後で一應清めた相で、生濕りの上に薄縁うすべりなどを敷いて、その上に床を取り、死骸を其處に寢かしてあります。
僕は始めから千代子と一つ薄縁うすべりの上に坐るのを快く思わなかった。僕の高木に対して嫉妬しっとを起した事はすでに明かに自白しておいた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
方丈はうぢやうの室に近い書斎の隅には新らしい薄縁うすべりが一枚あり、その上には虫干しでも始まつたやうに古手紙が何本も並んでゐた。先生は僕にかう言つた。
そこにはもう僕のほかにも薄縁うすべりを張った腰かけの上に何人も腰をおろしていた。しかし一番目立ったのは黒縮緬くろちりめんの羽織をひっかけ、何か雑誌を読んでいる三十四五の女だった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)