“薄明”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすあかり36.8%
うすあか26.5%
はくめい14.7%
うすあかる10.3%
ツワイライト2.9%
うすらあかり2.9%
トワイ・ライト2.9%
うすあけ1.5%
ほのあか1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして実に不思議なことには、どこからか光が射して来ると見えて、仄々ほのぼのとした薄明うすあかりが蛍火のように蒼白く、窟内一杯に充ちている。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さくらうらを、ぱつとらして、薄明うすあかるくかゝるか、とおもへば、さつすみのやうにくもつて、つきおもてさへぎるやいなや、むら/\とみだれてはしる……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
舟が岸に戻つたときは、もう薄明はくめいの時だつた。富之助が舟から色々のものを取り出してゐると、後ろでやさしい聲が聞えた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
御廟子みずしの裏へ通う板廊下の正面の、すだれすかしの観音びらきのが半ば開きつつ薄明うすあかるい。……それをななめにさしのぞいた、半身の気高い婦人がある。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真昼マグネシヤの幻光の中に幽かな黄昏の思想を慕ひ恍惚の薄明ツワイライトを待つわかい男の心ほど悩ましいものはあるまい。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やがて今日も坂上にのみ残って薄明うすらあかりも坂下から次第に暮れ初めると誰からともなく口々に
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
反射する光のない薄明トワイ・ライトで、並木の若葉も、家々の壁の色も、さては石ころ道を寂しそうにゆく一台の馬車の黒さ
モスクワ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
薄明うすあけ山頂みねを走れるを
バラルダ物語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
そのうちに勝手口の方へ降りて来る階段の昇り口の処に白い足が二本ブラ下がっているのが薄明ほのあかるく見えたので、お爺さんは真青になって警察へ駆込んで来た。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)