“うすあかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄明80.6%
薄光9.7%
微光3.2%
薄灯3.2%
薄燈3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もの忘れした時のやうに、おぼえもあらぬ残り香の漂ひきて薄明うすあかりのなかをそぞろあるきするにも似た心地に誘はれることがある。
主人あるじは便所の窓を明けたが、外面そとは雨でも月があるから薄光うすあかりでそこらがおぼろに見える。窓の下はすぐ鉄道線路である。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
深夜よふけの、朧に霞んだ電灯の微光うすあかりもとに、私は、それを、何も彼も美しいと見た。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そうして薄暗くなって行くへやの中では、頭の中に、お宮の、初めて逢った晩のあの驚くように長く続いた痙攣。深夜よふけの朧に霞んだ電灯の微光うすあかりもとに惜気もなく露出して、任せた柔い真白い胸もと。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
どこからともなく、薄灯うすあかりがポーッと射した高座の下のあたり、鼠色ねずいろの着物を裾長すそながに着た、変な者がヒョロヒョロと立っているではありませんか。
室内には、薄燈うすあかりがついていたので、私は驚きながらも枕からかしらもたげて、いずれの糸が鳴るのかを、たしかめんとしたが、解らない、その間はわずか三分ぐらいであったろう
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)