“びこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
尾行25.0%
鼻腔20.2%
鼻孔14.3%
微行13.1%
微光9.5%
微紅4.8%
獼猴3.6%
美肴3.6%
鼻口2.4%
媚香1.2%
尾甲1.2%
微黄1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
帯びているので、今夜も尾行びこうして来たのですが……。このあいだ江波さんの窓から蛇を投込んだのは、どうもあの男の仕業らしいのです……。
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それから死骸の髮の生際はえぎは、眼瞼の裏、鼻腔びこう、唇、喉などとひと通り見終つて、何にかしらに落ちないものがあるやうに首をひねります。
白いものが、夫の手から飛んで来て、あたしの鼻孔びこうふさいだ。——きついかおりだ。と、そのまま、あたしは気が遠くなった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
座長ハル博士「途中ですが、只今特使が私のところへ見えました。それによると、本会議中、大統領閣下が微行びこうをもってここへ臨席されるそうです」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから十日も経った或る日、もう暁の微光びこうが、窓からさしこんで来ようという夜明け頃だった。警官をまじえた一隊の検察係員が、風の如く、真下ましたの部屋に忍びこんで来た。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
声は口のうちであったが語気はそのおもて微紅びこうに染めた。待ちに待っていたものである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……しかしそれにしてもその次に書かれた、獼猴びこうノ如キモノ天下ヲかすムとは、一体どういう意味なのであろう?
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
珍膳美肴びこうを山と集めて、こよい大賓の盛燭せいしょくに照らさるべく、すでにあらかた調えられていた馳走の数々から木具魚台きぐさかなだいまでが、その晩、明智家の家臣達の手によって裏門から運び出され
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曲れる鉄の道具を鼻口びこうより挿入して、脳髄を残りなく取出し、かくして空虚となれる頭蓋と胴体を棕梠酒しゅろしゅにて洗浄、頭蓋には鼻孔より没薬もつやく等の薬剤を注入し、腹腔には乾葡萄其他そのたの物を填充てんじゅう
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは私が生れて始めて嗅いだ媚香びこうだった。私はうっとりとなって、そこに横になった。
かつは、敵大軍も、数量いかにも物々しくは聞ゆるが、三国みくに鈴鹿すずかなどの尾甲びこう山脈の嶮を越えて来た長途の兵だ。軍需、食糧などの荷駄隊が多くを占めていることも察知するにかたくない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぎ鳶色とびいろになり、松は微黄びこうび、はだかになったかえでえだには、四十雀しじゅうからが五六白頬しろほ黒頭くろあたまかしげて見たり、ヒョイ/\と枝から枝に飛んだりして居る。地蔵様じぞうさまの影がうっすら地に落ちて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)