“つい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツイ
語句割合
22.1%
19.3%
15.8%
7.2%
6.5%
5.4%
4.1%
3.6%
3.5%
1.9%
1.2%
0.8%
0.8%
0.7%
0.5%
0.5%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
不覚0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
追從0.2%
0.1%
不知0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
一様0.1%
不覺0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
偶然0.1%
0.1%
到着0.1%
加炭0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
尾行0.1%
0.1%
沿0.1%
津井0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
跟随0.1%
追従0.1%
0.1%
0.1%
附属0.1%
附添0.1%
附着0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
立ち昇る白煙の下を、猛獣は剥製はくせいひょうのようにピンと四肢ししを伸ばして、一転、二転、三転し、ついに長々と伸びたまま動かなくなった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
作平は一度は辞退したが、源之丞がたって云ってくれるので、ついに其の提灯を借りて歩いた。藪路を出はずれると寂しい松原が来た。
魔王物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
三ヶ津総芸頭と云う美称を、長い間享受して来た藤十郎は、自分の芸については、何等の不安もないと共に、十分な自信を持っていた。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
繻子しゅすの模様もついとは思うが、日除ひよけ白蔽しろおいに、卸す腰も、もたれる背も、ただ心安しと気を楽に落ちつけるばかりで、目の保養にはならぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このはなしが、わずか、三分間ぷんかんか、五分間ふんかんにしかぎなかったけれど、二人ふたりには、たいへんになが時間じかんついやしたごとくおもわれました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
高安月郊氏が同志社女学校で東西比較文学の講義をしてゐた頃、講話はなしついでから話題が「文学者と髯」といふ事にまで及んで来た。
此両国の訴訟未だ決定に至らざるを以て、ついに争端を起すに至る、平和に事を鎮する乎、両国の人民といえども之をぼくとする事能はず。
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
さるこくからとり下刻げこくまで、わずかまだ一刻半(三時間)のあいだでしかない。野に満ちていた味方の旗幟きしは、いずれへついえ去ったのか。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一ならず、二不思議ふしぎたせてらせたに……」ばあさんのこゑついひゞいた。勘次かんじもおつぎもたゞ凝然ぢつとしてるのみである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それにとても天国へまでけさうにも思へなかつた。森田氏は試験はこの儘でめようかとも思つたが、ついでに今一つ訊いてみた。
何か見物に出掛けようとすると、必ず御目附方おめつけがた下役したやくが附いて行かなければならぬと云う御定おさだまりで始終ついまわる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ソコで今度の米国こうついても、役人が幕府から手当の金を一歩銀で請取うけとれば、亜米利加アメリカに行くときにはこれを洋銀のドルラルえなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
予先年出陣の日、兵士に向ひ、我が備への整不整を、唯味方の目を以て見ず、敵の心に成りて一つついて見よ、夫れは第一の備ぞと申せしとぞ。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
れからつかまえられたとか斬られたとか、あるいは奥平屋敷の溝の中に人が斬倒きりたおされて、ソレをまた上からやりついたと云うようなおお騒動。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ついたけれども今とは違ってその時分はマダ鉄道のないときで、パナマに廻らなければならぬからサンフランシスコに二週間ばかり逗留とうりゅうして
咸臨丸その他 (新字新仮名) / 服部之総(著)
ありとある力を、ついに無にせむ。
愚かなるものよ (新字新仮名) / 徳永保之助(著)
たて横にこの楊の花の飛び散る中に入って行って、口を開けてその綿をついばもうとする。
機に臨んで要領を得ないような挙動ようすをやられるので始終ハラハラした心持でついてゆくのであった。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
地境じざかいの端から草地になり、その向うに、おどろおどろしいばかりについえ崩れた土塀を廻した古屋敷。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこから茶の間へ来て、何という目的もなく、鉄瓶てつびんの湯を湯呑ゆのみついで一杯呑みました。それから玄関へ出ました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其中そのうちにお腹もくちくなり、親の肌で身体もあたたまって、とろけそうない心持になり、不覚つい昏々うとうととなると、くくんだ乳首が抜けそうになる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「息ついだぞ。眼ぃだぞ。」一郎のとなりの家の赤髯あかひげの人がすぐ一郎の頭のとこにかがんでゐてしきりに一郎を起さうとしてゐたのです。そして一郎ははっきり眼を開きました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
山の多い国を旅する者は、海について行かねばならなかった。海に臨んだ処には村がある、町がある。其等の潮風の吹く町や、村に入って、魚のにおい、磯の香を嗅いで商いする。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
○こゝに二代目市川団十郎初代だん十郎(のち団に改む)の俳号はいがうついで才牛といふ。のち柏筵はくえんとあらたむ。(元文元年なり)此柏筵はくえんは、○正徳○享保○元文○寛保をさかんたる名人なり。
就而者ついては御草稿を御遣し下され候はゞ骨折ほねおり拝見仕可く候。此頃高野俊蔵よりも、近業の詩文ついを成し候得共そうらえども一向相談する人も無之これなく何卒なにとぞ旧稿と思召し御遠慮なく御刪正ごさんせい下され度く候。箇様かよう申し来り候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ことなく高砂たかさごをうたひおさむれば、すなはあたらしき一つい夫婦めをと出來できあがりて、やがてはちゝともはるべきなり、諸縁しよゑんこれよりかれてちがたきほだし次第しだいにふゆれば、一にん野澤桂次のざわけいじならず
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
搗栗はシバ栗の実を日に干し臼でついて殻と渋皮とを去った中身である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
椎秦博浪沙(しんつい博浪沙ばくろうしや
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
家のなかでは仏壇に燈明あかりついかねの音がし始めた。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
廓内なか大卷おほまきさんよりも奇麗きれいだとみんながいふよ、おまへあねであつたられは何樣どんな肩身かたみひろかろう、何處どこへゆくにも追從ついつて大威張おほゐばりに威張ゐばるがな、一人ひとり兄弟けうだいいから仕方しかた
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日についで支度にかゝれば二月の末には萬々ばん/\用意はとゝのひたり爰に皆々を呼集よびあつ評定ひやうぢやうに及ぶ樣はすぐさま江戸へ下るべきや又は大坂表へ出て動靜やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
得しのみならずお二人樣の御行方おんゆくへも大方知ければ其翌朝よくてう京都を立出江戸へと心指こゝろざしを日についいそぎしに不測ふしぎにも當宿にて御面會申せしなりと始終しじうの樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
負債償却の約束は不知つい空約束になって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「は……不知つい気が附きませんで……」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とくと聞彦三郎は大いによろここれひとへに神佛の引合ひきあはせに依て斯る噂を聞者なるべしと思ひそつと木蔭より立出たちいで此人々このひと/\ついゆきたづぬる者ならば明白に分るべしと後よりはなしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞て三五郎是は有難しと後について大方丈を通拔とほりぬけ鼓樓ころうの下をくゞりて和尚の座敷の縁側えんがはまかり出平伏なすに此時可睡齋かすゐさいは靜かにころもの袖をかき合せながら三五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おろしありしかば甚兵衞勝手はかねて覺え居れば今日こそ好機よきをりなれと裏口うらぐちまはり水口をおして見ればあんの如く掛錠かけがねけざる樣子故シテやつたりとついと入り居間ゐま箪笥たんす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しながら片隅かたすみへより何か密々ひそ/\はなあひついと半四郎のそばへより是もし息子むすこさん御前は是から何處へ行つしやると云に半四郎は何心なくわたしは是から夜通しに松山迄參りますと云つゝ胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
當日たうじつしろ狩衣かりぎぬ神官しんくわんひとり氏子うぢこ總代そうだいといふのが四五にんきまりの惡相わるさう容子ようすあとつい馬場先ばゞさきすゝんでつた。一にん農具のうぐつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
威勢ゐせいよくつた老人等としよりらあかどう太鼓たいこ首筋くびすぢからむねつて、だらり/\とたゝいてさきつとあしもともと節制だらしなくなつたすべてがあとから/\と、ことばあさんさわぎながらついる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
十人の書生に一様ついの仕着せさ。ゑらいじやないか、それで自分は甘んじて、鎖ばかり下げて歩行てるんだ。どうだ猪飼なんぞに、真似も出来やあしまい。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
『御案内した眞意をお話しする』如何にも魂膽のありさうな口吻くちぶりだつたので自分も不覺つい氣が急いて、飯も食はずに急いで飛び出した。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
顔面 ついことならじ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
黒平入りの鳥居峠あたりから北方を望み見た時に、金峰山についで峭抜して居るのは此山である。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
飛衞ひゑいきかずしていはく、未也まだなりついることをまなぶべし。せうだいに、いちじるしくんばさらきたれと。しやういともつしらみまどけ、南面なんめんしてこれのぞむ。旬日じゆんじつにしてやうやだいなり三年さんねんのちおほき如車輪焉しやりんのごとし
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『赤いようなのでやっています』と答えますが、嘘を言っている証拠には赤いようなのに変えても矢っ張り釣れません。そこで此方は偶然ついしたようにして実は態と先方むこうの糸へ引っからめてやります。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
乃公おれ先刻さっきからつい半間とは離れぬ処にいるんだぞ。今日は乃公が死にかけたので、只今見舞人が罷越まかりこしたのであるが、肝腎要目かなめの御当人の姿が見えないので、お母さんが探しに来たのである。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私は昨夜自動車に出会った場所は、停車場ステーションから海浜旅館ホテルへ出る道路みちとは違っている。しかも汽車が到着ついた時から一時間も経過っていた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
「もうすこし。お前さんも性急せッかちだことね。ついぞない。お梅どんが気がかないんだもの、加炭ついどいてくれりゃあいいのに」と、小万があおぐ懐紙の音がして、低声こごえ話声はなしも聞えるのは
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
お心をついやすまでのことはありますまい
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
景隆は召還めしかえされしが、黄子澄こうしちょう練子寧れんしねいは之をちゅうせずんば何をもっ宗社そうしゃに謝し将士を励まさんといしも、帝ついに問いたまわず。燕王は済南を囲むこと三月に至り、ついくだすことあたわず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
踏海とうかいの策敗れて下田の獄に繋がるるや、獄卒ごくそつに説くに、自国を尊び、外国を卑み、綱常こうじょうを重んじ、彝倫いりんついずべきを以てし、狼の目より涙を流さしめたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
文三はホッと吐息をついて、顧みて我家わがいえの中庭を瞰下みおろせば、所狭ところせきまで植駢うえならべた艸花くさばな立樹たちきなぞが、わびし気にく虫の音を包んで、黯黒くらやみうちからヌッと半身を捉出ぬきだして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
根附は提物さげものの根元に附けるために用いるので、昔の燧袋ひうちぶくろから巾著きんちゃく印籠いんろう、煙草入の類を帯と腰との間を、つるひもの端に取りつけたものです。『装剣奇賞』に、「佩垂はいすいついに用ゆ」とあります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
意地悪の婆さん鶏は、一同の列の、いちばん後に、よぼよぼと尾行ついてきました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
もやひつなぐや徳二郎も續いて石段にあがり、先に立つてずん/\登つて行く、其後そのあとから僕も無言でついて登つた。石段は其幅半間より狹く、兩方は高い壁である。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
面白いでもなく見て居たが、淀文よどぶんと云うのは、府下の割烹店として名だけ聞いたことがあれば、そこへと心ざして橋に沿ついて左へ下り、右の新柳町しんやなぎの細路へ曲ろうとすると
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
淡路あわじ島三原郡津井つい村十二代世襲の庄屋で田畠四十町歩、山林七十余町歩、藩の「支配外」待遇。備中連島の三宅定太郎とよく似ている。そうした地主的存在の半面で、彼は大規模な土木企業家だった。
志士と経済 (新字新仮名) / 服部之総(著)
その構外かまえそとの石垣について突当りました処が袋町ふくろまちです。それはだらだら下りの坂になった町で、浅間の方から流れて来る河の支流わかれが浅く町中を通っております。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
丹羽、内藤、岡ノ三士及ビ僧円桓えんかんモマタついデ至ル。談ヲほしいままニシテさかずきバス。時ニ泥江豊原生トはかリ余ノタメニ舟ヲ堀川ニス。毅堂曰ク藩禁アリ舟ヲ同ジクスルヲ得ズ。君カツ留レト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『ア、ア、アッ、アッ!』と叫んで突起つったったかと思うと、又尻餅しりもちついじっと僕を見た時の顔色! 僕は母が気絶したのかと喫驚びっくりしてそば駈寄かけよりました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ナアに屹度きっと勝つ、れから出掛けていって、諸方に出没して居る同志者をこの船に乗せて便利の地にげて、官軍が江戸の方にやって来るその裏をつい
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
貴様は福澤の主人になったと知らせてれるくらいの事だ。てその跡をついだ以上は、実は兄でも親だから、五十日の忌服きふくを勤めねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
鯨の新婚旅行に跟随ついて行く馬鹿者が私一人じゃないのです。ちょうど大きなさめのような恰好で、鯨の若夫婦のアトになりサキになり、どうしても離れません。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
廓内なか大巻おほまきさんよりも奇麗だとみんながいふよ、お前が姉であつたら己れはどんなに肩身が広かろう、何処どこへゆくにも追従ついて行つて大威張りに威張るがな、一人も兄弟が無いから仕方が無い
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
飮ながら何だびく/\するな何故なぜ其樣そんなふるへるぞコレ酒がこぼれるぞ落着おちついつぐがよい汝も酒がすきだ一ぱいあひをせよサア/\其茶碗ちやわんがいゝ夫で二三ばいのむべしと酒をついでやり後で飯もくふがよい今に拙者が手前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼はよく六十斤にあまる大刀を使い、千里の征馬に乗ってもなお鉄胎てったいの強弓をひき、身には二箇の流星ついを秘し持って、一放すればいかなる豪敵も倒し、ももたび発してももたびはずすことがありません。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴女のお身体からだ附属ついていてこそじゃが、やがて、はい、その光は、嘉吉がさいころを振るてのひらの中へ、消えましたとの。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人が附添ついてゐなくつても、ちつとは我慢をしたがよい。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
ランをくれろというと最上等のイチボが附着ついて来る事もある位で、悪い肉の真中まんなかにホンの少しばかり最上等の部分があるのだけれども多くは外の肉と一所に切ってイチボの名で売っている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)