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大卷
何故今日は
遊ばないのだらう、お
前何か
小言を
言はれたのか、
大卷さんと
喧嘩でもしたのでは
無いか、と
子供らしい
事を
問はれて
答へは
何と
顏の
赤むばかり
女子衆達にあと/\まで
羨まれしも
必竟は
姉さまの
威光ぞかし、
我れ
寮住居に
人の
留守居はしたりとも
姉は
大黒屋の
大卷、
長吉風情に
負けを
取るべき
身にもあらず
心意氣氣に
入らねば
姉さま
嫌ひてお
受けはせざりしが、
彼の
方とても
世には
名高きお
人と
遣手衆の
言はれし、
嘘ならば
聞いて
見よ、
大黒やに
大卷の
居ずば
彼の
樓は
闇とかや