“何故”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なぜ69.4%
なにゆえ21.6%
なにゆゑ5.2%
なし0.4%
なに0.4%
どうして0.3%
なんで0.3%
どう0.3%
など0.3%
なんしや0.3%
ホワイ0.3%
あぜ0.1%
いか0.1%
なして0.1%
なにゆ0.1%
なにゆへ0.1%
ナゼ0.1%
パチェムー0.1%
ワルーム0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大学を辞して朝日新聞に這入はいったらう人が皆驚いた顔をして居る。中には何故なぜだと聞くものがある。大決断だとめるものがある。
入社の辞 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何故なにゆえとは知らず、ことごとく身はえて、手に持つ燭を取り落せるかと驚ろきて我に帰る。乙女はわが前に立てる人の心を読む由もあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
讀者どくしや諸君しよくん御記臆ごきおくだらう。弦月丸げんげつまるまさに子ープルスかう出發しゆつぱつせんとしたとき何故なにゆゑともなくふかわたくしまなことゞまつた一隻いつさうあやしふねを。
「豆八ッあんも、ひどいなあ。何故なし、なぐりこみの前に、おれに知らせてくれんとか」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
正太は何故なにとも得ぞ解きがたく、烟のうちにあるやうにてお前は何うしても變てこだよ、其樣な事を言ふ筈は無いに、可怪しい人だね、と是れはいさゝか口惜しき思ひに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「だがしかしだ。これには充分質問例題とする価値があるぜ。何故どうして君は、伸子が覚醒した瞬間に、自分の名前を書かせたのだったね」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
何故なんで彼様あんねえ目のかたきにしるだんべえ?」と椋は不審に思つて、出来るだけ娘をいたはつてつてゐた。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
何故どうしててゝ。東京から便りはないか、便りはないかてゝ、毎日便りを待ち焦がれて御いでるぢやないかなもし」
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何故などかる汚穢けがれむしろに座して、おほかみの甘き誘惑いざなひに耳をすやと叱かり給ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
何だ此畜生奴こんちくしやうめうぬ何故なんしや此家に居る? ウン此狐奴、何だ? 寢ろ? カラ小癪な!默れ、この野郎、默れ默れ、默らねえか? 此畜生奴、乞食ほいど癩病どす、天理坊主! 早速じらからと出て行け、此畜生奴!
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
英文学史なんか、ああ漱石が只もう二箇の「何故ホワイ?」を発してこの分析を深め得たら、と痛感した。狭いところにいて読んで。
わかいものをそゝのかして、徒労力むだぼねらせると何故あぜふのぢや。御坊ごばう飛騨山ひだやま菊松きくまつが、烏帽子えばうしかぶつて、向顱巻むかふはちまき手伝てつだつて、見事みごと仕上しあげさせたらなんとする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なが何故いかにも道理もつともなる尋ねなり今日まで云ざりしがじつは其方事七年前藤川宿の町外まちはづれにすてて有しなり其時其方のたもと書付かきつけて有しは是なりと彼のそう落書らくがきまで殘り無物語に及びければ久八は子供心に我が身の上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
垣根かきね近邊ほとりたちはなれて、見返みかへりもせず二三すゝめば遣水やりみづがれおときよし、こゝろこゝにさだまつておもへば昨日きのふれ、彷彿はうふつとして何故なにゆゑにものおもひつる
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だから正直を云ふと、何故なにゆへかねが入用であるかを研究する必要は、もう既に通り越してゐたのである。実は外面の事情は聞いてもかなくつても、三千代にかねを貸して満足させたい方であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何故ナゼなら、「ほかひ」には、脚のないものが沢山あつたのである。外居は、所謂猫足なる脚の外に向つた所から言ふのだとする説は、成り立たないのである。
「二十二年以前まえを思い出せ、と書いてありますね。それから何故ワルーム、というのですが、この記号は——」
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)