“向顱巻”のいろいろな読み方と例文
旧字:向顱卷
読み方割合
むこうはちまき80.0%
むかうはちまき6.7%
むかふはちまき6.7%
むこうはちまち6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そいつをにらみつけて、右の向顱巻むこうはちまき、大肌脱で通りかかると、キチキチ、キチキチと草が鳴る……いや、何か鳴くですじゃ、……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銭さえ払えばいとして、船頭やい、船はどうする、と嘉吉が云いますと、ばら銭をにぎったこぶし向顱巻むかうはちまきの上さ突出して、半だ半だ、何、船だ。船だ船だ、と夢中でおります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わかいものをそゝのかして、徒労力むだぼねらせると何故あぜふのぢや。御坊ごばう飛騨山ひだやま菊松きくまつが、烏帽子えばうしかぶつて、向顱巻むかふはちまき手伝てつだつて、見事みごと仕上しあげさせたらなんとする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
続いたのが、例の高張たかはりを揚げた威勢のい、水菓子屋、向顱巻むこうはちまちの結び目を、山から飛んで来た、と押立おったてたのが、仰向けにそりを打って、呵々からからと笑出す。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)