“むこうはちまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
向顱巻66.7%
向鉢巻33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くから、出しなには寒かったで、布子ぬのこ半纏はんてんを着ていたのが、その陽気なり、働き通しじゃ。親仁殿は向顱巻むこうはちまき大肌脱おおはだぬぎで、精々せっせっっていたところ
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつもの向顱巻むこうはちまきが、四五日陽気がほかほかするので、ひしゃげ帽子を蓮の葉かぶり、ちっとも涼しそうには見えぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、印袢纏しるしばんてんに、向鉢巻むこうはちまきをした留吉は、松の枝へ、一鋏ひとはさみパチリと入れながら云った。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雨も降らないのに、恐ろしく大きな傘を拡げて、その下で飴屋あめやさんが向鉢巻むこうはちまきで、大声でいい立てながら売っています。「飴の中から金太きんたさんが飛んで出る。さあ買ったり買ったり。」
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)