“向鉢巻”の読み方と例文
読み方割合
むこうはちまき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泊っている荷舟にぶね苫屋根とまやねが往来よりも高く持上って、物を煮る青い煙が風のない空中へと真直まっすぐに立昇っている。鯉口半纏こいぐちばんてん向鉢巻むこうはちまきの女房がふなばたから子供のおかわを洗っている。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
飴細工の狸みた様で、取廻しの処へ銀拵ぎんごしらえの銅金どうがねの刀をし白地の手拭で向鉢巻むこうはちまきをして飛下とびおりると、ズーンと地響きがする、腕なぞは松のの様で腹を立ったから力は満ちて居る
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、印袢纏しるしばんてんに、向鉢巻むこうはちまきをした留吉は、松の枝へ、一鋏ひとはさみパチリと入れながら云った。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)