“疾”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
49.3%
はや18.4%
とう6.6%
とっ6.0%
とく4.2%
やまい2.9%
2.6%
とつ1.9%
やまひ1.6%
とっく1.0%
(他:37)5.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“疾”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸56.5%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語41.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
実はうからいて居たのであるけれども、うちがまだきまらないので、今日けふ迄其儘にしてあつたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
——「蝮蛇ふくだ手をせば壮士おのが腕を断つ」それを声をたてて云い、彼はふと自分の腕を見まわした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
あたかもとび烏の中における鶴のごときものであるから、結婚の以前、既にはやを宿さぬというすうはあるまい
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蠅営狗苟ようえいくこう羊狠狼貪ようこんろうたんはやきこと飄風ひょうぷうの如く、はげしきこと猛火の如し。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
院長いんちょうアンドレイ、エヒミチはとうからまち病家びょうかをもたぬのを、かえっていいさいわい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
院長ゐんちやうアンドレイ、エヒミチはとうからまち病家びやうかたぬのを、かへつてさいはひ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さもあろうと云った顔付で、とっくに知っていた事を聞くように、満足げな微笑を湛えながら鷹揚おうよううなずく。
南島譚:01 幸福 (新字新仮名) / 中島敦(著)
体は、とっくに死んでいるのに、目だけが生きている、といった感じだが、その寂しい美しさが私の心を掻き乱すのだった。
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
あるじとくに会社に出勤せし後にて、例刻にきたれる髪結の今方帰行かへりゆきて、まだその跡も掃かぬ程なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
う影も形も見えず、推量と多くたがはず、家もゆかとくに消えて、ただ枯野かれのの霧の黄昏たそがれ
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われら日本人は癲癇と聞くと、ただ白い泡を連想するに過ぎないが、西洋では古くこれを神聖なるやまいとなえていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
壬申じんしんの日、王、やまいえぬと称し、東殿とうでんに出で、官僚の賀を受け、人をして昺と貴とを召さしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
衆生しゅじょうむが故に、われまた疾む」という菩薩は、とうてい大衆のやるせない叫びに、耳を傾けずにはおられないのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
『だって御自分にましい事がなければ構わないじゃありませんか、人の思惑なんか気にする事はないわ』
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「まだ直らないのか?」義雄は止むを得ず笑ひにまぎらして、自分の方はとつくに直つたのを氣の毒にも思はれる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
都会的の刺戟しげきでもなかつたら、生きることに疲れきつた私は、とつくにへたばつてゐたに違ひなかつた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「津軽屋如何いかゞ。春来は不快とやら承候。これも死なぬやまひにもや候覧さふらふらむ。何様宜奉願上候。市野翁いかが。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
美しい女の美と見えたものは、実は心の栄養の全く不充分な、そしてやまひつかれとが産んだ反自然はんしぜん畸形児かたはものであつたのだ。
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「どうしたか。多分大阪あたりにいるでしょう。そんな古い口は、もうとっくのむかしに忘れっちゃったんで……」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「ですから私も熟々つくづく厭になって了ったんです。あの時とっくに別れる筈だったんです。でもやっぱりそうも行かないもんですからね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
余りいて歩行あるいたのがやましかったか、道中みちなかへ荷を下ろして、首をそらし、口を張って、
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むろん、何にもやましい事はないのだが、顔を見られるのが不愉快なような気がした。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
階下したでは最早もうとつく朝飯あさはんを済まして了つたのに、未だ丑松は二階から顔を洗ひに下りて来なかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ぢい今朝けさのおまんまつめたくつたつけべわすれてばりにつたのがよ、さうしたらぢいとつくねえのがんだもの
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こゝに来て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
こゝに來て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
押問答に、小半時かかればとって、直ぐに突ん流れるようなはええ水脚では、コレ、無えものを、そこは他国の衆で分らねえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それだがね、はええ話が、御仁体じゃ。化物が、の、それ、たとい顔をめればとって、天窓あたまからしおとは言うめえ、と考えたで、そこで、はい、黒門へ案内しただ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかも口のあたりには腫物ができているような、がさがさな色としつのようなものからなり、じっとわたしの方をにらみました。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
すかんぽの話は之を以て終る。一箇月以來胃腸にしつを得、可食の雜草からは遠ざかつてゐる。
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
そして恰度二人が自動車へ乗った時に松林の向うをはしる汽車の音が聞えて来ると、
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
それから役等はB町へ出掛けて安藤巡査に豚の処置を依頼すると、そのまま自動車くるまで、もうすっかり明け放れたすがすがしい朝の郊外を、H駅まではしる事になったんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「馬車はいかがです。むちゃに廉くって、腕車くるまよりおはようござい。さあお乗んなさい。すぐに出ますよ」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おはようございましたこと、何は、あの此間こないだから行って見たいッて、おっしゃってでした、俤橋、海晏寺かいあんじや滝の川より見事だッて評判の、大塚の関戸のお邸とやらのもみじの方は、お廻りなすっていらっしゃいましたか。」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ワヅカ Cobalt ヲ採ル者ラガンデ 去ルト
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
トヲを出たばかりの幼さで、母は死に、父はんで居る太宰府へ降つて、ハヤくから、海の彼方アナタの作り物語りや、唐詩モロコシウタのをかしさを知りめたのが、病みつきになつたのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
お兄さんの精神のいたみはますますはげしくなるのを、悪魔はほほ笑んで見ていたのです。
恐怖の幻兵団員 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
○事留まれば変生ず、棊を拾ふすみやかならんことを欲す。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
胸襟きようきんすなははるひらけて臆病とみえむと思へど、無形の猿轡さるぐつわまされて腹のふくるゝ苦しさよ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ポチは朝起だから、もう其時分にはとッくに朝飯あさめしも済んで、一切ひとッきり遊んだ所だが、私の声を聴き付けると、何処に居ても一目散に飛んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『まァ、それはかく福鼠ふくねずみふには——』と帽子屋ばうしやつゞけて、しや打消うちけされはしないかと、心配しんぱいさうに四邊あたり見廻みまはしましたが、福鼠ふくねずみ打消うちけすどころか、もうとツくに熟睡ねこんでました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
こぞって首をなやまし、額をひそめ、しかして相告げて曰く。わが王わが宰相の奪掠を好む。それなんぞ我をしてこの極に至らしむるや。父子相見ず。兄弟妻子離散す」といわんばかりの極点に達せしめたるに
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
また吹箭ふきやもて猟に行く人の跡を随行また呼び戻すために追い駆ける者を虎にくんできっとこれを搏ちに掛かると。
それでも素ばしっこいのが師匠の屋敷へ逃げて帰って、そのことを訴えたので、居あわせた仲間ふたりと若党とがすぐに其場へ駈けつけると、乱暴者はもう逃げてゆくところでした。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼はすっかり満足した。彼は行なった自分の行為の、やましくなかった事を知ることが出来た。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私は三月みつきわづらつて……そんな事も雅さんは知つておいでぢやないのでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
後で聞いたら、さぞ吃驚びつくりして……きつとわづらひでも為るでせうよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
伏原の案内した家も、船宿構えの静かな家で、店には小女と眼のわるそうな老婆しか居なかった。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)