“疾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
49.7%
はや17.8%
とう6.4%
とっ6.0%
とく4.2%
やまい2.8%
2.8%
やまひ1.9%
とつ1.7%
やま1.1%
とっく1.0%
とつく0.5%
0.5%
はえ0.4%
はし0.3%
しつ0.3%
にく0.3%
はよ0.3%
0.3%
わづら0.1%
いた0.1%
うれ0.1%
すみや0.1%
とし0.1%
とみ0.1%
とッ0.1%
とツ0.1%
なや0.1%
ねた0.1%
0.1%
はやく0.1%
はやり0.1%
ばし0.1%
やまし0.1%
わる0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「昼が夜になったり、春が夏になったり、若いものが年寄りになったり、するのと同じ事かな。それなら、おれもくに心得ている」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
汝は汝の信ずるごとく今地上にあるにあらず、げに己が處を出でゝする電光いなづまはやしといへども汝のこれに歸るに及ばじ。 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「いえ/\、あんたの知つとられるお稚子はんが住職なつてとうに死なれて、今のはそのお稚子はんの、又そのお稚子はんですぢや。」
念仏の家 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
紺屋こうやじゃあねえから明後日あさってとはわせねえよ。うち妓衆おいらんたちから三ちょうばかり来てるはずだ、もうとっくに出来てるだろう、大急ぎだ。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歌物語うたものがたりに何の癡言たはことと聞き流せし戀てふ魔に、さては吾れとくよりせられしかと、初めて悟りし今の刹那に、瀧口が心は如何いかなりしぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
高辛氏こうしんしの時代に、王宮にいる老婦人が久しく耳のやまいにかかって医師の治療を受けると、医師はその耳から大きなまゆのごとき虫を取り出した。
天下人々心を痛め、首をましめ、防禦を事とす。殊に知らず夷の東侵する、彼れ必ず傑物あらん。傑物ある所、その邦必ず強し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
嘗て茶山に「死なぬやまひ」を報じたやうに、今又起行の期し難きをさとつたであらう。其胸臆を忖度そんたくすれば、真に愍むべきである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私は学校へ出たいといふやうな最初の希望はもうとつくに、捨てて了つて居たが、清水へ引越して来てからは、一層自分の将来を気にする様になつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
むろん、何にもやましい事はないのだが、顔を見られるのが不愉快なような気がした。みんなは毛沼博士の死のことを盛に噂し合った。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「ですから私も熟々つくづく厭になって了ったんです。あの時とっくに別れる筈だったんです。でもやっぱりそうも行かないもんですからね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ぢい今朝けさのおまんまつめたくつたつけべわすれてばりにつたのがよ、さうしたらぢいとつくねえのがんだもの
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
現にあれほど、郎女の心を有頂天に引き上げた頂板ツシオモテの光り輪にすら、明盲アキジひのやうに、注意は惹かれなくなつた。こゝに來て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
押問答に、小半時かかればとって、直ぐに突ん流れるようなはええ水脚では、コレ、無えものを、そこは他国の衆で分らねえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから役等はB町へ出掛けて安藤巡査に豚の処置を依頼すると、そのまま自動車くるまで、もうすっかり明け放れたすがすがしい朝の郊外を、H駅まではしる事になったんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
しかも口のあたりには腫物ができているような、がさがさな色としつのようなものからなり、じっとわたしの方をにらみました。わたしは慌てて土間を飛び出して、山から下りて来たのでございます。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
また吹箭ふきやもて猟に行く人の跡を随行また呼び戻すために追い駆ける者を虎にくんできっとこれを搏ちに掛かると。
「馬車はいかがです。むちゃに廉くって、腕車くるまよりおはようござい。さあお乗んなさい。すぐに出ますよ」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
トヲを出たばかりの幼さで、母は死に、父はんで居る太宰府へ降つて、ハヤくから、海の彼方アナタの作り物語りや、唐詩モロコシウタのをかしさを知りめたのが、病みつきになつたのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
私は三月みつきわづらつて……そんな事も雅さんは知つておいでぢやないのでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お兄さんの精神のいたみはますますはげしくなるのを、悪魔はほほ笑んで見ていたのです。
恐怖の幻兵団員 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
かへつて(四八)浮淫ふいんげて・これ(四九)功實こうじつうへくはふるをうれへ、以爲おもへらく、(五〇)儒者じゆしやぶんもつはふみだし、しかうして(五一)侠者けふしやもつきんをかす。
○事留まれば変生ず、棊を拾ふすみやかならんことを欲す。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
としおそしと待居たり然るにあけ寅刻頃なゝつごろとも思ふ頃はるかに聞ゆる驛路えきろすゞ馬士唄まごうたこゑ高々たか/″\と來掛る挑灯てうちん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けては置かじとささややうにて、心済まねば謂ひも出でず、もしそれ胸中の疑磈ぎくわいを吐きて智識のをしへけむには、胸襟きようきんすなははるひらけて臆病とみえむと思へど
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
額で母をにらめて、津蟹づがにが泡を吐くように、沸々ぶつぶつ言っている。ポチは朝起だから、もう其時分にはとッくに朝飯あさめしも済んで、一切ひとッきり遊んだ所だが、私の声を聴き付けると、何処に居ても一目散に飛んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『まァ、それはかく福鼠ふくねずみふには——』と帽子屋ばうしやつゞけて、しや打消うちけされはしないかと、心配しんぱいさうに四邊あたり見廻みまはしましたが、福鼠ふくねずみ打消うちけすどころか、もうとツくに熟睡ねこんでました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
こぞって首をなやまし、額をひそめ、しかして相告げて曰く。わが王わが宰相の奪掠を好む。それなんぞ我を
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
龐涓はうけんおのれまさるをおそれてこれ(一六)ねたみ、すなは法刑はふけいもつ其兩足そのりやうそくちてこれ(一七)げいし、(一八)かくれて・からんことをほつす。せい使者ししや(一九)りやうく。
ことわりしが父なる者の云るには今度むすめは江戸向の大家のよめのぞまれしがやまひ有ては相談も出來ねばふか押隱おしかく結納ゆひなふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殺害せつがいなしたるはお光なりとはゆめにも知ねど渠等かれら親子は其の朝より行衞ゆくゑ知ずに成しかばもしやと思ひ居たるにはやくも名乘て出るだんおどろき候外はなし就ては上のお慈悲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はやりて斷り後に至り斯と心の就く事あらばたゞ面目めんぼくなきのみならず本町の小西屋こそ大身代しんだいで有りながら事理のわかりし者なきや出所不定の醫師の言葉にまよひて病もなきむすめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それでも素ばしっこいのが師匠の屋敷へ逃げて帰って、そのことを訴えたので、居あわせた仲間ふたりと若党とがすぐに其場へ駈けつけると、乱暴者はもう逃げてゆくところでした。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は行なった自分の行為の、やましくなかった事を知ることが出来た。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
伏原の案内した家も、船宿構えの静かな家で、店には小女と眼のわるそうな老婆しか居なかった。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)