“一切”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いっさい55.1%
いつさい12.5%
ひときれ10.3%
すべて8.1%
いっせつ5.1%
ひとき4.4%
いつせつ1.5%
ひときり0.7%
ひとしき0.7%
ひとッき0.7%
(他:1)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“一切”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その時お君さんの描いた幻の中には、時々暗い雲の影が、一切いっさいの幸福をおびやかすように、底気味悪く去来していた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
青木がその裏へ越して以来の、極く最近のつきあいで、もと薬剤師だったというほか、くわしいことは一切いっさい知らなかった。
昆虫図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
また石橋いしばし奔走ほんそう目覚めざましいものでした、出版の事は一切いつさい山田やまだ担任たんにん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つひ一切いつさい善男ぜんなん善女ぜんによをしてことごと文学者ぶんがくしやたらしめんとほつ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
そうして町井さんの予言の通りかたばかりとは云いながら、さい一切ひときれもちが元日らしく病人のひとみに映じた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は自分の前に置かれた紅茶茶碗の底に冷たく浮いている檸檬レモン一切ひときれけるようにしてその余りを残りなくすすった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
読書、習字、算術等、一切すべての科学何かある、たゞ紅粉粧飾こうふんさうしよくの余暇に於て学ばむのみ。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なにか、自分じぶんなか一切すべてのものに、現在いまく、悄然しよんぼり夜露よつゆおもツくるしい
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
日本一の不所存もの、恩地源三郎が申渡す、向後一切いっせつ、謡を口にすること罷成まかりならん。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真蔵は衣食台所元のことなど一切いっせつ関係しないから何も知らないのである。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すなわち稲扱きがみてればそれで田の仕事は一切ひときりが付くので、その日の幸福を記念せざるを得なかったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
猫の命日には、妻がきっと一切ひときれのさけと、鰹節かつぶしをかけた一杯の飯を墓の前に供える。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かたじけないけれど、僕の迷は未だ覚めんのだから、間は発狂してゐる者と想つて、一切いつせつかまひ付けずに措いてくれ給へ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たれにも一切いつせつくち不申まをさず唯独ただひと引籠ひきこもり居り候て、むなしく時の候中さふらふうち
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と母に叱られても、子供は聞入れなかった。お種は針仕事を一切ひときりにして、前掛を払いながら起立たちあがった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夕方は用が有るから、三人ばらばらになって、私はランプ配りやら、戸締りやら、一切ひとしきり立働いて、例の通り部屋で晩飯を済すと、また身体にひまが出来た。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ポチは朝起だから、もう其時分にはとッくに朝飯あさめしも済んで、一切ひとッきり遊んだ所だが、私の声を聴き付けると、何処に居ても一目散に飛んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
べつなのを讀みませう。ソレ女人ニヨニンハ、五障ゴシヤウ三從サムシヨウトテ、オトコニマサリテカカルフカキツミノアルナリ、コノユヘニ一切イチサイ女人ニヨニンヲバ、——馬鹿らしい。
陰火 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)