トップ
>
一切
>
いっせつ
ふりがな文庫
“
一切
(
いっせつ
)” の例文
もとより両親の
言
(
ことば
)
ではあるし、自分でも強いて淋しい生活に入るのを望むわけでもないから、
一切
(
いっせつ
)
両親にまかすことにしたのがそもそも娘の不運の
基
(
もと
)
であった。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
日本一の不所存もの、恩地源三郎が申渡す、向後
一切
(
いっせつ
)
、謡を口にすること
罷成
(
まかりな
)
らん。
立処
(
たちどころ
)
に勘当だ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでは
貴様
(
あなた
)
は宇宙に神秘なしと言うお
考
(
かんがえ
)
なのです、
要之
(
つまり
)
、貴様には
此
(
この
)
宇宙に寄する此人生の意義が、極く平易
明亮
(
めいりょう
)
なので、貴様の頭は
二々
(
ににん
)
が
四
(
し
)
で、
一切
(
いっせつ
)
が間に合うのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
これ/\昔馴染とは
何
(
なん
)
の事だ、屋敷にいる時は手前の親を
引立
(
ひきた
)
ってやった事はあるが、恩を受けたことは少しもない、それを昔馴染などとは
以
(
もって
)
の
外
(
ほか
)
のことだ、
一切
(
いっせつ
)
出来ません
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
本は
一切
(
いっせつ
)
片附けて
枕許
(
まくらもと
)
には何も置かずに
床
(
とこ
)
に入った、ところが、やがて
昨晩
(
ゆうべ
)
と、
殆
(
ほと
)
んど同じくらいな刻限になると、今度は突然胸元が重苦しく
圧
(
お
)
されるようになったので、
不図
(
ふと
)
また眼を開けて見ると
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
▼ もっと見る
老人もまた人が通ろうと犬が過ぎ行こうと
一切
(
いっせつ
)
おかまいなし、
悠々
(
ゆうゆう
)
行路の人、縁なくんば眼前千里、ただ静かな穏やかな青空がいつもいつも平等におおうているばかりである。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
親たる父に
未
(
ま
)
だ孝の道も
尽
(
つく
)
さずして先だつ不孝は
幾重
(
いくえ
)
にも済まぬがわたしは一刻も早くこの苦しい
憂世
(
うきよ
)
を去りたい、
妾
(
わたし
)
の死せる
後
(
のち
)
はあの夫は、あんな人
故
(
だから
)
死後の事など何も
一切
(
いっせつ
)
関
(
かま
)
わぬ事でしょう
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
それッきり、危うございますから、刃物は
一切
(
いっせつ
)
厳禁にしたんです。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真蔵は衣食台所元のことなど
一切
(
いっせつ
)
関係しないから何も知らないのである。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“一切”で始まる語句
一切合財
一切経
一切合切
一切衆生
一切空
一切蔵経
一切我今皆懺悔
一切有
一切断面
一切皆空