“故”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ゆえ35.2%
せい11.8%
ゆゑ11.5%
ことさ8.3%
わざ8.3%
もと7.0%
せゐ4.7%
3.1%
わけ2.3%
ふる1.6%
(他:39)6.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“故”を含む作品のジャンル比率
文学 > 中国文学 > 小説 物語30.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.2%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行3.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それゆえに詩の形式は、外部から借用されたものでなくして、内部から生み出されたところの、必然のものでなければならない。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
今日特に緊急とせられる民族的発展は、その必要程度にまで拡ることが出来ないと信ずるがゆえに、作者は流れ弾がとんできたら
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
腕組をしたまゝ、鋭い眼で机の上を睨んでいたが、ふと吸取紙に眼がついた。気のせいだか少し位置が、ねじれているようだ。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「それは眼敏めざとくていらるるせいなんでしょうよ。元からそうでしたよ。それに年を取って来ると猶更そうなるものです。」
田原氏の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ソクラテス、雅典アテーネの子弟を迷はすのゆゑを以て法廷に引かるゝや、曰く、我は雅典の光なり、罪すべくんば罪せよと。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ゆゑに愛のためにせむか、他に与へらるゝものは、難といへども、苦といへども、喜んで、あまんじて、これをく。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此処で、敢て言ひますが、同氏はかねて、その劇評乃至戯曲評に於て、私の作品をことさら非難攻撃された跡が歴然としてゐます。
偉大なる近代劇場人 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
しかしまたあるいはその職人が相手の女の商売を考え、ことさらに外国人の名前などは入れずに置いたかも知れなかった。
彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
されどわざとならぬ其罪をあがなはんとてこそ、車上の貴人あてびとは我に字を識り書を讀むことを教へしめ給ひしなれ。
聞くことがありや何処でも聞かれるが、わざと此処ん処へ引張つて来たのには、何かわれわれに思ふ処がなければならない。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老鬼はそこで両手を延べて大異をつかまえて起した。起すと同時に大異の体はもとの体になった。大異は蘇生したように思った。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
質屋に奉公していたときのもと朋輩が、堀の内の近所に住んでいるのを思い出して、千次郎はその足ですぐ堀の内へたずねて行った。
半七捕物帳:08 帯取りの池 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ところが、その頃降り続いた雨のせゐで、河が溢れて鉄路レールが水につかつたので汽車は途中で立往生をしてしまつた。
思ひしのせゐか、袖ヶ浦の向うに見える一帶の山々までが横になつて、足でもそこへ投げ出してゐるかのやうでもある。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
読者どくしやるや、とんさんと芥川あくたがは……あゝ、面影おもかげえる)さんが
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
酒、——かような幼児に仙台六十万石の仕置はできない。、政宗公の血統にて、十五歳以上になる者を改めて願い出るがよかろう。
唐は庚娘に正夫人に対する礼を以て接した。庚娘は驚いて訊いた。金は始めてそのわけを話した。庚娘は唐の手を執っていった。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「もともとお目みえしたことがないから、拝謁しておりませんのに、どうした間違いかお迎えを受けましたが、私にはそのわけが解りかねます」
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
上品な美しいお声で、恋愛の扱われたふるい詩を口ずさんで通ってお行きになることで、煩わしい気持ちを姫君は覚えていた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いにしへのひとにわれあれや楽浪ささなみふるみやこればかなしき 〔巻一・三二〕 高市古人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私の同僚の一人はことさらに大きな声を出して、新聞に出ている姦通かんつう事件を、私の前で喋々ちょうちょうして聞かせました。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は醜い顔をしかめながら、ことさらに彼等をおびやかすべく、一層不機嫌ふきげんらしい眼つきを見せた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こたえて曰く吾先だちてみちひらき行かむ云々、因りて曰く我を発顕あらわしつるは汝なり、かれ汝我を送りて到りませ、と
かれ、国造の神吉事カムヨゴトまおして朝廷みかど参向まいむかふ時、其水沼出而イデヽ用ゐ初むるなり。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
あたしは、それから夕方までを、き夫の隠匿いんとくしている財産探しについやした。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「抜地獄」と称するこの寮の秘密を、お露はき父から聞いて知っていたのである。
口の中に真黒い血が一とかたまり泌み出いておる処を見ると、これは尋常事ただごとじゃないと気が付いたけに
もっともこれは私共の若い時代じぶんの事で、今は若い者が学校に行きますお蔭で皆、賢明りこうになりましたけに、そげな馬鹿はアトカタもうなりました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうかと思うと悪戯好いたずらずきの社友は、余が辞退したのを承知の上で、ことさらに余を厭がらせるために、夏目文学博士殿と上書うわがきをした手紙を寄こした。
互を軽蔑した文字をてんとして六号活字に並べ立てたりなどして、ことさらに自分らが社会から軽蔑されるような地盤を固めつつ澄まし返っている有様ありさまである。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
駕「左様そうでげすか、オヤ/\/\成程居ない、気のせえおもてえと思ったと見える、成程何方どなたも入らっしゃいません、左様さようなら」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また此の重三郎の親父は梨子売を致す重助と申す者で、川崎在の羽根田村に身貧に暮して居りまするが、去年の暮から年のせえか致して寒気さむさあたる、疝気せんきが起ったと見えまして寝て居ります。
故國御魂カレクニミタマと云なり、カレ此名は此神に限らず、倭大國魂ヤマトオホクニミタマノ神、高市郡吉野大國栖御魂神社
卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
カレ其大刀弓を持て、其八十神を追い避くる時に、坂の御尾毎に追伏せ、河の瀬毎に追撥いて、国作り始め給いき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
朝から、姫の白い額の、ユヱもなくひよめいた長い日の、ノチである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「何やらの書にも——ソノ味ハ醇厚ジユンコウ、久シキヲテモ損セズ、ユヱイニシヘヨリ大宋タイソウ南蛮ナンバンニ往来スル倭船ワセンモ、必ズココニテ酒壺シユコ吉備酒キビザケヲ満タシ、長キ船中ノ用ニツ——とか。……和上わじょう、そのような美酒うまざけをわれらへひとつ馳走して給わるまいか」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし何故に事実をありのままに語らないでいたずらに譬喩の言を以て不合理な物語としたのであるか。
神代史の研究法 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
……是に於て其妹伊邪奈美命いざなみのみことを相見まくおもほして、黄泉国よもつのくににいでましき。すなわ殿騰戸あみおかのくみとより出で迎えます時、伊邪奈岐命いざなぎのみこと語りたまはく、愛しき我那邇妹命わがなにものみことわれなんじと作れりし国未だ作りおわらず、れ還りたまふべしと。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この鸚鵡は最前さっきの紅木という総理大臣の息子で、平生ふだん王の御遊び相手として毎日宮中に来ている紅矢べにやというが、今日は少し加減が悪くて御機嫌伺いに参りかねますから
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
かるがゆえに君子は庖厨ほうちゅうを遠ざく……こりゃ分るまいが、大尽だいじんは茶屋のかまえおおきからんことを望むのだとね。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四囲あたりがシンとしておりますけに……そうするとお八代さんは、チョット考えておるようで御座いましたが「まあだナカナカ腐るもんじゃない。それよりも最早もう夜が明けとるけん、御飯をば喰べに降りて来なさい」と云いますと
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると、それで気がついたものと見えまして、明日あすからは母親のお八代さんが、濡れ手を拭き拭き私を物蔭に呼びまして「二十歳はたちにもなっとるけん間違いはなかろうが、まだ帰らぬ模様ごとあるけん、そこいらまで見に行ってくれまいか」という頼みで御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あんな人だから死後の事など何も一切いっせつかまわぬ事でしょう、また葬式一切いっさいの費用に関しても、最早もはや自分の衣類道具も片なくなっているさいでもあるし
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
孝陵の山川さんせんは、其のふるきに因りて改むるなかれ、天下の臣民は、哭臨こくりんする三日にして、皆服をき、嫁娶かしゅを妨ぐるなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
拙者せつしやふるくから此石とは馴染なじみなので、この石の事なら詳細くはししつて居るのじや
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
むかしの園を捨てて行かまし
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
喬生は何ごころなくその旅棺をみると、その上に白い紙が貼ってあって「もとの奉化州判符女、麗卿之ひつぎ」としるし、その柩の前には見おぼえのある双頭の牡丹燈をかけ、またその燈下には人形の侍女こしもとが立っていて、人形の背中には金蓮の二字が書いてあった。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
なんゆへ少娘むすめ困厄こんやくせしめし惡漢あくかんをうちひしぐなどの正義せいぎありて
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
なんゆへに、婬賣いんばい女につみおこな資本しほんりながら、香水料こうすいりよう慈惠じけいせしや
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
と言つて居るが、祕も楊雄がコトさらに大聖大佞などの語を使つたのは、唯抽象的に述べたものでなく、王莽といふものが彼れの眼中にあつたからで、愚者は僞善家に欺かるれど、眞物と僞物との別は、能く注意すれば分るとの意味を言つて、王莽に當附けたものとしたらしい。
楊雄と法言 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)