“故”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆえ35.5%
ゆゑ12.7%
せい11.6%
わざ7.7%
ことさ7.5%
もと7.0%
せゐ4.1%
こ3.0%
わけ1.9%
ふる1.8%
ことさら1.4%
かれ0.6%
な0.6%
カレ0.4%
こと0.4%
けに0.3%
ゆへ0.3%
かるがゆゑ0.3%
せえ0.3%
ユヱ0.3%
がら0.1%
けん0.1%
コトサラ0.1%
いたず0.1%
か0.1%
から0.1%
かるがゆえ0.1%
だから0.1%
ふるき0.1%
ふるく0.1%
まこと0.1%
むかし0.1%
もとの0.1%
コト0.1%
フル0.1%
フルキコト0.1%
ユエ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、私は、今日まで、そういうことなど考えて見たことのない生初心(きうぶ)な若者故(ゆえ)、いざ行くとなると気が差してなかなか行き渋る。
も勤め此家の番頭(ばんとう)と呼(よば)れたる忠(ちう)八と云者何時(いつ)の程にかお熊と人知(ひとし)らぬ中となりけるが母のお常は是を知ると雖も其身も密夫(みつぷ)有(ある)故(ゆゑ)に渠(かれ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
達子が自分を急き立ててるのはその故(せい)だなと、昌作はふと考えついた。けれど、禎輔のそうした様子の方へ、彼の心は惹かされた。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
故(わざ)と下(お)りて見(み)た篠山(さゝやま)の驛(えき)のプラツトホームを歩行(ある)くのさへ、重疊(ちようでふ)と連(つらな)る山(やま)を見(み)れば、熊(くま)の背(せ)に立(た)つ思(おもひ)がした。酒顛童子(しゆてんどうじ)の大江山(おほえやま)。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
従て私は和名も科名も共にこれをカナで書く事を決行実践したのであったが、その時独(ただ)科の字のみは姑(しば)らく故(ことさ)らにこれを存置した。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「玄妙観(げんみょうかん)の魏(ぎ)法師は故(もと)の開府の王真人(おうしんじん)の弟子で、おまじないでは当今第一と称せられているから、お前も早くいって頼むがよかろう」
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
呂昇なぞも、女義太夫としては外貌(そつぽ)もよし、声もよいが、平常(ふだん)咽喉を使ひ過ぎる故(せゐ)で、首が棒(ぼう)つ杭(くひ)のやうにがつしりと肥つてゐる。
思へば故(こ)内府の思顧の侍、其數を知らざる内に、世を捨てし瀧口の此期(このご)に及びて君の御役に立たん事、生前(しやうぜん)の面目(めんぼく)此上(このうへ)や候べき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
陳は自分がそこへ来た故(わけ)を知らして、そのうえ飢えていることを話した。馭卒は裏糧(べんとう)を解いて食物を分けてくれて、そして注意した。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
上品な美しいお声で、恋愛の扱われた故(ふる)い詩を口ずさんで通ってお行きになることで、煩わしい気持ちを姫君は覚えていた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
此方(こなた)は愈大得意にて、故(ことさら)に徐(しずか)に歩めば、二人は遂に堪へ兼ねて、言葉をかけ、予の成功を祝せし後、「何処にて釣り候ぞ」と問へり。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
その時、其津の水沼於而(ミヌマイデ(?)テ)、御身沐浴(ソヽ)ぎ坐(マ)しき。故(かれ)、国造の神吉事(カムヨゴト)奏(まお)して朝廷(みかど)に参向(まいむか)ふ時、其水沼出而(イデヽ)用ゐ初むるなり。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「抜地獄」と称するこの寮の秘密を、お露は故(な)き父から聞いて知っていたのである。が、彼女もその富を享楽(きょうらく)する機会を与えられなかった。
爾(カレ)、天ノ宇受売ノ命海鼠に謂ひけるは「この口や、答へせぬ口」と言ひて、ひもがたなもちて、其口を拆(サ)きゝ。故(カレ)今に海鼠の口拆けたり。
そうかと思うと悪戯好(いたずらずき)の社友は、余が辞退したのを承知の上で、故(こと)さらに余を厭がらせるために、夏目文学博士殿と上書(うわがき)をした手紙を寄こした。
口の中に真黒い血が一と塊(かたまり)泌み出いておる処を見ると、これは尋常事(ただごと)じゃないと気が付いた故(けに)、今日がきょうまで世間の噂を探りおったものじゃがなあ
何(なん)が故(ゆへ)に極(きは)めて正直(せうじき)なる心(こゝろ)を以(もつ)て、極(きは)めて愛情(あいじよう)にひかさるべき性情(せいじよう)を以(も)て而(しか)して母(はゝ)と妹(いもと)の愛情(あいじよう)を冷笑(れいしよう)するに至(いた)りしや
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
いかんとなれば冬の雪はいかほどつもりても凝凍(こほりかたまる)ことなく、脆弱(やはらか)なる事淤泥(どろ)のごとし。故(かるがゆゑ)に冬の雪中は橇(かんじき)・縋(すかり)を穿(はき)て途(みち)を行(ゆく)。里言(りげん)には雪を漕(こぐ)といふ。
駕「左様(そう)でげすか、オヤ/\/\成程居ない、気の故(せえ)で重(おも)てえと思ったと見える、成程何方(どなた)も入らっしゃいません、左様(さよう)なら」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
朝から、姫の白い額の、故(ユヱ)もなくひよめいた長い日の、後(ノチ)である。二上山の峰を包む雲の上に、中秋の日の爛熟(ランジユク)した光りが、くるめき出したのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
役人衆(しう)へ遣(つかは)したと申事是は人の噂(うはさ)なれば聢(しか)とは申上兼れ共九郎兵衞夫婦の者甚(はなは)だ怪(あや)しく存じ候と事細密(こまか)に長々(なが/\)と申立ければ縫殿頭殿(ぬひのかみどの)にはシテ其法事を頼に參りし寺の名は何(なに)と申又其事故(がら)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
チョット考えておるようで御座いましたが「まあだナカナカ腐るもんじゃない。それよりも最早(もう)夜が明けとる故(けん)、御飯をば喰べに降りて来なさい」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一概に身命を惜み、危難を懼れ、故(コトサラ)に曖昧な文句を弄んだと計り論じ去る譯にはゆかぬと思ふのである。
楊雄と法言 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
しかし何故に事実をありのままに語らないで故(いたず)らに譬喩の言を以て不合理な物語としたのであるか。神が人であるならば何故に神という観念、神代という思想があるのか。
神代史の研究法 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
爾(すなわ)ち殿騰戸(あみおかのくみと)より出で迎えます時、伊邪奈岐命(いざなぎのみこと)語りたまはく、愛しき我那邇妹命(わがなにものみこと)、吾(われ)汝(なんじ)と作れりし国未だ作り竟(おわ)らず、故(か)れ還りたまふべしと。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この鸚鵡は最前(さっき)の紅木という総理大臣の息子で、平生(ふだん)王の御遊び相手として毎日宮中に来ている紅矢(べにや)という児(こ)が、今日は少し加減が悪くて御機嫌伺いに参りかねます故(から)
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
故(かるがゆえ)に君子は庖厨(ほうちゅう)を遠ざく……こりゃ分るまいが、大尽(だいじん)は茶屋の構(かまえ)の大(おおき)からんことを望むのだとね。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親たる父に未(ま)だ孝の道も尽(つく)さずして先だつ不孝は幾重(いくえ)にも済まぬがわたしは一刻も早くこの苦しい憂世(うきよ)を去りたい、妾(わたし)の死せる後(のち)はあの夫は、あんな人故(だから)死後の事など何も一切(いっせつ)関(かま)わぬ事でしょう
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
孝陵の山川(さんせん)は、其の故(ふるき)に因りて改むる勿(なか)れ、天下の臣民は、哭臨(こくりん)する三日にして、皆服を釈(と)き、嫁娶(かしゅ)を妨ぐるなかれ。諸王は国中に臨(なげ)きて、京師に至る母(なか)れ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
拙者(せつしや)は故(ふるく)から此石とは馴染(なじみ)なので、この石の事なら詳細(くはし)く知(しつ)て居るのじや、抑(そもそ)も此石には九十二の竅(あな)がある、其中の巨(おほき)な孔(あな)の中には五(いつゝ)の堂宇(だうゝ)がある
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
故(まこと)に此(この)二子(し)は皆(みな)聖人(せいじん)なるも、猶(な)ほ身(み)を役(えき)して世(よ)を渉(わた)る此(か)くの如(ごと)く其(そ)れ汙(ひく)きこと無(な)き能(あた)はず。則(すなは)ち(一〇〇)能仕(のうし)の設(は)づる所(ところ)に非(あら)ず。宋(そう)に富人(ふうじん)あり、天(あめ)雨(ふ)りて墻(かき)壞(やぶ)る。
故(むかし)の園を捨てて行かまし
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その上に白い紙が貼ってあって「故(もとの)奉化州判符女、麗卿之柩(ひつぎ)」としるし、その柩の前には見おぼえのある双頭の牡丹燈をかけ、またその燈下には人形の侍女(こしもと)が立っていて
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
祕も楊雄が故(コト)さらに大聖大佞などの語を使つたのは、唯抽象的に述べたものでなく、王莽といふものが彼れの眼中にあつたからで、愚者は僞善家に欺かるれど、眞物と僞物との別は
楊雄と法言 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
知る人のなくなるが多き故(フル)さとに、ひとりある翁(ヲヂ) 千代もかくもが
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
自レ我作レ故(フルキコト)とか稱するが、その始レ古といひ、作レ故といふ字句の間にも、明に彼等の尚古思想が見(あら)はれて居る。
支那人の文弱と保守 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
抑〻(ソモソモ)天命ヲ逆(サカ)シマト為(ナ)ス者ニ非(アラ)ズシテ 何(ナン)ゾヤ 即(スナワ)チ 天ニ代ッテ吾等ノ道ヲ行ワントスル所以(ユエン)ナリ 若(モ)シソレ 盧俊儀ト石秀ノ二人ヲ故(ユエ)ナク断刑(ダンケイ)ニ処(ショ)サバ 梁山泊(リョウザンパク)数万ノ天兵ハ タチドコロニ北京ヲ焼キ払ワン 且(カ)ツ悪吏ノ一人タリトモ 鬼籍(キセキ)ノ黒簿(コクボ)ヨリ除(ノゾ)キ ソノ命ヲ助ケオクコト無カラン
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)