“もと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モト
語句割合
16.2%
14.5%
8.7%
7.1%
6.6%
6.2%
4.7%
4.4%
以前3.5%
3.3%
2.9%
2.2%
2.2%
2.1%
原因2.0%
2.0%
1.8%
1.1%
資本1.1%
1.0%
0.7%
0.6%
元来0.3%
0.3%
0.3%
元金0.3%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
旧来0.1%
0.1%
旧時0.1%
0.1%
源因0.1%
酵母0.1%
0.1%
基因0.1%
旧態0.1%
元手0.1%
0.1%
動機0.1%
0.1%
0.1%
根元0.1%
根本0.1%
素因0.1%
起因0.1%
元來0.0%
本源0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
元料0.0%
前身0.0%
原料0.0%
原状0.0%
0.0%
因由0.0%
固已0.0%
基本0.0%
基礎0.0%
0.0%
平常0.0%
往時0.0%
0.0%
従前0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
旧処0.0%
0.0%
本來0.0%
本来0.0%
本質0.0%
材料0.0%
0.0%
根源0.0%
0.0%
深因0.0%
0.0%
生国0.0%
産地0.0%
由來0.0%
0.0%
茂登0.0%
葡萄汁0.0%
0.0%
要求0.0%
資金0.0%
起原0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紀州のお国もとの方からも多勢お里の方がお見えになっていらっしゃったが、もうその頃には女中さんの病気もだいぶ悪かったらしく
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
しかしこの数字は、カドミウム元素から或る発光条件のもとに出る或る光の波長を基準として、それとの比較値を示しているのである。
地球の円い話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
しかしもとよりこの区別は絶対的でないのであるから、自己の運動であっても少しく複雑なる者は予期的表象に直に従うことはできぬ
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
おなじく桂川のほとり、虎溪橋こけいけうの袂。川邊には柳幾もとたちて、すゝきと蘆とみだれ生ひたり。橋を隔てゝ修禪寺の山門みゆ。同じ日の宵。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
家に、防ぐ筈の石城が失せたからだと、天下中の人が騒いだ。其でまた、とり壊した家も、ぼつぼつもとに戻したりしたことであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
(四三)しんへいは、もと(四四)悍勇かんゆうにしてせいかろんじ、せいがうしてけふす。たたかもの(四五)其勢そのいきほひつてこれ利導りだうす。
リューマチ性の熱がもとで六週間もポルダー邸を混乱させ、ポルダーの仕事を中止させ、ポルダーの寝室でほとんど死ぬほどに苦しんだ。
「おまえきつねであろうとなんであろうと、子供こどものためにも、せめてこの子が十になるまででも、もとのようにいっしょにいてくれないか。」
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
悲しい事実も、盛時さかりの彼女には悲話は深刻なだけ、より彼女が特異の境遇におかれるので、彼女は以前もとから隠そうとはしなかった。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
通常つうじょう人間にんげんは、いいことも、わるいこともみな身外しんがいからもとめます。すなわ馬車ばしゃだとか、書斎しょさいだとかと、しかし思想家しそうか自身じしんもとめるのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
此君このきみにして此臣このしんあり、十萬石じふまんごく政治せいぢたなそこにぎりて富國強兵ふこくきやうへいもとひらきし、恩田杢おんだもくは、幸豐公ゆきとよぎみ活眼くわつがんにて、擢出ぬきんでられしひとにぞありける。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
芳賀博士はこの話を『今昔物語』十巻三十八語のもとと見定められた、その話は昔震旦しんたんの猟師海辺に山指し出た所に隠れて鹿を待つと
而シテ君今亡シ。嗣子紳六郎男、其伝ヲ携ヘ来リテ之ニ序セムコトヲもとム。余之ヲ読ミテ其感ニ堪ヘス。即数言ヲ記シテ以テ之ヲ返ス。
西周伝:05 序 (新字旧仮名) / 津田真道(著)
それは中世紀の坊主が地動説は神に對する冒涜であると批難し、近世の宗教家が進化論は聖書にもとると批難したのと同斷である。
唯物史観と文学 (旧字旧仮名) / 平林初之輔(著)
これがいつまでわが目の樂なりしやといふ事、大いなるいきどほりまこと原因もと、またわが用ゐわが作れる言葉の事即ち是なり 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
水鬼はめいもとめるという諺があって、水に死んだ者のたましいは、その身代りを求めない以上は、いつまでも成仏じょうぶつできないのである。
「鳥あり、鳥あり、丁令威。家を去る千年、今始めて帰る。城廓もとの如くにして、人民非なり。なんぞ仙を学ばざるか、塚纍々るいるいたり」
もとむる物あって得ざるの様子であった。かくてこの裁判は、証拠不充分放免という宣告に終り、被告は直ちに自由の身となった。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
屑屋の資本もとしまの財布を、首からはずして、ひもぐるみ、クルクルと巻いたかと思うと、万吉は、それをポーンとほうってやって
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
視力もとかへりてちひさきかゞやきに堪ふるに及び(わがこれを小さしといへるはしひてわが目を離すにいたれる大いなる輝に比ぶればなり)
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
默つて困苦に堪へてゐる農民をして困苦に堪へしめてゐる力のもとに、この驚きと喜びとがあることは思ひのほかなのではないかと思つた。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
一般の安全をはかりて保護の世話をなし、人民は政府の命令に従いて指図の世話にもとることあらざれば、公私の間まるく治まるべし。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
桂家の屋敷は元来もと、町にあったのを、家運の傾むくとともにこれを小松山の下に運んで建てなおしたので、その時も僕の父などはこういっていた
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
汝なほ食卓つくゑに向ひてしばらく坐すべし、汝のくらへるかた食物くひものはその消化こなるゝ爲になほ助けをもとむればなり 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
何枚かのレコードをもとめて出ようとすると、雨であつた。狐の嫁入りだから直ぐやむだらうと暫らく待つてゐたが、なかなかやみさうになく、本降りになつた。
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
いつ知らず「俺の方が元金もとがかゝつてゐるのに……」といふ不平を抱いてゐるのである。
心理的と個性的 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
さればもとも晴やかなる汝達なんたち取り巻きまつり
又わたくしは事実をもとむるに急なるがために、翫味するに堪へたる抒情の語をも、惜しげなくけづり去つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もと高雄艦長たかをかんちやういま軍艦ぐんかん」の艦長かんちやう、松島海軍大佐閣下かいぐんたいさかくか部下ぶか信號兵しんがうへいだよ。』と、水兵すいへいひざすゝませ
隅田川なる風景によってその抒情詩的本能を外発さすべき象徴をもとめた理想的内面の芸術ともいい得よう。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
仏教の干渉かんしょう介助かいじょが始まってこの作法のややゆるんだ頃に、すなわちかの多くの水の神が妻をもとめる話は起ったのであろう。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「では、冀州きしゅう河北省かほくしょう・中南部)の太守韓馥かんふくに、事情を告げて、兵糧のもとを借りにやろう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何をして居た、旧来もとは。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
此時僧侶の間で最も忌むべき顕栄をもとめる念が始めてステパンの心のうちきざした。間もなくステパンは矢張都に近い或る僧院に栄転して一段高い役を勤めることを命ぜられた。
あの幇間が旧時もとあの侍の処に奉公した仲間ちゅうげんで、それが何か持逃げをしてプイと居無くなってたのが、幇間に成って居るから、捨置かれん、何故なぜ己の事を蔭で悪くいうとおこってるので
人誰か父母の国を思ハざらんや。然ニ忍で之を顧ざるハ、情の為に道にもとり宿志の蹉躓さちを恐るゝなり。志願果して(ならずん)バ、復何為なんのためにか君顔を拝せん。
かかるひまにお花と源造に漢書の素読そどく、数学英語の初歩などを授けたが源因もととなり、ともかく、遊んでばかりいてはかえってよくない、少年こどもを集めて私塾しじゅくのようなものでも開いたら
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「これだつか、喜劇の酵母もとだつせ。」
それがもととなって病いは重るばかりで、みんなと一緒に信州まではともかくも乗り込んだものの、とても舞台の人にはなれそうもないので、旅さきから一座の人々に引き別れて
子供役者の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私といふものある前で、主人やどまでが品評め。お前なんぞはそちらの隅にと、いはぬばかりの誉め方を、致した事もござんすが。誉れは、結句譏りの基因もと
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
……死ぬ程、愛し合っている親子同志や恋人同志が、先生方の手で無理やりに引離されて、地獄よりも、非道ひどい責苦を見せられているのを、先生方はどうして旧態もとに返して下さるのです。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「あッ。あああ……これで、ようよう元手もと取った」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もと郵便局員ゆうびんきょくいんは、さも狡猾ずるそうにほそめてう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
またはどういう身分の女がなにが動機もとでこうも浅間しく気が狂ったのか、それらのことはいっさいわからなかった。
寛懐かんかい俗情にもとらざるはなり、立脚りっきゃく俗情にちざるはかいなり」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
起きよ、我儕われら往くべし。我をわたすもの近づきたり、此如かくいへるとき十二の一人ひとりたるユダつるぎと棒とを持ちたる多くの人人とともに祭司のをさと民の長老としよりもとより来る。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
それが、根元もとと申しますのは、地体この地震の風説うわさは、師走以来こちらの陽気から起ったのでござりましょう。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれどもその面白い出来事の根本もとになるその妃の素性がはっきりわからないではつまらないではないか。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
我が行為のお糸を遠ざからせ、重兵衛を怒らせたる素因もとを忘れて、二人をのみ怨み罵りぬ。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
なに自分が太い癖に何卒どうかしてお隅を手に入れ様と思ううち、ふと思い出して胸へ浮んだのは、噂に聞けば去年の秋大生郷の天神前で、安田一角と花車重吉の喧嘩の起因もとはお隅から
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
イワン、デミトリチ、グロモフは三十三さいで、かれ此室このしつでの身分みぶんいもの、元來もと裁判所さいばんしよ警吏けいりまた縣廳けんちやう書記しよきをもつとめたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
號室がうしつだい番目ばんめは、元來もと郵便局いうびんきよくとやらにつとめたをとこで、いやうな、すこ狡猾ずるいやうな、ひくい、せたブロンヂンの、利發りかうらしい瞭然はつきりとした愉快ゆくわい眼付めつきちよつるとまる正氣しやうきのやうである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
八二老衲らうなふもしこの鬼を八三教化けうげして本源もとの心にかへらしめなば、こよひのあるじむくひともなりなんかしと、たふときこころざしをおこし給ふ。
よひ々里に出でて人をわざはひするゆゑに、ちかき里人は安き心なし。我これを聞きて一二七捨つるに忍びず。わざわざ来りて教化けうげし、本源もとの心にかへらしめんとなるを、汝我がをしへを聞くやいなや。
そねがもと そねつな二五
粟生あはふには 臭韮かみらもと二四
むゝ、あの貧人ひんじんから是非ぜひどくもとめうわい。……なんでもへんであった。祭日さいじつゆゑ貧乏店びんばふみせしまってある。……いや、なう/\! 藥種屋やくしゅやはおりゃるか?
食物たべものもとめてにくけたがよい。……(行きかけて藥瓶を見て)どくではない興奮劑きつけぐすりよ、さア一しょに、ヂュリエットのはかい、あそこでそち使つかはにゃならぬ。
夜が來て酒倉の暗い中からもとすり歌のかいの音がしんみりと調子てうしをそろへて靜かな空の闇に消えてゆく時分じぶんになれば赤い三日月の差し入る幼兒をさなごの寢部屋の窓に青い眼をした生膽取いきぎもとりの「時」がくる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
もとすり唄のこころは
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
いねてもつかれずや、コホンコホンとしはぶく声の、骨身にこたへてセツナそうなるにぞ、そのつど少女は、慌てて父が枕もとなる洗ひ洒しの布片きれを取りて父に与へ、赤きものの交りたる啖を拭はせて
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
まず材をよく磨きてのち、鉛丹たん膠水にかわ、または尋常よのつね荏油えのゆ仮漆かしつあわせたる、黄赤にしてたいまい色をなすところの元料もとを塗る。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ところでその今の母親と言うのは前身もと芸妓げいしゃ上りと言う事で、まだ色も香も相当残っとる年増盛りじゃが、そのような女にも似合わず
「アアなるほど、あの灰汁水あくみずを作る原料もとですな」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
併し藤沢は、抑えている間は縮んでいる発条ばねのように、手を放すとすぐに原状もとに戻って、まもなくその時の恐怖感を忘れてしまうのだった。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「いったん、泥と血とがこね返って、新しい世が立てなおる、王政はもとにかえる」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われはおそる/\その不興の因由もとを問ひしに、主人頭をりて、否、やくなき訴訟の事ありて、ちとの不安を感ずるに過ぎず、ポツジヨは久しくおとづれず、おん身さへ健康すぐれ給はざる如し
しからザレバ鳥啼ちょうてい虫吟ちゅうぎん沾沾ちょうちょうトシテみずかラ喜ビ佳処かしょアリトイヘドモ辺幅へんぷく固已もとヨリ狭シ。人ニ郷党自好じこうノ士アリ。詩ニモマタ郷党自好ノ詩アリ。桓寛かんかんガ『塩鉄論えんてつろん』ニ曰ク鄙儒ひじゅ都士としカズト。信ズベシ矣。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
法術と云うてもその基本もと精神こころの工夫の鍛錬じゃ。精神こころが一ヵ所に集まって自我を一切忘却し、他物に自身を移した時、そこに法術が現われる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「自己が基礎もとではないか。いかなるわざも自己の発顕ほつげんじゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先づ赤穴丹治がいへにいきて、一二三姓名をもていひ入るるに、丹治迎へしやうじて、一二四つばさある物の告ぐるにあらで、いかでしらせ給ふべきいはれなしと、しきりに問もとむ。左門いふ。
政雄はその日からばかのようになって雑貨店の二階に寝ていたが、十日位してやっと精神が平常もとふくして来た。精神が平常もとに復して来ると安閑あんかんとしてはいられなかった。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこは、往時もと女髪結で直樹の家へ出入して、直樹の母親の髪を結ったという老婆ばあさんが見つけてくれた家であった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
故に山羊はあま邪鬼じゃくだというと、これは足の構造に基づくはもちろんながら、山羊、綿羊共に決して一汎いっぱんにいわるるほど柔順でなく卞彬べんぴんは羊性淫にしてもとるといった。
五合、三合、従前もとの通りになって、らば烟草の方はまぬむかしの通りにしようとしてもれも出来ず、馬鹿々々しいとも何ともけがわからない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もとの位置にパチリとおさめた。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
瘠我慢やせがまんせつは、福沢先生が明治二十四年の冬頃に執筆せられ、これを勝安芳かつやすよし榎本武揚えのもとたけあきの二氏に寄せてその意見をもとめられしものなり。
瘠我慢の説:01 序 (新字新仮名) / 石河幹明(著)
その点をもう少し世間に、或いは世界に施してもとらぬように示す義務があるだろう。
雪之丞は、そう心に呟きながら、懐剣に懐紙でぬぐいをかけて、さやに収めると、供男の姿をあたりにもとめたが
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
今だってちっともこうしていたくはないけれど、こう草臥くたびれては退くにも退かれぬ。少し休息したらまた旧処もとへ戻ろう。幸いと風をうしろにしているから、臭気は前方むこうへ持って行こうというもの。
美代子みよこさんは、ちょうど十二でした。このごろは、からだわるいので学校がっこうやすんで、医者いしゃにかかっていました。けれどなかなかもとのように元気げんきよく、くなおりませんでした。
千代紙の春 (新字新仮名) / 小川未明(著)
花ともなさむ本來もとの性。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
けれど、何度それを本来もとの場所へ当てがってみても、依然として、その躍起の努力も水泡に帰した。
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
またかぎりない変転の本質もとを知った。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
正月を当てこんでうんと材料もとを仕入れるのだとて、種吉が仕入れの金を無心に来ると
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
月は出でしかど、三四しげきがもとは影をもらさねば、三五あやなきやみにうらぶれて、ねぶるともなきに、まさしく三六円位ゑんゐ々々とよぶ声す。
きみ御存ごぞんじのごとく、海底戰鬪艇かいていせんとうていすべての機關きくわんは、秘密ひみつなる十二しゆ化學藥液くわがくやくえき作用さよう活動くわつどうするのでせう、その活動くわつどう根源もととなる藥液やくえきは、ことごとく十二のたる密封みつぷうされて
飮ながら偖々さて/\御亭主店先をさわがせ氣のどく千萬それがしはもとより生れ付て容體なりふりに一かうかまはぬゆゑ是までも兎角とかく人に見下られ殊に見らるゝ如く大いなる木太刀きだちを二本さして歩行あるきけれどもそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
実は、私も、彼様いふ目に逢はせられたもんですから、其が深因もとで今度の事業しごとを思立つたやうな訳なんです。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
普通人其儘の生活を持つことが理想にもとるものではない。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
わしア気も違いません、もとより貴方あんたさまに斬られて死ぬ覚悟で、承知して大事でえじのお皿を悉皆みんな打毀ぶちこわしました、もし旦那さま、私ア生国もとおし行田ぎょうだの在で生れた者でありやすが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……酒はなだ都菊みやこぎく産地もと仕入れでございますから量はたっぷりいたします。なにとぞ嚮後きょうこうごひいきに、へい
不幸ふかう由來もとさとめて、ちヽこひはヽこひしの夜半よはゆめにも、かぬさくらかぜうらまぬひとりずみのねがかたくなり、つヽむにもれ素性すじやうひとしらねばこそ樣々さま/″\傳手つてもとめて、香山かやま令孃ひめくるしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あめの真白きもとゆ湧く水の
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ことに由利江の生母が亡くなった当時、それは彼女が十二歳になった初夏のことであるが、金之助の母の茂登もと女は由利江をあわれむ余り家へつれて来て、百日ばかりそばに置いて世話をした。
落ち梅記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
『これらを澄ませる事が出來さへしたら、まつたく素的な酒になつてゐたんだがなあ。この中にや確かに、パンポルの小賣店屋の窖の中の奴なんかよりや、餘程澤山の葡萄汁もとがはいつてゐますぜ』
その頃筋違見附、今の万世橋まんせいばしたもとは、丸ノ内、日本橋から、上野へ、甲州街道への要路で、警戒の厳重なところであり、人出の多いところでもありました。
愛は完全を要求もとめる点で、ほぼ芸術と同じであった。占有出来ないということは、愛する人の身にとって、堪え難いほどの苦痛であった。で、家斉はどうがなして、お杉の秘密を知ろうとした。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それでその少しばかり、運動の資金もとが要るんじゃが、どうだろう、え? と云われると、嘉吉はいつものように人の好い顔を崩して、そりゃ良さそうですな。
忠僕 (新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
殘るみじかき五官の覺醒めざめに人なき世界をしらしめよ、汝等起原もとをおもはずや
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いつそこりや貴方あなたに御願ひ申して、手短く書いて頂きたいと思ひまして——どうして女の手紙といふものは斯う用がもとらないのでせう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
まくらもとに供えた茶碗の水に線香の香りがほのかに這ってくの字を続けたように揺らいでいる——。
ゴーンと云うのが上野の午刻こゝのつだから今の十二時で何う云う訳か楊枝が四本あります、一本へ歯磨を附けまして歯のもとと表を磨き、一本の楊枝で下歯の表を磨き、又一本の楊枝で歯の裏を磨き
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)