“もと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モト
語句割合
16.3%
14.8%
8.9%
7.2%
6.3%
5.9%
4.7%
4.5%
以前3.5%
2.9%
(他:581)25.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕方、間違いなく帰ります。左記の友人のもとへ、将来の方針に就いて相談に行って来るのですから、御心配無く。ほんとうに。
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
女学校へく外に音楽教師のもとへ通つてるエジツは数篇の詩を歌ひ、又尼寺で習つたと云ふ宗教的なお伽噺を一つ述べた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
けれどもお延と違った家庭の事情のもとに、過去の四五年を費やして来た彼女は、どこかにまたお延と違った心得をもっていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも一粒いちりゅうの飯さえあえて胃に送り得ぬ恐怖と用心のもとに、卒然として容赦なく食道をさかさまに流れ出た。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第三の場合はもとよりまれなり。第二もまた多からず。凶漢は敗徳において匹敵ひってきするをもって常態とすればなり。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もとより確かな根拠のあるわけではないが、その服装や所持品などからどうも大佐の人相書と符合する点があるというのである。
しかしそのもとをいかにして養うかについての実際的な考慮こうりょが足りないとて、いつも孔子にしかられるのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
瓢箪ひようたんのやうな恰好かつこうのお煙管で、さうして羅宇らうもとちよつと紙の巻いてございました」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
再びもとへやに戻って、椅子の上に落ち着くと、法水は憮然ぶぜんあごでながら驚くべき言葉を吐いた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これが反対あべこべだと、もと潜門くぐりもんへ押出されます処でございました。強いて入りますほどの度胸はないので。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとより他を論議するのついでに此言このことを附加せしものなれば、二氏も冗長をさけて其理由を言はざりしものならん。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
いわく、えん重兵ちょうへいを握り、かつもとより大志あり、まさこれを削るべしと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
奥方の縁故にかされての邪曲よこしまなお計らいがもとで父君が廃黜はいちゅつき目にお遇いなされた折り
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
奥方の縁故にかされての邪曲よこしまなお計らひがもとで父君が廃黜はいちゅつき目にお遇ひなされた折り
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
機械人間は、机の上から赤鉛筆をとると、壁にはってある設計図の上に赤線をひいて、もとの設計を訂正ていせいしていった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長吉は帽子を取って軽く礼をしたがそのまま、けるように早足はやあしもと来た押上おしあげの方へ歩いて行った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その夜は別に苦しみという事はないけれどもやはり足も手も麻痺まひしてしまって感覚のない事は以前もとの通りであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
福沢さんが、ほかの人とそんなことを話合っているのを聴き残して、わたしはまた以前もとの見物席の方へかえって来た。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そしてこのヨウラクソウは、花の見立てから来た名、ナガサキソウは、その渡来とらいした地にもとづき名づけたものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
『勝負事は、身を滅ぼすもとじゃから、真似でもしてはならんぞ』と、父は口癖のように幾度も幾度も繰り返して私を戒めました。
勝負事 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そしてしずかなところを、もとめて林の中に入ってじっと道理どうりを考えていましたがとうとうつかれてねむりました。
手紙 一 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それもこれも考えればみな自分のうかつからもとめたことでまぬがれようのない、いわゆるみずからつくれるわざわいだ……。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
郷里くにから函館へ、函館から札幌へ、札幌から小樽へ、小樽から釧路へ――私はさういふ風に食をもとめて流れ歩いた。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ある村では克明に古い形をもとめ、他の村では新しいものが珍重せられて、それをまた忘れようとさえしているのである。
家庭と學校との教育は、さかしき鑛掘かねほり鑛鋳かねふきなどのやうに、これをもとめ出だし、これを吹き分くるなり。
したがって「いき」の表現の芸術形式は主として主観的芸術、すなわち自由芸術の形成原理のうちにもとめなければならぬ。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
「その風邪が万病のもとじゃ、と誰でも申すことでごわりまするが、事実まったくでな。何分御注意なさらんとなりません。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右の上の三個は、土器表面ひやうめんに在る押紋を其もとに還したるものにして、りも直さずひも細工の裝飾なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
この一件の原因もとをなしているのは、正しく彼に自分の娘を押しつけようとしている佐官夫人ポドトチナに違いないという仮定が
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
あゝ永遠とこしへさだめよ、第一の原因もとを見きはむるをえざる目に汝の根の遠ざかることいかばかりぞや 一三〇―一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
是においてか彼これを信じ、其後異教の惡臭をしうを忍ばず、かつその事にて多くのもとれる人々を責めたり 一二四―一二六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
夫からの数度の嘆願にかかわらず、女房は返されなかった。重臣は、人倫の道にもとる所業として忠直卿を強諫きょうかんした。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
老鬼はそこで両手を延べて大異をつかまえて起した。起すと同時に大異の体はもとの体になった。大異は蘇生したように思った。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
質屋に奉公していたときのもと朋輩が、堀の内の近所に住んでいるのを思い出して、千次郎はその足ですぐ堀の内へたずねて行った。
半七捕物帳:08 帯取りの池 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遠い昔の日のみ子さまのおしの、いいと、みを作る御料の水を、大和国中残るくまなく捜しもとめました。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
日向は暑いし風の吹く処は寒いので、風の当らない木蔭をもとめて、鷹に追われた雉子きじのように偃松の繁みに潜り込む。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
モンターニアをしひたげし古き新しきヴェルルッキオの猛犬あらいぬもとの處にゐてその齒をきりとす 四六―四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
只髪だけは艶々と結つてもとの如く大きな丸髷に燃え立つやうな赤い手絡のかゝつてゐるのが他に反映して殊に目に立つ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「まあそうですね。これが当ると、お上さんにもうんと資本もとを貸しますよ。どうせあっしは金のらない男ですからね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「大事――未然に洩れては、すべての崩壊ほうかいだ。この城、この国、一朝にして、資本もとも子もくすことになる」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この時に当つて僕ひとり耳をおおうて鄙語ひご聴くに堪へずとなすが如きははなはだ通俗の本旨にもとるものなり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
余答えていわく、天理にもとることを唱うる者は孟子にても孔子にても遠慮に及ばず、これを罪人と言いて可なり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
されど汝はいかなればかく多くの苦しみにかへるや、いかなればあらゆる喜びの始めまたもとなる幸の山に登らざる 七六―七八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一人ひとりだにこゝに義者たゞしきものありや、またかく大いなる不和のこゝを襲ふにいたれるもとを我に告げよ 六一―六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
石油なども口を封蝋ふうろうかんしてある大きな罎入かめいり一缶ひとかんずつもとめねばならなかった。
亡び行く江戸趣味 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
嗚呼! 凜然としてヂャックナイフをもとめた時の武者振りは、この際諸君の記憶から洗ひ流してもらひたい。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
号室ごうしつだい番目ばんめは、元来もと郵便局ゆうびんきょくとやらにつとめたおとこで、いような
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
然し元来もと狭い家だから別に安全な隠くし場の有ろうはずがない。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ケチな事を言うな、どうせ手前の働いた金じゃあるめえ、それんばかりの元金もとで叔母さんを助けられりゃ本望だろう」
元金もとが掛らねえことばかり考へてやがる、――ところで、その新惚れてえのは何處のお乳母うばさんだえ」
わがもとめはむなしからず、予はわが深き至情の宮居にわが神いましぬと感じて幾たびか其の光明に心をどりけむ。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
あたかも力を盡して圓をはからんとつとめつゝなほ己がもとむる原理に思ひいたらざる幾何學者きかがくしやの如く 一三三―一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
又わたくしは事実をもとむるに急なるがために、翫味するに堪へたる抒情の語をも、惜しげなくけづり去つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
即ち経籍の古版本こはんぼん、古抄本をさぐもとめて、そのテクストをけみし、比較考勘する学派、クリチックをする学派である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
兎に角こんな所を開けて見ては済まないともとの様に書棚を直して出て来ると
もと高雄艦長たかをかんちやういま軍艦ぐんかん」の艦長かんちやう、松島海軍大佐閣下かいぐんたいさかくか部下ぶか信號兵しんがうへいだよ。
山蝉のはねかがやかす声聴けば合歓ねむの若葉かもともをさなき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かくてまた蹈み入りがたき雑艸のもとたはれしあるものは
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「では、冀州きしゅう河北省かほくしょう・中南部)の太守韓馥かんふくに、事情を告げて、兵糧のもとを借りにやろう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、新店はもとがまわるとみえて、諸式を安く仕入れて売るものだから、とても太刀たち打ちはできない。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)