“尋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たず40.6%
たづ16.8%
ひろ16.5%
つい5.8%
4.0%
たずね3.5%
3.3%
2.3%
たずぬ1.8%
たづね1.5%
たづぬ0.8%
じん0.5%
ぴろ0.5%
タズ0.5%
0.3%
トアーズ0.3%
あたゝ0.3%
さが0.3%
ついで0.3%
もと0.3%
ファゾム0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また『春色梅暦』では、丹次郎たんじろうたずねて来る米八よねはち衣裳いしょうについて「上田太織うえだふとりの鼠の棒縞、黒の小柳に紫の山まゆ縞の縮緬を鯨帯くじらおびとし」
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
以上河流かりうと運河の外なほ東京の水の美に関しては処々しよ/\の下水が落合つて次第に川の如きながれをなす溝川みぞかはの光景をたづねて見なければならない。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「ウーム。うまい! たしかに、バイだ。これは海底の味覚だぞ。しかも相当の深処に育った味覚だな。まず、そうさ。三十ひろの味かな」
ついで十月十一日に正精は老中を免ぜられた。蘭軒の詩引には「至冬大痊」と云つてある。正精の違例は甚だ重くはなかつたと見える。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それから又足音をぬすんで、梯子段はしごだんを下りて来ると、下宿の御婆さんが心配さうに、「御休みなすつていらつしやいますか」といた。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それから井上が何か吟味に逢うて、福澤諭吉に証人になって出て来いといって、私を態々わざわざ裁判所に呼出よびだして、タワイもない事を散々たずね
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
書持の兄、家持が天平勝宝二年に作った歌に、「夜くだちに寝覚ねさめて居れば河瀬かはせこころもしぬに鳴く千鳥かも」(巻十九・四一四六)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
輪王寺宮慈性親王病すみやかなるをもて、能久親王職をがせ給ふ。いで慈性親王薨ぜさせ給ふ。将軍徳川慶喜政権を朝廷に還しまつる。
能久親王年譜 (新字旧仮名) / 森鴎外森林太郎(著)
しかしてこの系統以外に立てる画工のうちそのおもなるものをたずぬればづ指を菊川英山渓斎英泉の二人ににんに屈せざるべからず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おもふに、ひとちれ演場しばゐ蕭然さみしくなるいとふゆゑなるべし。いづくにかいづる所あらんとたづねしに、此寺の四方かきをめぐらして出べきのひまなし。
能々よく/\得心して以後たづぬせつは有樣に申立よ先引立ひきたていとの下知に隨ひ同心引立ひきたてて入替り願山ぐわんざんを白洲へ引据るに大岡殿かれを見られコリヤ了源寺れうげんじ所化しよけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さながらしんとして幾千じんの淵に臨んだ気持がする。私は驚きと怖れに魂消たまげて、覚えず激烈な臭いのため顔を背けた。町や、沙山すなやまは目の下になっている。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
四季いずれの時も、鯛を釣るにはそのたなつまり魚の遊泳層を心得ておかねばならない。小鯛は、普通底から半ぴろ乃至一尋くらいが棚である。
鯛釣り素人咄 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
タズネ人……サワガニメル川沿イニ庭アリテ紫ノ立葵タチアオイ咲ク。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「突然はなはだ失礼ですが、あんたさんは英語の避妊法の本を中川さんの奥様にお貸しになったことありますか」とけったいなことンねます。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
水深はなぜかそのとき八十トアーズもあり、測鉛の脂肪に砂まじりの泥がついて上ってきた。そこは浮洲が断層をつくった深い間隙だったのである。
海難記 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
実に可懐なつかしかつたのです、顔を見ると手をつて、たゞち旧交きふこうあたゝめられるとわけで、其頃そのころ山田やまだわたし猶且やはり第二中学時代とかはらずしばんでましたから、往復わうふくともに手をたづさへて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
銀之助が友達をさがして歩いた時は、職員室から廊下、廊下から応接室、小使部屋、昇降口まで来て見ても、もう何処にも丑松の姿は見えなかつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
次に山陽は仕宦と東役とを叙して其間に一の「ついで」の字を下し、「尋特召東邸」と云つてゐる。しかし仕宦と東役とは同年の事であつた。上に写し出した茶山の書がこれを証する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
先づ赤穴丹治がいへにいきて、一二三姓名をもていひ入るるに、丹治迎へしやうじて、一二四つばさある物の告ぐるにあらで、いかでしらせ給ふべきいはれなしと、しきりに問もとむ。左門いふ。
やがて、らした綱が二百ファゾムほどになったとき、底に達したらしく、かすかな手応え……。いよいよ、地底の晦冥国キンメリアへ。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)