決戦川中島 上杉謙信の巻けっせんかわなかじま うえすぎけんしんのまき――越後守安吾将軍の奮戦記――――えちごのかみあんごしょうぐんのふんせんき――
馬力にうたる 永禄四年七月三十日。余(上杉謙信)はひそかに春日山城を降り五智の海へ散歩にでた。従う者は池田放善坊という新発意ただ一人。余は時々サムライがイヤになる。自分がサムライであることも、サムライの顔を見るのもイヤになることがあるのだ。 …