“じん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ジン
語句割合
33.0%
20.5%
11.6%
6.0%
5.1%
2.8%
2.8%
2.3%
2.3%
1.9%
1.4%
1.4%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
自分0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かゝはりのないことだが、念の爲に申上げよう、——湯島切通しに屋敷を持つてゐられる、三千五百石の直參、望月丹後たんごといふじんぢや。
月野博士はかせはロウエル教授けうじゆおなかんがへで 火星くわせいは水がすくない そこで運河うんがへは火星じんが大仕掛じかけ給水きふすゐポンプで水をくばるといふのぢや
「二十九余町よちょう——まア、ざっと三十里でございまする。すると桑名くわなのごじんへつきますまでには、約三日ののちとあいなります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と天幕に入ると、提げて出た、卓子を引抱ひっかかえたようなものではない、千じんの重さに堪えないていに、大革鞄を持った胸が、吐呼吸といきを浪にく。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの黒方くろほうと云う薫物たきもの、———じんと、丁子ちょうじと、甲香こうこうと、白檀びゃくだんと、麝香じゃこうとをり合わせて作った香の匂にそっくりなのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
つき下坐敷したざしきへは何處どこやらの工塲こうばの一れ、どんぶりたゝいてじん九かつぽれの大騷おほさはぎに大方おほかた女子おなご寄集よりあつまつて、れいの二かい小坐敷こざしきには結城ゆふきとおりき二人限ふたりぎりなり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
連判状へでも名を書かれたら、千じんの功を一に欠き、それこそ日本が二派に別れ、大戦争になるんだからねえ
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それにピッタリ当てはまっているのだから、神尾喬之助、くるったと見せて、狂ったどころか、内実は虎視眈々こしたんたん、今にも、長じんいて飛来ひらいしそう……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
殺さんと思ひたちしは偶然の狂乱よりなりし、されども、かくの如き悲劇の、くの如き徒爾とじの狂乱より成りし事を思へば、まがつびの魔力いかにじん且大ならずや。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
神は嘉牟嘉美かむかみなり。略して嘉美という。神慮は明鏡の万物を照らすがごとく、一法を捨てず、一じんを受けざるなり。天にあるは神、万物にあるは霊、人にあるは真心なり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「落ち穂ぐれえったって。——そんより、医者さでも掛かるようになったら、なんぼ損だかわかんねえべちゃ、じんつあんはあ!」
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
さみだれのならべ降ればいちに住む我がじんははや衰へにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
けれども債権者の催促が日ましにきびしいので、やむを得ず、すっかり良田を村のじんという老人に売ってしまった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
喬のようを天に誤り、※※のじんを王に誤るが多し。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
名所圖繪をひもときても、其頃はみち嶮に、けいあやうく、少しく意を用ゐざれば、千じん深谷しんこくつるの憂ありしものゝ如くなるを、わづかに百餘年を隔てたる今日こんにち棧橋かけはしあとなく
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
ぐわつじん百蓮華びやくれんげ
友に (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
すでに一じんの薪となるべきを、幸にしる者にあひひて死灰しくわいをのがれ、韻客ゐんかくため題詠だいえい美言びげんをうけたるのみならず、つひには 椎谷侯しひやこうあいほうじて身を宝庫ほうこに安んじ
般若の哲学 これから申し上げるところは、「観自在菩薩かんじざいぼさつじん般若波羅蜜多をぎょうずる時、五うんは皆空なりと照見しょうけんして、一切の苦厄くやくしたもう」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
『心経』の最初に「観自在菩薩かんじざいぼさつじん般若波羅蜜多をぎょうずる時、五うんは皆くうなりと照見して、一切の苦厄くやくを度したもう」といってありますが、慈悲の権化ごんげである菩薩、仏の化身けしんである観音さまも
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
今度はドルシエエル君の指揮のもとに第二回の決戦が開かれ、たがひに巧妙な突撃と迅速な回避とを交換して第一回にも優る猛烈な戦闘を続けて居るうち、マス君は右腕うわんに二回迄敵じんを受けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
じんだから」と云つた。今迄いままで日のとほんだ空気のしたで、うごかしてゐた所為せゐで、ほゝところほてつて見えた。それが額際ひたひぎは何時いつもの様に蒼白あをしろかはつてゐるあたりに、あせが少し煮染にじした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みじかしとくらこゝろ如何いかばかり長閑のどけかるらんころ落花らくくわの三ぐわつじんちればぞさそあさあらしにには吹雪ふゞきのしろたへ流石さすがそでさむからでてふうらの麗朗うら/\とせしあまあがり露椽先ぬれゑんさき飼猫かひねこのたまかるきて首玉くびたましぼばなゆるものは侍女こしもとのお八重やへとてとし優子ゆうこに一おとれどおとらずけぬ愛敬あいけう片靨かたゑくぼれゆゑする目元めもとのしほの莞爾につこりとして
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そして、それをまたまことおもはう。でも誓言せいごんなどなされると(かへって)心元こゝろもとない、戀人こひゞと誓言せいごんやぶるのはヂョーヴじんたゞわらうておましなさるといふゆゑ。
こうくみは、さすがに、自分じんたちのほうの時計とけいくるわないただしい時計とけいだと、いよいよその時計とけいのありがたみをかんじたわけです。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて純次は、清逸の使いふるしの抽出ひきだしも何もない机の前に坐った。机の上には三分じんのラムプがホヤの片側を真黒にくすぶらして暗く灯っていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
妄執を生命としてわれは活き、煩悩と云はば云へ、煩悩を筋骨として朕は立つ、おろかや汝、四弘誓願しぐせいぐわんは菩薩の妄執、五時説教は仏陀の煩悩、法蔵が妄執四十八願、観音が煩悩三十三じん
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
またかれの強じんで尊大な、いくたびも試錬をへた意志と、このつのってくる倦怠けんたいとのあいだの、精根を枯らすような、日ごとにくりかえされる闘争をさえも、ほとんど愛していたことはいた。