“愛敬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいきょう55.9%
あいけう14.7%
あいきやう14.7%
あいぎょう2.9%
あいけい2.9%
けいあい2.9%
アイギヤウ2.9%
アマピリテ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なるほどそう云われて見れば、あの愛敬あいきょうのある田中中尉などはずっと前の列に加わっている。保吉は匇々そうそう大股おおまたに中尉の側へ歩み寄った。
文章 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
馬鹿ばかさわぎもせねば串談じやうだんも三ちやんのやうではけれど、人好ひとずきのするは金持かねもち息子むすこさんにめづらしい愛敬あいけうなん御覽ごらんじたか田中屋たなかや後家ごけさまがいやらしさを、あれでとしは六十四
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
森鴎外が、『遺言には随分面白いのがあるもので、現に子規の自筆の墓誌など愛敬あいきやうが有つて好い。樗牛の清見潟は崇高だらうが、我々なんぞとは、趣味が違ふ』
結核症 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
遊廓でこの信仰が育つと、意味は変わってきて、愛敬あいぎょうさま、愛敬石と呼ばれる。今の愛嬌と同じことである。
石の信仰とさえの神と (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ぼくは今もそう者にしていさぎよくたゝか關根せきね名人の磊落性らいらくせいむし愛敬あいけいし、一方自しつつ出でざるさか田三吉八だんに或る憐憫れんみんさへかんじてゐる者だが、將棋せうきだけはわかい者にはてないものらしい。
今世こんせ主君きみにも未來みらい主君きみにも、忠節ちうせつのほどあらはしたし、かはあれど氣遣きづかはしきは言葉ことばたくみにまことくなきがいまつねく、誰人たれびと至信ししん誠實せいじつに、愛敬けいあいする主君きみ半身はんしんとなりて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あらえびす」の「荒」の要素が忘られて来て、常住笑みさかえる愛敬アイギヤウの神となつたのは、今一度常世神の昔に返つた訣なのである。「えびす」神信仰の内容を分解すれば、すぐ知れる事である。
その人に対する愛敬アマピリテとしても、こうする方が至当だと考えたからです。それに……
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)