“憐憫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
れんびん85.1%
あわれみ5.3%
れんみん3.5%
あはれみ2.6%
あわれ1.8%
みじめ0.9%
ピティ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
証拠に復讐しようというのだ。俺という愚かものは、手も足も出ないで、あの男の手前勝手な憐憫れんびんを有難く頂戴するばかりじゃないか
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
イエスがその憐憫あわれみを受けて癒された一人の重い皮膚病を患っている人のそのままいすわろうとしたのをひどく叱責せられて
大人か小児こどもに物を言うような口吻こうふんである。美しい目は軽侮、憐憫れんみん嘲罵ちょうば翻弄ほんろうと云うような、あらゆる感情をたたえて、異様にかがやいている。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
思ふに今日地上を歩むいかにかたくななる人といふとも、このときわがみしものをみて憐憫あはれみに刺されざることはあらじ 五二—五四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
けれども、そのたんびに、あの憐憫あわれなアヤ子の事を思い出しては、霊魂たましい滅亡ほろぼす深いため息をしいしい、岩の圭角かどを降りて来るのでした。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
眼鏡を掛けた妹の平たい顏を憐憫みじめな思ひをして見入つた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
いや、愛の何たるかは東洋人と雖も心得ている。たとえば或四川の少女は、——と得意の見聞を吹聴すると、細君はバナナの皮を剥きかけた儘、いや、それは愛ではない、単なる憐憫ピティに過ぎぬと云う。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)