“あわれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アワレ
語句割合
50.0%
14.3%
11.9%
可哀8.4%
7.7%
可憐1.4%
1.0%
愍然0.7%
可憫0.7%
憐愍0.7%
憐憫0.7%
悲哀0.3%
凄婉0.3%
可愍0.3%
0.3%
0.3%
憫然0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大臣これをみ望みの通り実行させて刀の洗汁を后に飲ましむ。さて生まれた男児名は長摩納、この子顔貌殊特で豪貴の人相を具う。
法水は大風な微笑をべて、相手の独創力の欠乏をんでいるかのごとく見えたが、すぐ卓上の紙片に、上図を描いて説明を始めた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さながら人なき家の如く堅くも表口の障子を閉めてしまった土弓場の軒端には折々時ならぬ病葉一片二片き落ちるのが殊更に深く
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かつはその可哀な境遇をと思うのとのために、これもまたいろいろに親切にしてやる。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
またで馬、驢、駱駝を用いて、ギリシア人が、かほどの美饌を知らぬをんだから、どの国で馬肉を食ったって構わぬはずだと。
胸のせまるまで、いとしく、可憐になったのです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自ら一を手にしけるが、にして色をしてって曰く、今世間の小民だに、兄弟宗族ぶ、身は天子の親属たり、旦夕に其を安んずること無し、県官の我を待つことの如し
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかしながらまた目の前の母が、悔悟の念に攻められ、自ら大罪を犯したと信じて嘆いている愍然さを見ると、僕はどうしても今は民子を泣いては居られない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
このようにってなしたる鋭次のさが恨めしきまで可憫なるなれど、済んだことの是非もなく、座に戻って鋭次にい、我夫では必ず清吉がよけいな手出しに腹を立ち
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
雷はます/\しく鳴った。最早今度は落ちた、と彼は毎々観念した。而して彼の心は却て落ついた。彼の心は一種自己に対し、妻に対し、一切の生類に対する憐愍に満された。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
眼鏡を掛けた妹の平たい顔を憐憫な思いをして見入った。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
「さても、大名の子の悲哀さだなあ」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、そこはお気のどくな御宿命と申すほかありませぬ。……可惜、二度ない青春も、お気ままには振舞えず、その上、御先祖のむごい御遺命まで負わせ給うて、人知れずのお悩みなどは……、まさに名門のお子の悲哀さというもので」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日に焼けたい顔の女では有りましたが、調子の女らしい、節の凄婉な、凄婉なというよりは悲傷しい、それをしいしい声で歌いましたのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
雨戸の横柄子しっかとせ、辛張り棒を強く張れと家々ごとに狼狽ゆるを、可愍とも見ぬ飛天夜叉王、怒号の声音たけだけしく、汝ら人をるな、汝ら人間に憚られよ、人間は我らをんじたり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(男首をれて辻馬車のたまりをさして行く。昔のおろかなりし事の苦澀なる記念のために、その面上にはむべき苦笑の影浮べり。灰いろの空よりは秋めける雨しとしとと降れり。)
辻馬車 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)
その衷情はまことにむべきですが、真理のために——いや、人間の醜さを反省するために、矢張り真相として其儘世に伝える義務があると私は信ずるのです。
冥途し去らしめんこと思えば憫然至極なり、良馬を得ざるの悲しみ、高士世にれられざるの恨みもずるところはることなし、よしよし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
誰一人生命まぬものはない、活きていたいというのが人間第一の目的じゃから、その生命を打棄ててかかるものは、もうを絶ったもので、こりゃ、むべきものである。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)