“あわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アワ
語句割合
16.6%
12.1%
11.4%
周章11.1%
6.9%
6.7%
5.4%
3.3%
3.2%
3.1%
安房2.9%
2.6%
阿波2.5%
狼狽2.3%
1.9%
1.5%
1.1%
泡沫0.7%
0.6%
0.4%
0.3%
0.3%
合奏0.2%
0.2%
慌忙0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
合調0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
調0.1%
0.1%
調合0.1%
0.1%
倉皇0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
気泡0.1%
0.1%
相会0.1%
粟生0.1%
0.1%
逢着0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも二つ三つの光芒こうぼうが、暗黒の室内をあわただしくひらめいたが、青竜王に近づいたと思う間もなく、ピシンと叩き消されてしまった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(おそらくはのたれじにという終りを告げるのだろう。)そのあわれな最期さいごを今から予想して、この洋杖が傘入の中に立っているとする。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うれしかった事も、悲しかった事も、悲しんだ事も、苦しんだ事も、畢竟ひっきょうは水の上に浮いたあわがまたはじけて水に帰るようなものだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「ハイ」と云ったが、周章あわてて止め、「ご迷惑でないようでございましたら、その手箱はもう少々お預かりなされて下さいますよう」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その中に胡麻ごまきびあわや竹やいろいろあったが、豆はどうであったか、もう一度よく読み直してみなければ見落したかもしれない。
ピタゴラスと豆 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
角海老かどゑび時計とけいひゞききもそゞろあわれのつたへるやうにれば、四絶間たえまなき日暮里につぽりひかりもれがひとけぶりかとうらかなしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あわせてその邪魔になる佐藤孫四郎の命を縮めるよう……詰まりは恋に眼がくらんで、白蝶の邪法を行なうことになったのでござります。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それに今またそれらの友と力をあわせて「日本民藝美術館」の設立を急ぐ私は、共に工藝に関する思想の建設をも試みるべきであろう。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
訓練された七名の警官は、まるで霧のように静かにすべりこみました。階下の廊下はあわ灯火とうかの光に夢のように照らし出されています。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
取残された兼太郎は呆気あっけに取られて、寒月の光に若い男女がたがいに手を取り肩を摺れあわして行くその後姿うしろすがたと地にくその影とを見送った。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あれが安房あわ上総かずさの山々、イヤ、絵にかいたような景色とは、このことでしょうナ。海てエものは、いつ見ても気持のいいもので」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
当時の相場に掛けてわが悪筆を人からあわれまれるようになってからも、私の自信の源になっていたのだから、おかしなものである。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
これ以外に特に注意するのは、阿波あわの山村や伊予・土佐の各地に、これをイタンポまたはイタンボという例の多いことである。
まだ発車には余程あいだがあるのに、もう場内は一杯の人で、雑然ごたごたと騒がしいので、父が又狼狽あわて出す。親しい友の誰彼たれかれも見送りに来て呉れた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
(中略)清麻呂らと事を謀っている同類の存在も分っているが、天皇のマツリゴトはいつくしみをもって行うべきものだから、あわれみを加えて差許さしゆるしてやる
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
早々蚊帳に逃げ込むと、夜半に雨が降り出して、頭の上に漏つて來るので、あわてゝ床を移すなど、わびしい旅の第一夜であつた。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
そうしては時時かれの方を眺めながら、かれの視線に出会すとあわてて視線を外らし、いくらかあわてて声をへどもどさせるのである。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
水へ向って射込んでも、矢は用をなさず、刺叉さすまたで掻き廻しても、投げやりほうりこんでも、笑うが如き泡沫あわが一面ぶつぶつ明滅するのみである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあわは緑銭の水渭すいいに浮かべるがごとし(一六)。唐の詩人盧同ろどうの歌ったのはこのような立派な茶のことである。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
あわてて紙で押えて涙を拭き取り、自分の写真とならべて見て、また泣いた上で元のように紙に包んで傍に置いた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
こんな機会でなければ、顔をあわすことはありませんが、これでも私は工業の部門に属する専門家になろうとした事がありました。私は建築家になろうと思いました。
おはなし (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おや落したかとすこしあわてて見直したらね、小さく畳んだ十円が入っているの。いつの間の仕業でしょう。なかなかいいおかみさんではありませんか。
が今、武蔵の耳をいたく刺戟したのは、その風の間に流れて来た——しょう篳篥ひちりきと笛とを合奏あわせた古楽の調べであった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水切れはよいが、しかしどちらかというと、化粧であって丈夫ではない。もとよりそれらのものは単独に用いられる場合もあるが、しばしば二種三種違った材料をあわせて用いる。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
仙果は何処へか慌忙あわてて出て行こうとする出合頭であいがしら朝帰りの種員を見るや否や、いきなりその胸倉を取って、「乃公おらア今おめえさがしに行こうと思っていた処だ。気をたしかにしな。気をたしかにしな。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「それよりあなたお母さんに私をあわす前に、私に話すことがあると云ったわね。あれ何のこと」彼女はしばらく考えて、「あれことによったらあなたのラブ・アフェヤーにでもいてではなくって」
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
三杯かさねるまで容易にふたを取らないからいいけれども西洋風に客の待っている処へ直ぐ持って来て客があわてて口へ入れるとたちまち舌を焼くね。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いくらかあわて気味ながら、この重役の策略のない頑固さに信頼していた。深く考えなかったのだ。深く考えずに済む時代に生きて来ていたのだ。云わば、心にうつる快不快を善悪として処断していた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
じっとまなこをとじて、聞き惚れているうちに、沢庵は、昔三位博雅卿さんみひろまさきょうが、朱雀門すじゃくもんの月の夜に、笛をふいて歩いていたところ、楼門の上で同じように笛を合調あわす者があったので、話しかけて笛を取りかえ
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その楽器の来るのも待たないで、八字髭の手品使いは、酒樽のふちを叩きながら、胴間声どうまごえをはり上げて、三曲万歳まんざいを歌い出した。玉乗娘たまのりむすめの二三が、ふざけた声で、それにあわした。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あわせて相見ん、我れ今知ること全からず、然れど彼の時には我れ知らるる如く我れ知らん
秋山小島ノ二氏雲如ノ亡ヲへだつルコトほとんど二十年ニシテコノ挙アリ。あに故ヲ忘レザルノ最ナルモノニ非ズヤ。余すでニ雲如ガ老境ノ詩ヲ賛ス。あわセテ二氏ガ至厚ノよしみヲ賛ストイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
荘内に在るに及んで左右その人をそしるを見、詩を賦して以て自ら悲しむ、三十一年一夢のごとく、醒め来る荘内破簾の中の句あり、聞く者これをあわれむ〉。
百は、手をあわせて
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れるあわしも
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
河童頭かっぱあたまの、妙齢としのころ十八九歳ばかりとも見える Made in Japan のお嬢さんが坐っていて、御者の唄う歌に調あわせて手拍子を打っているのである。
されば彼は二十一、二節において言う「わが友よなんじらわれをあわれめ、我を恤れめ、神の手われを撃てり、汝ら何とて神の如くして我を責めわが肉にくことなきや」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
我を罵る友——罪なき我を罪ありとして責める友——親友なる我に無情の矢を放つ友に向ってさえ「我をあわれめ、我を恤れめ」と屈辱的な憐愍を乞うに至ったほどのヨブが
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「太医、太医。はやくいつもの薬を調合あわせてこの痛みをのぞいてくれい」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉平は、慶童子の捧げている薬籠を取って、八味の神薬を調合あわ
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十歳の時『史記』の講義を聴くに田忌でんき千金を賭け逐射した時孫子忌に教えてその下駟かしと敵の上駟とあわさしめ無論一度負ける、次にその上駟とかの中駟と
近く叙勲された女流教育家たちなどが倉皇あわてて「女学生べからず訓十カ条」を制定するような状態であったのです。
婦人改造と高等教育 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
その悄悵しょうちょうとして、あわい音色のクラリオネットが、「ここは御国を」などの、聴き馴れたものを、一つ一つ教えこむように吹き鳴らす時、黙々と聴入った黒吉の胸の中には、何かしらぬ熱いものが
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
室数まかず多けれども至ってひと寡少すくななる深川のやかたは、その夜よりにぎわしくなれり。綾子が厚きなさけにて、ただにかの婦人のみならず、なお彼に附随せる犬をもあわせて養いぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今度はずっと矢頃が近い、乗っかけるように切って放したのだが、あわや! というとたんに狼はひらりと身をかわした。矢はすさまじく地へ突立ち、狼は平然と向うへ行って立っている。
備前名弓伝 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ざっと次のごとく事項を分け列ねた各題目の下に蛇についての諸国の民俗と伝説の一斑いっぱんを書き集めよう、竜の話に出た事なるべくまた言わぬ故ふたつあわせて欲しい。
此家ここの老百姓に聞いてみたところ、ここから近い阿佐あさ村には、遠い昔から、阿佐ヶ谷神楽といって、旧い神楽師かぐらしの家があり、毎月、三峰神社の月祭りには、そこの家で調べをあわせて
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち其女豊玉毘売をあわせ奉りき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
この時、幕府、夷書を下して言路を開く。余、同志と議し、いやしくも二、三の名侯心をかなえ力をあわせ、正義を発し俗説を排するもの有らば、則ち天下の論定まらんと。しばしばこれを政府にもうす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
仲よしの小鳥がくちばしあわす時、歯の生際はえぎわ嬰児あかんぼが、軽焼かるやきをカリリと噛む時、耳をすますと、ふとこんながするかと思う、——話は違うが、(ろうたけたるもの)として
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若いから嘸おいやだろうけれども、まアお年にあわしてはく看病なさるっておっかさんも誉めて居ますよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その空気が一番多く侵入する所はわきしたか腰の附け根だからそこを押えてみると空気の吹込んであるのはブクブクと気泡あわが動く。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
両手を、畳に下そうとすると、浪路はあわてて
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
けれど、私は、たつた一度彼女に会つたきり、このまま永久に相会あわぬことになる。それは私としてはまことに淋しいのだ。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
古く驢と牛をあわせ耕すを禁じ(驢が力負けして疲れ弱りまた角で突かれる故)、モセスの制に七日目ごとに驢牛をやすますべしとあると。
「そうじぁないよ。みんなとはかぎりゃしないさ。運のいい奴はそれにであわなくってすんじまうよ。それから山へ登る奴だって、そんな運命なんかに全然逢着あわないように登ってる奴もあるもの。」
その後自分は此男にあわないのである。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
只だ御互に気を付けたいのは、斯様かやうなる紛擾ごた/\の時に真実、神の子らしく、基督キリストの信者らしく謙遜けんそん柔和にうわに、しゆの栄光をあわはすことです——私の名が永阪教会の名簿にると無いとは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)