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遑
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あわ
ふりがな文庫
“
遑
(
あわ
)” の例文
「うん。一しょに往くよ。」坊ちゃんは
遑
(
あわ
)
てて格子戸から降りて、下駄を
穿
(
は
)
いて、よしやのあとを追うようにして、走って出掛ける。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
おや落したかとすこし
遑
(
あわ
)
てて見直したらね、小さく畳んだ十円が入っているの。いつの間の仕業でしょう。なかなかいいおかみさんではありませんか。
獄中への手紙:07 一九四〇年(昭和十五年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
咲がどうしてあんなに
遑
(
あわ
)
ててけとばすように、今この勢という風に行ってしまったかが忽然として会得されました。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
折から白い花を咲かせているどくだみは、その根を引き抜くとき、
麝香
(
じゃこう
)
のような、執念ぶかい烈しい
薫
(
かおり
)
を
漲
(
みなぎ
)
らす。嗅神経がこれを迎えて、
遑
(
あわ
)
てていよいよ緊張する。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
遑
(
あわ
)
てて駈け出したり、何かにひっかかったりしながらだけれども、自分でこぼす涙を手の甲でふりとばしたり、笑ったりしつつ、自分の劣っている面への意識にこびりつかず
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
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静寂な「無」に
育
(
はぐく
)
まれる
遑
(
あわ
)
ただしい幻想でなくて何であろう。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
少し
遑
(
あわ
)
てた桃子は丁寧に女学生っぽいお辞儀をかえした。
夜の若葉
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
遑
漢検1級
部首:⾡
13画
“遑”を含む語句
遑無
不遑枚挙
彷遑
片遑
遑々