“蓋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふた65.4%
けだ22.7%
かさ2.5%
おお2.0%
ぶた1.6%
おほ1.1%
けだし1.0%
がい0.9%
おおい0.7%
きぬがさ0.6%
そは0.2%
おい0.1%
おほひ0.1%
かい0.1%
かぶ0.1%
たし0.1%
0.1%
なん0.1%
カサ0.1%
カブ0.1%
ガイ0.1%
ケダ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
狭い板の間をふさいだ竈、ふたのない水瓶みづがめの水光り、荒神くわうじんの松、引き窓の綱、——そんな物も順々に見えるやうになつた。
お富の貞操 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「汲みましたよ。淺い井戸だけれど町の中でほこりが立つから、ふたをしてあるんで、小僧の定吉も四方が暗いから氣が付かなかつたんですとさ」
嗚呼ああ今の時、今の社会に於て、大器を呼び天才を求むるの愚は、けだし街頭の砂塵より緑玉エメラルドを拾はむとするよりも甚しき事と存候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けだし直接民衆の福利に即した政治家は地味であり、大風呂敷おおぶろしきの咢堂はそういう辛抱もできないばかりか、その実際の才能もなかった。
咢堂小論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
また短い芝草の生えた緩い傾斜で、勢揃いでもしているように、朽葉色のかさを反らして、ずらりと一列に立ち並んでいるのを見たこともあった。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
あらゆる華麗な嫁入り妝匣どうぐがそろった。おびただしい金襴きんらん綾羅りょうらわれた。馬車やかさが美々しくできた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしながらかんおおうて名すなわち定まるで、いわゆる明治文壇における子規子の価値は、吾々の云々をまって知るを要せぬことになりました。
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
の調子で、とぼけ切らなければならぬ、とも思うのだが、私ははなはだ不器用で、うまく感情をおおい隠すことが出来ないたちなのである。
作家の像 (新字新仮名) / 太宰治(著)
お城までは、さして遠くもない。わざと仲間ちゅうげん一人連れず、彼女は、甚三郎の死装束を、白木の衣裳ぶたへ乗せて、心づよくも、歩いて行った。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小屋の前にむしろを敷いて葛岡はいたちる罠だという横長い四角い箱の入口の落しぶたの工合をかたん/\いわせながら落し試みていました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
雲のするわざも多きが中に、いとおもしろきは、冬の日の朝早く、平らかにわたれる雲の、谷を籠め麓をおほひて、世の何物をも山の上の人には見せぬことなり。
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
投込なげこむと同時どうじ緻密こまかなるざるおほひ、うへにはひし大石たいせきき、枯草こさうふすべて
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けだしたからの在る所心もまた在る」道理で、お馨さんを愛する程の人は、お馨さんの死んだ米国をおもわずには居られないのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けだし人事の間に後先ありて因果なきは、因果なきにあらず、因果のいまだ充分にあらはれざるものにて、小天地想ならざる個想は、即是れいまだ至らざる個想ならむのみ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は、周泰の功を平常にも耀かがやかすべく、うすものの青いがいを張らせ、「陣中に用いよ」と与えた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王はかりごとに陥り、馬に乗じがいを張り、橋を渡り城に入る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その日、車のおおいには、ばらばらと白いあられが降った。——次の日、また次の日と、車のわだちは一路、官道を急ぎぬいて行く。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海賊等は昇降口の容易に開かれざるに、怒り狂い、足をあげておおいを蹴たり、されどおおいの表は滑かに、鉄の板一面に張られたれば、なかなか破るるものにあらず。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
またこの寺には一切経がないということを聞いて法然は自分所持の一切経一蔵を施入した処、住僧達喜びの余り老若七十余人華を散し、香をたき、はたを捧げ、きぬがさを揷してお迎えをした。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひさかたの四方よも天雲あまぐも地に垂りて碧々あをあをしかもきぬがさのごと
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そはわが軛はやすくわが荷はかろければ也
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
……聖書にいわく「もしなんじの右の眼、なんじを罪におとさば、えぐり出してこれを棄てよ……もし右の手、なんじを罪に陥さばこれをり棄てよ。そは、五体の一つを失うは、全身を地獄に投げ入れらるるよりは勝れり」と……。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼が『帰れ』といえば帰り『止まれ』といえば車のおいひさしに止まった。
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人はそのおほひの下に隱れて、窓を塞ぎ戸を閉ぢ、人の來りうかゞふことを許さゞらん。
混外は王子権現の別当であつたので、祭果てて後に、舞の花笠一かいを榛軒に贈つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それから上陸して境駅の入際いりぎわからすぐ横へ切れると、森の中の小径へかかッた,両側にはすぎひのきならなどのたぐいが行列を作ッて生えているが、上から枝がかぶさッていて下に木下闇こしたやみが出来ている、その小径へかかッた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
たしか御承知でゐらつしやいましたらう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
胸に燃ゆる情のほのほは、他を燒かざれば其身をかん、まゝならぬ戀路こひぢに世をかこちて、秋ならぬ風に散りゆく露の命葉いのちば、或は墨染すみぞめころも有漏うろの身をつゝむ、さては淵川ふちかはに身を棄つる、何れか戀のほむら其躯そのみを燒きくし、殘る冷灰の哀れにあらざらんや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ただそれ識見は如何いかに深く人事の細微に通じ広く世間の状勢を知り人心の転化を究め性情の奥秘を悟るに非ればなんぞ以て時世遠く隔り状況遥に異れる史上の真相を観破し得んや。
史論の流行 (新字旧仮名) / 津田左右吉(著)
目をあげると、東の方春日のモリは、谷陰になつて、こゝからは見えぬが、御カサ山・高圓タカマド山一帶、頂が晴れて、すばらしい春日和になつて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが何だかモヤモヤと温い摺鉢のやうなものが脳膸の天井にカブさつてるやうで、過去一年間の其処にある何にも彼の頭に蘇りはしなかつた。
校長 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
軍幕未ダベンゼズ、将ムヲ曰ハズ、軍サウ未ダカシガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、キウヲ暖ニセズ、夏、センラズ、雨ニガイヲ張ラズ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜀中ニ小車アリ。ク八石ヲセテ、一人ニテスヲ得ベシ。前ハ牛頭ノ如シ。マタ、大車アリ、四人ヲ用イテ、十石ヲ推載ス。ケダシ木牛流馬ニナラエルモノカ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)