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蓋
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おおい
ふりがな文庫
“
蓋
(
おおい
)” の例文
黒塗
(
くろぬり
)
のランドーの
蓋
(
おおい
)
を、秋の日の暖かきに、払い退けた、中には
絹帽
(
シルクハット
)
が一つ、美しい
紅
(
くれな
)
いの
日傘
(
ひがさ
)
が一つ見えながら、両人の前を通り過ぎる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その日、車の
蓋
(
おおい
)
には、ばらばらと白い
霰
(
あられ
)
が降った。——次の日、また次の日と、車のわだちは一路、官道を急ぎぬいて行く。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
桃色の絹の
蓋
(
おおい
)
を冠った、電気スタンドの
軟
(
やわらか
)
い光が、ダブルベッドの純白の敷布を、催情的に色づけてもいました。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
海賊等は昇降口の容易に開かれざるに、怒り狂い、足をあげて
蓋
(
おおい
)
を蹴たり、されど
蓋
(
おおい
)
の表は滑かに、鉄の板一面に張られたれば、なかなか破るるものにあらず。
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
屋根の
蓋
(
おおい
)
もなく、両側の腰も浅く、
革紐
(
かわひも
)
を十文字
綾
(
あや
)
に懸けて、わずかに身を支える程度にとどめ、
輿上
(
よじょう
)
に
坐
(
い
)
ながら、大剣を
揮
(
ふる
)
って敵と戦闘するに便ならしめてある。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
狼の
吼
(
ほ
)
ゆるがごとき海賊の声のみいよいよ鋭くなりゆくに、余は気が気にあらず、いわゆる
恐
(
こわ
)
いもの見たさに、ふたたびそっと昇降口の
蓋
(
おおい
)
を開き、星影すごき甲板上を眺むるに
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
また猿の叫ぶがごとく罵り騒ぐは、ここ開けよ開けよと云うならん、開けては一大事なり、余は両手を伸ばし、死力を出して下より
蓋
(
おおい
)
を押えおる、海賊等は上よりこれを引きはなさんとす。
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
満山の木々も染まるほど、
館
(
やかた
)
の
燎火
(
にわび
)
は燃えていた。——祝歌はながれて行く——町の民家も軒端軒端に、
篝
(
かがり
)
をたいていた。祝歌につづく人馬や揺れ
燦
(
かがや
)
く輿の
蓋
(
おおい
)
は、その美しい焔の中を流れて行った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“蓋”の解説
蓋(ふた)は、容器の口など何らかを覆うようにしてふさぐものの総称である。
(出典:Wikipedia)
蓋
常用漢字
中学
部首:⾋
13画
“蓋”を含む語句
天蓋
車蓋
蓋然性
頭蓋
瘡蓋
円蓋
頭蓋骨
火蓋
目蓋
蓋然
硝子蓋
掩蓋
一蓋
御蓋
鉄蓋
口蓋
蓋然率
大天蓋
華蓋
金蓋
...