“軟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やわらか32.0%
やわら28.9%
やわ12.5%
やはら9.4%
やはらか8.6%
なよ2.3%
そよ1.6%
やは1.6%
やつ0.8%
しな0.8%
な0.8%
やらか0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
干してある赤い布や並べた鉢物の緑(みど)りが、光線の軟(やわらか)な薄曇(うすぐもり)の昼過ぎなどには、汚れた屋根と壁との間に驚くほど鮮かな色彩を輝かす。
銀座界隈 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかしながら色は必ずしも白色でなければならぬとは限らない、印度(インド)の女の皮膚の色には別な軟(やわら)かみと滑(なめ)らかな光沢があって美しい
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
軽い寝息、吐いて吸う軟(やわ)らかな女の寝息、すういすういと竜之助の魂に糸をつけて引いて行くようです。ややあって寝返りの音。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この骨(ほね)や角(つの)は石(いし)よりも軟(やはら)かいのでありますけれども、また一方(いつぽう)には石(いし)よりも強(つよ)くてをれ易(やす)くないといふことがその特長(とくちよう)であります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ふくろ(鶚(がく))は體(からだ)が一尺(いつしやく)もあり、暗褐色(あんかつしよく)の羽毛(うもう)を趾(あし)までかぶつてゐます。翅(はね)が非常(ひじよう)に軟(やはらか)ですから飛(と)ぶときに音(おと)がしません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
蒸し暑(あつ)き軟(なよ)ら風(かぜ)もの甘(あま)き汗(あせ)に揺(ゆ)れつつ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
紅蓮白蓮の香(にほひ)ゆかしく衣袂(たもと)に裾に薫り来て、浮葉に露の玉動(ゆら)ぎ立葉に風の軟(そよ)吹(ふ)ける面白の夏の眺望(ながめ)は、赤蜻蛉菱藻(ひしも)を嬲(なぶ)り初霜向ふが岡の樹梢(こずゑ)を染めてより全然(さらり)と無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
而して誰が喫(の)みさしたのか、眩ばゆい食卓の一角から軟(やは)らかな珈琲の吐息がたちのぼる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「篦棒(べらぼう)、さうだ軟(やつ)けえ面(つら)で風(かぜ)吹(ふ)く處(とこ)歩(ある)けるもんぢやねえ」爺(ぢい)さんはむきに成(な)つていつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
柔い黒羅紗(くろらしゃ)の外套(がいとう)の色沢(いろつや)、聞き惚(ほ)れるような軟(しな)やかな編上げの靴の音なぞはいかに彼の好奇心をそそったろう。何時の間にか彼も良家の子弟の風俗を学んだ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長(たけ)なる髪をうしろに結びて、旧(ふ)りたる衣(きぬ)に軟(な)へたる帯、やつれたりとも美貌(びばう)とは誰(た)が目にも許すべし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蝋(らふ)より軟(やらか)い頥(をとがひ)してゝ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)