“翅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はね62.2%
つばさ23.8%
4.7%
2.3%
ひれ1.7%
かけ1.2%
カケ1.2%
ただ0.6%
たゞ0.6%
はがい0.6%
ばね0.6%
カケリ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぶときはそのはねじつうつくしいいろひらめきます。このとりはね綺麗きれいですが、ごゑうつくしく、「ぶっ、ぽう、そう」ときつゞけます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
雪で作ったような白いつばさの鳩の群が沢山に飛んで来ると湯の町を一ぱいにおおっている若葉の光が生きたように青く輝いて来る。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
行啓の名残で、黄や赤や紫や青やの万国旗が此処でもまだ翩翻へんぽんとしているその下を、薄いのかがやく蜻蛉とんぼや蝶々のつがいが、地にすれすれに流れたりもつれ飛んだりしていた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
斯くの如く、其の時代に於ては陸上を走るものも、水中を游ぐものも、空中をけるものも悉く蜥蜴類のみで、聊かでも之に匹敵すべき動物は他に無かつたのである。
人類の将来 (新字旧仮名) / 丘浅次郎(著)
魚のひれがどうの、つばめの巣がどうのと云っていた彼は、番頭の手前もあるし、一ぱい飲んで、「佳いにおいだ」と云っていたが、気もちがわるくてしかたがなかった。
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
午後三時ごろの夏の熱い太陽が、一団の灰色雲の間からこの入江を一層いっそう暑苦しく照らしていました。鳶が悠々ゆうゆうと低い空をかけっていました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
波太波奈ハタハナの通ふ言につきて因に言かきつばたといふ花の名は燕のカケる形チに似たればカケリ燕花ツバハナといふ言ぞと荷田大人のいはれしよし師の冠辞考に見えたるをめでたき考とおもひを
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「国歌の人を鼓舞して忠誠を貫かしめ人を劇奨げきしょうして孝貞こうていくさしめ」云々「あにただに花を賞し月をで春霞におもいり風鳥に心を傾くる」
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「禍福自然応有時。風花雲月各相宜。古人言尽人間事。推枕軒中聴雨詩。」前詩を見れば蘭軒はたゞに酒を廃するのみならず
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
せめては令見みせしめの為にも折々くぎを刺して、再び那奴しやつはがいべしめざらんにかずと、昨日きのふは貫一のぬからず厳談せよと代理を命ぜられてその家に向ひしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
雪で作ったような向いばねの鳩の群れがたくさんに飛んで来ると、湯の町を一ぱいに掩っている若葉の光りが生きたように青く輝いて来る。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
波太波奈ハタハナの通ふ言につきて因に言かきつばたといふ花の名は燕のカケる形チに似たればカケリ燕花ツバハナといふ言ぞと荷田大人のいはれしよし師の冠辞考に見えたるをめでたき考とおもひを
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)