丘浅次郎
1868.12.31 〜 1944.05.02
著者としての作品一覧
いわゆる自然の美と自然の愛(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
教育学の書物を開いて見ると、博物学の教育的価値を論ずるところにかならず次の一か条が掲げてある。すなわち「博物学を授ける目的の一は生徒をして自然の美なるを感服せしめ、したがって自然物 …
読書目安時間:約17分
教育学の書物を開いて見ると、博物学の教育的価値を論ずるところにかならず次の一か条が掲げてある。すなわち「博物学を授ける目的の一は生徒をして自然の美なるを感服せしめ、したがって自然物 …
疑ひの教育(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
我国維新以後の教育の進歩は実に目覚ましいもので、其中でも初等教育は他の程度の教育に比して、遙に優つて居るとは教育雑誌上で度々承り及ぶ所であるが、之は誠に悦ばしい次第である。然るに我 …
読書目安時間:約9分
我国維新以後の教育の進歩は実に目覚ましいもので、其中でも初等教育は他の程度の教育に比して、遙に優つて居るとは教育雑誌上で度々承り及ぶ所であるが、之は誠に悦ばしい次第である。然るに我 …
改善は頭から(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
昨年は二十歳の娘で自殺をしたのが幾人もあった。その理由は、丙午の年であるために、縁が遠いのを苦にしてである。まだ年の行かぬ中はさほど気にも止めずにいたのが、そろそろ嫁入りをする年頃 …
読書目安時間:約8分
昨年は二十歳の娘で自殺をしたのが幾人もあった。その理由は、丙午の年であるために、縁が遠いのを苦にしてである。まだ年の行かぬ中はさほど気にも止めずにいたのが、そろそろ嫁入りをする年頃 …
教育と迷信(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
教育学の書物には教育の目的について、種々高尚なことが書いてあるようであるが、実際においては教育の目的は列国競争場裡に立って、立派に独立して行けるだけの資格を備えた次代の国民を養成す …
読書目安時間:約16分
教育学の書物には教育の目的について、種々高尚なことが書いてあるようであるが、実際においては教育の目的は列国競争場裡に立って、立派に独立して行けるだけの資格を備えた次代の国民を養成す …
境界なき差別(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
この題目を見て、奇態な題と考える人があるかも知れぬ。差別があれば、その間に境界があるはず、境界がなければ、その両側には差別はないはずであるから、「境界なき差別」というのは題目自身の …
読書目安時間:約18分
この題目を見て、奇態な題と考える人があるかも知れぬ。差別があれば、その間に境界があるはず、境界がなければ、その両側には差別はないはずであるから、「境界なき差別」というのは題目自身の …
芸術としての哲学(新字旧仮名)
読書目安時間:約17分
此頃は青年間に宇宙観とか人生観とか云ふ様な哲学めいたことが大分流行して、女学生までが哲学書を読むと云ふ噂であるが、雑誌屋の店先に数多く列べてある何々論とか何々観とか題する書物の中に …
読書目安時間:約17分
此頃は青年間に宇宙観とか人生観とか云ふ様な哲学めいたことが大分流行して、女学生までが哲学書を読むと云ふ噂であるが、雑誌屋の店先に数多く列べてある何々論とか何々観とか題する書物の中に …
誤解せられたる生物学(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
科学の中には教育のない人々からつねに誤解せられているものが少なくない。たとえば地質学の教室へ外国人をつれてきて、ここは土壌を分析していかなる作物に適するかを調べるところであると、説 …
読書目安時間:約13分
科学の中には教育のない人々からつねに誤解せられているものが少なくない。たとえば地質学の教室へ外国人をつれてきて、ここは土壌を分析していかなる作物に適するかを調べるところであると、説 …
固形の論理(新字旧仮名)
読書目安時間:約15分
我らは先年ベルグソン(Henri Bergson)の「創造的進化」(Lévolution créatrice)と云ふ書物を読んだ時に一つ気に入つた言葉を見付けた。それは序文の第一頁 …
読書目安時間:約15分
我らは先年ベルグソン(Henri Bergson)の「創造的進化」(Lévolution créatrice)と云ふ書物を読んだ時に一つ気に入つた言葉を見付けた。それは序文の第一頁 …
自然界の虚偽(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
天真爛漫ともいい、「天に偽りはなきものを」ともいうて、天には偽りはないものと、すでに相場が定まっているようであるが、その天の字を冠らせた天然界はいかにと見渡すと、ここには詐欺、偽り …
読書目安時間:約12分
天真爛漫ともいい、「天に偽りはなきものを」ともいうて、天には偽りはないものと、すでに相場が定まっているようであるが、その天の字を冠らせた天然界はいかにと見渡すと、ここには詐欺、偽り …
自然の復讐(新字旧仮名)
読書目安時間:約14分
自然を征服し得たことは人類の最も誇りとする所である。文明と云ひ野蛮と云ふも、畢竟、自然を多く征服し得たか、少なく征服し得たかの相違に過ぎぬ。火を以て随意に物を焼き始めてより、野獣を …
読書目安時間:約14分
自然を征服し得たことは人類の最も誇りとする所である。文明と云ひ野蛮と云ふも、畢竟、自然を多く征服し得たか、少なく征服し得たかの相違に過ぎぬ。火を以て随意に物を焼き始めてより、野獣を …
進化論と衛生(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
進化論と衛生という表題を掲げたが、実は生物進化の一大原因なる自然淘汰と衛生との関係について述べたいとおもう。そもそも進化論とは、今日世の中にある生物は動物でも植物でも決してすべて世 …
読書目安時間:約15分
進化論と衛生という表題を掲げたが、実は生物進化の一大原因なる自然淘汰と衛生との関係について述べたいとおもう。そもそも進化論とは、今日世の中にある生物は動物でも植物でも決してすべて世 …
人道の正体(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
世の中には便宜上つねに用いる語で、しかも便宜上、その意味を判然と定めずにおく語がいくらもある。人道なる語もその一つで、列国間にこの語を用いる場合のごときは、あまり深くその定義を穿鑿 …
読書目安時間:約17分
世の中には便宜上つねに用いる語で、しかも便宜上、その意味を判然と定めずにおく語がいくらもある。人道なる語もその一つで、列国間にこの語を用いる場合のごときは、あまり深くその定義を穿鑿 …
人類の誇大狂(新字旧仮名)
読書目安時間:約13分
精神病患者の中には一種自分が非常に有力な神聖なものである如くに思ひ込んで、万事その積りで行ふ者がある。例へば自分が実際人力車夫であるにも拘らず、総理大臣に成つた積りで、伊藤を外務大 …
読書目安時間:約13分
精神病患者の中には一種自分が非常に有力な神聖なものである如くに思ひ込んで、万事その積りで行ふ者がある。例へば自分が実際人力車夫であるにも拘らず、総理大臣に成つた積りで、伊藤を外務大 …
人類の将来(新字旧仮名)
読書目安時間:約41分
何事に限らず未来を説くのは決して容易ではない。昔から「一寸先は暗」と云ふ通り、次の瞬間に如何なることが起るかは、前以て知ることの出来ぬが常である。多少学術上の根拠を有する天気予報で …
読書目安時間:約41分
何事に限らず未来を説くのは決して容易ではない。昔から「一寸先は暗」と云ふ通り、次の瞬間に如何なることが起るかは、前以て知ることの出来ぬが常である。多少学術上の根拠を有する天気予報で …
人類の生存競争(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
世には人類の生存競争と他の動物の生存競争とは全く種類の違うたものであると考える人がある。中には高等動物になればなるほど、生存の競争がゆるやかになり、下等動物に見るがごとき咬み合い殺 …
読書目安時間:約14分
世には人類の生存競争と他の動物の生存競争とは全く種類の違うたものであると考える人がある。中には高等動物になればなるほど、生存の競争がゆるやかになり、下等動物に見るがごとき咬み合い殺 …
生物学的の見方(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
すべて物は見方によって種々異なって見えるもので、同一の物でも見方を変えると、全く別物かと思われるほどに違って見えることもある。たとえばここにある水呑コップのごときも上から見れば丸い …
読書目安時間:約10分
すべて物は見方によって種々異なって見えるもので、同一の物でも見方を変えると、全く別物かと思われるほどに違って見えることもある。たとえばここにある水呑コップのごときも上から見れば丸い …
生物学より見たる教育(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
教育の書物を開いて見ると「教育トハ一定ノ目的ト方法トヲ具ヘテ教育者ガ被教育者ニ加フル所ノ働作ナリ」などとむずかしい定義を下して、これは人類のみに限るものであると書いてあるが、教育学 …
読書目安時間:約14分
教育の書物を開いて見ると「教育トハ一定ノ目的ト方法トヲ具ヘテ教育者ガ被教育者ニ加フル所ノ働作ナリ」などとむずかしい定義を下して、これは人類のみに限るものであると書いてあるが、教育学 …
戦争と平和(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
日露戦争の始まって以来、どの雑誌もほとんど戦争の話で持切りのありさまで、あるいは海戦陸戦の実況を報じ、あるいは戦時における人民の心得を論じていたが、これは時節柄もっともな次第であっ …
読書目安時間:約19分
日露戦争の始まって以来、どの雑誌もほとんど戦争の話で持切りのありさまで、あるいは海戦陸戦の実況を報じ、あるいは戦時における人民の心得を論じていたが、これは時節柄もっともな次第であっ …
動物界における善と悪(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
善とは何か、悪とは何か、善はなにゆえになすべきか、悪はなにゆえになすべからざるか等の問題は、すでに二千何百年も前のギリシア時代から今日にいたるまで、大勢の人々の論じたところであるが …
読書目安時間:約14分
善とは何か、悪とは何か、善はなにゆえになすべきか、悪はなにゆえになすべからざるか等の問題は、すでに二千何百年も前のギリシア時代から今日にいたるまで、大勢の人々の論じたところであるが …
動物の私有財産(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
人間社会では財産はきわめて大切なもので、ほとんど生命に次いで貴重なものというてよろしい。財産のない者はささいなことさえも容易にはできぬが、財産のある者は勝手次第なことをなして毫もは …
読書目安時間:約23分
人間社会では財産はきわめて大切なもので、ほとんど生命に次いで貴重なものというてよろしい。財産のない者はささいなことさえも容易にはできぬが、財産のある者は勝手次第なことをなして毫もは …
人間生活の矛盾(新字新仮名)
読書目安時間:約38分
今日の世の中ほど人間のすることが互いに矛盾した時代はかつてあったであろうか。新聞紙は世間を写す鏡であるというが、日々の新聞に出て来る記事を比べて見ると、実に相矛盾することばかりであ …
読書目安時間:約38分
今日の世の中ほど人間のすることが互いに矛盾した時代はかつてあったであろうか。新聞紙は世間を写す鏡であるというが、日々の新聞に出て来る記事を比べて見ると、実に相矛盾することばかりであ …
脳髄の進化(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
人間の身体の内にある種々の器官は、いずれを取ってもその進化の経路を調べて見て、おもしろくないものはないが、その中でも特に脳髄は物を考える道具であるゆえ、それが今日のありさままでに発 …
読書目安時間:約23分
人間の身体の内にある種々の器官は、いずれを取ってもその進化の経路を調べて見て、おもしろくないものはないが、その中でも特に脳髄は物を考える道具であるゆえ、それが今日のありさままでに発 …
民種改善学の実際価値(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
ここに民種改善学というのは、近来西洋諸国で盛んに用いられるEugenicsという字を訳したものである。この字には善種学とか、優良種族学とか、人種改良学とかいう訳語もあるが、私は数年 …
読書目安時間:約11分
ここに民種改善学というのは、近来西洋諸国で盛んに用いられるEugenicsという字を訳したものである。この字には善種学とか、優良種族学とか、人種改良学とかいう訳語もあるが、私は数年 …
民族の発展と理科(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
わが国は今より十数年前に一度支那と戦うて勝ち、また数年前には世界の強国なるロシアと戦うてこれに勝ち、その結果として国の位置が非常に進んで、一等国と称せられるにいたった、これは大いに …
読書目安時間:約14分
わが国は今より十数年前に一度支那と戦うて勝ち、また数年前には世界の強国なるロシアと戦うてこれに勝ち、その結果として国の位置が非常に進んで、一等国と称せられるにいたった、これは大いに …
落第と退校(新字旧仮名)
読書目安時間:約14分
先達て京阪地方へ旅行した際に、或る人から「貴君は、何故、理科大学の正科を修めずに撰科を出たか」と尋ねられた。この問に答へると、同時に、昔の試験制度や、学校教育に対する感想が胸に浮ん …
読書目安時間:約14分
先達て京阪地方へ旅行した際に、或る人から「貴君は、何故、理科大学の正科を修めずに撰科を出たか」と尋ねられた。この問に答へると、同時に、昔の試験制度や、学校教育に対する感想が胸に浮ん …
理科教育の根底(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
近頃は理科奨励の声がすこぶる高い。りっぱな理化学研究所が新設せられ、理科や医科の研究者には補助金が与えられ、地方の中学校、師範学校における物理化学の設備を完全にするために何十万円か …
読書目安時間:約13分
近頃は理科奨励の声がすこぶる高い。りっぱな理化学研究所が新設せられ、理科や医科の研究者には補助金が与えられ、地方の中学校、師範学校における物理化学の設備を完全にするために何十万円か …
理科教育の根底(新字旧仮名)
読書目安時間:約12分
近頃は理科奨励の声が頗る高い。立派な理化学研究所が新設せられ、理科や医科の研究者には補助金が与へられ、地方の中学校、師範学校に於ける物理化学の設備を完全にするために何十万円かの金が …
読書目安時間:約12分
近頃は理科奨励の声が頗る高い。立派な理化学研究所が新設せられ、理科や医科の研究者には補助金が与へられ、地方の中学校、師範学校に於ける物理化学の設備を完全にするために何十万円かの金が …
理想的団体生活(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
われわれのつねに見慣れている陸上の動物は、犬でも猫でも、鳥でも、雀でもみな一匹ずつ相離れて、おのおの独立の生活をしているゆえ、動物とさえいえば、すべて単独の生活をなすものであるごと …
読書目安時間:約15分
われわれのつねに見慣れている陸上の動物は、犬でも猫でも、鳥でも、雀でもみな一匹ずつ相離れて、おのおの独立の生活をしているゆえ、動物とさえいえば、すべて単独の生活をなすものであるごと …
我らの哲学(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
このたび本書の新版を出すにあたって、書肆からなるべく多く追加原稿をそろえてつけるようにとの要求を受けたが、前版以後におりおり雑誌上にかかげた文は別に「煩悶と自由」と題して、最近に出 …
読書目安時間:約51分
このたび本書の新版を出すにあたって、書肆からなるべく多く追加原稿をそろえてつけるようにとの要求を受けたが、前版以後におりおり雑誌上にかかげた文は別に「煩悶と自由」と題して、最近に出 …
“丘浅次郎”について
丘 浅次郎(おか あさじろう、明治元年11月18日(1868年12月31日) - 昭和19年(1944年)5月2日)は、日本の動物学者。高等師範学校教授を歴任。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“丘浅次郎”と年代が近い著者
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木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
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