“蚯蚓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みみず76.6%
みゝず17.4%
みみづ1.6%
きゅういん1.1%
めめず1.1%
きういん0.5%
み〻ず0.5%
みヽず0.5%
めゝず0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梅雨の、わが庭に蚯蚓みみずが這いだしてきた。一匹は南に向かい、一匹は西に行く。一体、蚯蚓はどこを目当てに這って行くのであろう。
ミミズ酒と美女 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
こう云う間も蝋の流れは遠慮なくだら/\と蚯蚓みゝずの這うように額から睫毛へ伝わって来るので、再び仙吉は眼をつぶって固くなった。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
白い鵞鳥は蟾蜍ひきがへるとなり、黄金の匙は怪しいニツケルのナイフとなり、酒は酢となり、きりぎりすは蚯蚓みみづとなり
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あてか、さよか、よろしい。」と、自称美術家のパトロン、M老人、つるりとつばきに筆のさき、薄墨で蚯蚓きゅういん流。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
蚯蚓めめずほどの守宮の子が梁のおもて一杯に目白おしになって動きまわるンで、ちょうど梁ぜんたいが揺れているよう。
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
川に魚なく、堤の竹藪枯れて、春鶯また巣くはず、夏の夕、蚯蚓きういんの歌ふ声絶えて、小児の蛇を知らざる者あり。
鉱毒飛沫 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
たなからちる牡丹ぼたもちものよ、唐様からやうたくみなる三代目さんだいめよ、浮木ふぼくをさがす盲目めくらかめよ、人参にんじんんでくびく〻らんとする白痴たはけものよ、いわしあたま信心しん/″\するお怜悧りこうれんよ、くものぼるをねが蚯蚓み〻ずともがら
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
蚯蚓みヽずが土を出て炎天の砂の上をのさばる様に、かんかんと日の照るなかあるいてづぶ濡れに冷え切つた身体からだなり心なりをかせ度く成つたので、書院の庭の
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「結構な御時世さ。御用聞が晝近く起出して、蟻や蚯蚓めゝずと話をして居るんだもの」