“出水”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でみず61.7%
でみづ20.0%
しゅっすい8.3%
しゆつすゐ5.0%
いずみ1.7%
いづみ1.7%
みず1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
所々に出水でみずの土手くずれや化けそうな柳の木、その闇の空に燈明とうみょう一点、堂島開地どうじまかいちやぐらが、せめてこの世らしい一ツのまたたきであった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母親のおとよ長吉ちやうきち初袷はつあはせ薄着うすぎをしたまゝ、千束町せんぞくまち近辺きんぺん出水でみづの混雑を見にと夕方ゆふがたから夜おそくまで、泥水どろみづの中を歩き𢌞まはつために
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あるときは、あめがつづいて、出水しゅっすいのために、あるときは、すさまじいあらしのために、またしんおそろしいゆきのために、その脅威きょういは一つではなかったのです。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その渓潭けいたんの美しさを説かなかつたならば、かれもその妻を谷の中に置いて来てゐるので、昨日きのふ今日の出水しゆつすゐで何処か通れなくなつてゐれば止むを得ないが、さうでなければ
山間の旅舎 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
九州には右のほかにも単に地上の石をグリと呼んだ例がある。薩州出水いずみ郷の加紫久利かしくり神社などはその一つである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
但し「古今相撲物語」には、達ヶ関時代に大阪の出水いづみ川が苦手であつて、二回許り負けたことゝ、谷風となつてから此の苦手の出水川にも負けずに何時も勝利を得たことが書いてある。
初代谷風梶之助 (新字旧仮名) / 三木貞一(著)
見てごらんなさいな、随分念を入れて変りのいいのを集めたのよ。でも今年はいいのが大変少いんですって。去年の出水みずで流されてしまったのよ。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)