“でみず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出水80.4%
洪水17.4%
汎水2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんなおりに、思いがけなく川に出水でみずがあって、徒渉かちわたりがしにくいと、この仙人は手にさげた折畳み式の馬に水を吹きかけます。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
「お父様の力で、今までの洪水でみずも出なくなり、沼や河原ばかりだったこれだけの広い地面から、苗の青い風がそよそよ吹くようになりました」
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
汎水でみずだ、と云ったって、この通り、川らしい川のない処だから、駈出かけだして見物に行くほどの事もなさそうなもんだけれど、私は何だ。……
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
踏切を越して土手を畦伝あぜづたいに海岸の方へ下りると、なぞえに低くなるから、そこへ行けばちょろちょろ見えよう——もっとも汎水でみずと云うほどの事はどの道ないのだから、畷を帰る百姓も
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)