“駈出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かけだ84.3%
かけいだ6.0%
かけい4.8%
かけいだし1.2%
かけいで1.2%
かけだし1.2%
かりだ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(我慢なさい。こんな事をしていちゃ、生命いのちにも障りましょう。血の池でも針の山でも構わず駈出かけだして行って支度してむかえに来ます。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴女あなたちょいと。」失礼といいもあえず、夫人はずるずるともすそ引摺ひきずり、玄関へ駈出かけいだしたまう。「ああだもの。」と歎息して、綾子は後に思案投首。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されどもかれは聞かざる真似して、手早くじょうを外さんとなしける時、手燭てしょく片手に駈出かけいでて、むずと帯際を引捉ひっとらえ、掴戻つかみもどせる老人あり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拍てオヽ然樣かわかつたりと云ながら店へ駈出かけいだしければ女共は彌々いよ/\わけが分らずたゞあきはててぞ居たりける是出しぬけの事ゆゑよもや弟長兵衞が年のくれ押迫おしつまつて來やうとは思はずもつとも是まで平常つね/″\逢度あひたくおもふ一心より九死一生の大病なりと手紙にうそ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
病後夫が召捕めしとられしよりハツと逆上なしくるまはりしかば長家中皆々みな/\番もすれともやゝもすれば駈出かけいでてあらぬことどものゝしり廻るにぞ是非なく家主とく兵衞并に組合くみあひより願ひ出けるに先達さきだつて御召捕に相成あひなり候庄兵衞の妻とよ亂心らんしん仕つり町内にて種々と介抱かいはうかつ養生仕つり候へども晝夜ちうや安心相成ず難儀なんぎ至極に付何卒御奉行樣にて入牢仰付られ候へば町内ちやうない一同有難仕合なりと申ける是れは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぴんからきりまで心得て穴熊あなぐま毛綱けづな手品てづまにかゝる我ならねば負くるばかりの者にはあらずと駈出かけだしして三日帰らず、四日帰らず、あるいは松本善光寺又は飯田いいだ高遠たかとおあたりの賭場とばあるき
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
別に駈出かりだすの、手がかかるのって事はなかったんだそうですけれど、たださえ細った食が、もうまるっきり通りますまい。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)