“かけだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
駈出72.9%
馳出10.4%
駆出9.4%
驅出3.1%
懸出2.1%
掛田1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お銀ちゃん栗栖君を何と思ってるんだい。あれはなかなか偉いんだよ。小説を書かせたって、このごろの駈出かけだしの作家跣足はだしだぜ。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お客の前へ小供が馳出かけだして阿母おっかさんアレなぞと菓子皿へ指をさすのはあんまり見っともい事でない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ばばあがやかましいから急ごう、と云うと、髪をばらりとって、私の手をむずと取って駆出かけだしたんだが、引立ひったてたうでげるように痛む、足もちゅうで息がつまった。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
せめての腹愈はらいやしには、わが鐵拳てつけんをもつてかれかしら引導いんどうわたしてれんと、驅出かけだたもと夫人ふじんしづかとゞめた。
こころよい薬草のにおいに、眠りを誘われて、手足の先にまで、れぼったい疲れが出て来たが、山で生れ、山で育った武蔵には、この谷間の懸出かけだし小屋に、一応、うなずけないものがあった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他ではまだ同じ名は耳にしないが、紀州の有田郡、飛騨ひだの高山や船津ふなつ、東北では伊達だて郡の掛田かけだなどでこれをイドグサと呼んでいる。富山県の射水いみず郡ではイケバタまたはイケノハタという。
履や否直にかけだし追付んと急迫あせれども駕籠はいづれに行しや見えず猶も追付んと足にまかせて急ぎけれども一向に影だに見えざれば餘りの不審いぶかしさに向ふより來る二三人の旅人に各々方は斯樣々々かやう/\の駕籠に行逢ゆきあひ給はずやと問けるに知ずと云も有しが其中の一人が其駕籠かごは今方たしか此後の松原から南の横道よこみちへ一人の男が付て急ぎ行しと云にぞ偖は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)