“腫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
82.5%
はれ5.6%
はら3.6%
むく2.1%
2.1%
ふく2.1%
でき0.6%
0.6%
しゆ0.3%
ぶく0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足の甲がれあがって指の股がひっついてしまった。たいした怪我ではなかったが、私は足を引摺らずには歩くことが出来なかった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
薄い下り眉毛まゆげ、今はもとの眉毛をったあとに墨で美しく曳いた眉毛の下のすこしはれぽったいまぶたのなかにうるみを見せて似合って居ても
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ミネの嘆きのつきあいをさせられる悠吉が、もてあましていうのへ、ミネは泣きはらした顔を、それでもそのときは笑いながら
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
少しむくみのある顔を悲しそうにしかめながら、そっと腰の周囲まわりをさすっているところは男前も何もない、血気盛りであるだけかえってみじめが深い。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
体を動かしてみると、背中全部が熱を持ち、腰のあたりは特に地れをしているような圧迫感があった。
狂い凧 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
額がふくれたように高いのであるが、それでいて下方の長い顔に見えるというのは、全体がよくよく長い顔であることが思われる。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ポチとそこに何かできている。“蚊触かぶれ”という病名があった。医師たちはこの発見をすぐそれに附してかぶれの練薬ねりぐすりを塗布して容体の変化をみていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのしょうやひちりきの音から伊勢の宮の稚児ちごたちおもい出され、んだ足をひき摺って登った鷲ヶ岳の樹々の氷花つららが、ふと考え出されたのであろう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
林氣𤸇りう多く、木氣多く、岸下の氣しゆ多く、石氣力多く、嶮岨の氣えい多く、谷氣多く、丘氣狂多く、陵氣たん多く、衍氣仁多く、暑氣えう多く、寒氣壽多くなどと説いて居る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ぶくれのした顔の中に、怖気おじけた小さな眼はひそんでいた。頭の中は掻き廻されるように痛んで、眼がだんだん霞んで来た。遠くに森があった。森のかなたにも家があった。人が住んでいる。……
(新字新仮名) / 小川未明(著)
それに一日に三百円もかかるんでやり切れないで帰って来たが、足がくんでだるくてしようがない、こんなに腫くんでるのよ、と足を出してすねのところを指で押すと、指の跡に穴があく。
三浦環のプロフィール (新字新仮名) / 吉本明光(著)