“はら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハラ
語句割合
20.2%
19.1%
16.2%
13.1%
7.9%
3.8%
3.8%
2.8%
2.7%
2.0%
(他:101)8.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は甘んじてこの不謹慎を断行しようと決心しながら、はらの中ですでに自分の矛盾を承知しているので、何だか不安であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
長助はもう判っているが、他の男女三人の人相、年頃、風俗、その説明を松吉から聞かされて、半七ははらのなかでほほえんだ。
モナドは何処までも自己自身の内から動いて行く、現在が過去を負い未来をはらむ一つの時間的連続である、一つの世界である。
絶対矛盾的自己同一 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
この前後の芸術一般が持つ美には、それゆえつねに無常迅速の哀感を内にはらみ、外はむしろ威儀の卓然たるものがあった。
美の日本的源泉 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
向うのかどまがろうとして、仔馬はいそいで後肢あとあしを一方あげて、はらはえたたきました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「そうですね。兵たいや馬はこなれがわるいでしょうね。あとではらくだるとやっかいですから出してしまいましょう。」
ぶくぶく長々火の目小僧 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
くろめがねのおじさんは、いつかこのはらで、樺太からふと旅行りょこうをしたときのはなしをしてくれました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうちゃんは、さっきゆうちゃんとはらっぱのほうへいったよ。」と、子供こどもは、こたえました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
ダウンタアオンで五セントはらい、メリイゴオランドの木馬にまたがったことも、ボオルを黒ん坊ニグロにぶつけて
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そのつぎの休憩きゅうけい時間に堀口生は正三君とすれちがいさま、帽子をはらいおとした。喧嘩はいつもこの手でしかける。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ながるゝ血汐ちしほ兩眼りようがんるを、こぶしはらつて、キツと見渡みわたうみおも
はなしをするうちに、さく/\とゆきけるおとがして、おんやくはらひましよな、厄落やくおとし。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さても清風せいふうきて不淨ふじやうはらへば、山野さんや一點いつてん妖氛えうふんをもとゞめず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雪の降ってる中ですから殊更ことさらに池のような深みたまりの間に入ってそうして雪をはらい込んでその中へ寝たんです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
なんとかして永久にこの幽靈を追ひはらつてしまふのでなければ、小幡一家の平和を保つことは覺束おぼつかないやうに思はれた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それは幕政の局に当つて財況其他の実情を知悉し、夷のはらふべからず、戦の交ふべからざることを知つてゐたからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
たとえば彼らがはらいの儀礼の内に頼るべき力を感じている間は、その力によって示唆される永遠者は非人間的なある者である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
この幣束へいそくで、おはらいをしてもらったのだか、祓い出されたのだか、二人はほどなく小屋の外へ出てしまいました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「彼方の女は子を産むいのししのように太っている。見よ、長羅、彼方の女は子をはらんだ冬の狐のように太っている。」
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そして彼は非常に陰惨な気持になり、次には捨鉢な気持になり、それから、何でも期待し得るはらを据えた而も暗い気持になった。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
なでう一度ひとたびさきの失望と恨とをはらし得て、胸裡きようりの涼きこと、氷を砕いて明鏡をぐが如く為ざらん
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
手は疑ひをはらさんため彼を助けさぐり得て、目の果し能はざるつとめを行ふ、この時わが爲せることまたかゝる人に似たりき
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
蹲踞うずくまる枕元に、泣きはらした眼を赤くして、氷嚢の括目くくりめに寄るしわを勘定しているかと思われる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奥様は泣はらした御顔を御出しなすって、きょうの御祝の御余おあまりの白米や金銭おかねをこの女に施しておやりなさるところでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『根本説一切有部毘奈耶』にいわく、昔北方の販馬商客うまうり五百馬を駆って中天竺へ往く途上、一の牝馬が智馬の種をはらんだ。
かれ相感でて共婚まぐはひして、住めるほどに、いまだ幾何いくだもあらねば、その美人をとめはらみぬ。
それでさえ支那でも他のくにでも、それに病災をはらい除く力があると信じたり、あるいはまたこれを演繹して未来を知ることを得るとしたりしている。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『淵鑑類函』一七に『宋書』に曰く、歳朔さいさく、常に葦莢いきょう桃梗とうこうを設け、鶏を宮および百司の門にたくし以て悪気をはらう。
『今昔物語』に、支那の聖人宮迦羅くがら、使者をして王后を負い来らしめ、犯してはらませた話あり。
かれその政いまだ竟へざるほどに、はらませるが、れまさむとしつ。
そこでその大刀弓を持つてかの大勢の神を追いはらう時に、坂の上毎に追い伏せ河の瀬毎に追いはらつて國を作り始めなさいました。
そこでかようにして亂暴な神たちを平定し、服從しない人どもを追いはらつて、畝傍うねび橿原かしはらの宮において天下をお治めになりました。
いくさ果て王いよいよ還ると后既にはらめり。
其男はリイケを辱めてはらませた男であつた。
大喝迷霧をはらふは吾人の願ふ所にあらず、一点の導火となりて世の識者を動かさん事こそ、吾人が切にみづかたのむところなれ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「あゝよして呉れ!」父ははらひ退けるやうに云つた。「そんな事は聞きたくない。馬鹿な! 画描きなどが、画を描くことなどが、……」父は苦々しげに言葉を切つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
源「覚えがないとばかり云っても、それじゃア胴巻の出た趣意が立たねえ、己まで御疑念がかゝり困るから、早く白状して殿様の御疑念をはらしてくれろ」
隅「本当でございますから疑りをはらして一献ひとつ戴きましょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
立つたり蹲んだりしてるうちに、何がなしに腹部はらが脹つて来て、一二度軽く嘔吐を催すやうな気分にもなつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その眞白ましろなる腹部はらさかさま海面かいめんうかんだ。
胡坐の男は沖の汽船から目を離して、躯を少し捻つた。『…………さうさね。海上の生活には女なんか要らんぢやないか。海といふ大きい恋人のはらの上を、縦横自在にけ廻るんだからね。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
胡坐の男は沖の汽船から眼を離して、躯を少し捻つた。『……………さうさね。海上の生活には女なんからんぢやないか。海といふ大きい戀人のはらの上を、縱横自在にけ𢌞るんだからね。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
僕はそれから喉をはらして発𤍠して居たのを押してアンデパンダンの絵の展覧会を観に行つたりなんかした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その美しい眼を心持泣きはらして、雪のような喪服をまとうて、うつむきがちに、しおたれて歩む姉妹の姿は、悲しくもまた美しかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
酔わないつもりでも、かなりはらは酒浸しになっていた。大きな鼾声いびきのうちに行燈もいつか消えてしまう。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おれは、だんぜんこの仇うちをしなければはらえないんだ。幽霊船をみつけ次第、おれはそのうえに飛びのってやる。そして幽霊どもを、これでぶったってやるんだ」
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そうそうぼた餅稲荷の森から小川にそうてつづみヶ原はらへ抜けようとするあたり、あの辺は何と言ったけな。青柳町ではなし——。」
寛永相合傘 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さるによつて明日あすよりは、木賊とくさヶ原はら朱目あかめもとに行きて、療治をはんといふことまで、怎麼いかにしけんさぐりしり
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
あのながくて丈夫ぢやうぶうま尻尾しつぽ房々ふさ/\としたは、ぶよひ拂はらのにやくつのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
黄金かねはられた怨恨うらみだから黄金でへしてるのさネ、俳優の様な意気地なしでも、男の片ツ端かともや、養母さん、ちツとはしやくも収りまさあネ、あゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
とくに博士は、婆羅はら破鬼シヴァに知友多く、彼らの口をとおして旦那マスター奥方ミセスの身の上をさぐり出し、書物のように前に繰りひろげてみせることができます。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
近江商人といふものは、自国では繁栄せずに、他国へ出て成功するのが特長であるのも、いろいろな原因もあるであらうが、一つは湿気をはらんだ湖の空気に、身も心も胆汁質に仕上げられ、怒りを感ぜず、隠忍自重の風が自然と積上つて来てゐるためかもしれぬ。
琵琶湖 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
とて越中ゑつちうかしらでゝしたあかくニヤリとわらひ、ひとさしゆび鼻油はなあぶらひいて、しつぺいはらんと歯噛はがみをなし立上たちあがりし面貌つらがまへ——と云々うんぬん
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
意図はらがあるんですって? 冗談じゃない、そんな詰らないもので、なにが目論もくろめるものですか。」
「うん、さては何か意図はらがあるんだな。白状し給え、何だか?」