“脹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふく51.9%
36.5%
ふくら2.6%
はれ2.1%
むく1.6%
はら1.6%
ふや1.1%
ぶく1.1%
ぷく1.1%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其處にお京の床は紅い木綿の裏を見せて、淋しく敷き捨てたまゝ、枕のふくらみ具合では、一度も寢なかつたことが一と目で解ります。
倒れた傷跡が大きな紫色のあざになってるれた顔を見た時、そこにいる人は死にかかってるのだとわかった時、彼はふるえだした。
出立の時には蕾のふくらみかけてゐた櫻が、すツかり若葉になつて、花吹雪はなふぶき名殘なごりが少し見られるばかりであつた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
顔立もよく整って、格幅も見事ですが、恋に狂う型の人間によくある、ややふとじしの多血質で、はれっぽい眼、多い毛などが妙に人目につきます。
雑煮の鍋を仕かけてゐる彼女の顔が、不断でも善くあるやうに、その時も滞んだ色に少しむくんでゐた。でも、融は気にもかけなかつた。
折鞄 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
四月につてにはかに雪が降つた程寒い変調な朝があつた。僕はそれから喉をはらして発𤍠して居たのを押してアンデパンダンの絵の展覧会を観に行つたりなんかした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それで、村の入口に入るや否や、吠えかゝる痩犬を半分無意識に怕い顏をして睨み乍ら、ふやけた樣な頭を搾り、あらん限りの智慧と勇氣を集めて、「兎も角も、宿を見附るこつた。」と決心した。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
もつともまた二十歳はたちになつたばかり、月代さかやきが青々として、下つぶくれのあごのあたり、僅かに童顏の殘るのも、限りない愛嬌でした。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
色白で愛嬌があつて、斯う下つぷくれで眼の切れが長くて、唇が眞つ紅で——好い女でしたよ、親分。
次にこれらの材木の組合せによつて生まれるところのありとあらゆる形々々のやや無限を思はせるところの明滅によつてくれ歪み合し崩れ混乱する様を想像します。
女占師の前にて (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)