“ふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
8.3%
8.0%
7.8%
6.9%
6.5%
5.9%
5.2%
4.8%
3.9%
3.5%
(他:1754)39.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そんなに思召おぼしめすのならしかたがございません。では早くいらっしゃいまして、夜のけぬうちにお帰りなさいませ」
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
紅葉もまた打解けて少しもわだかまりがなく用件以外の四方山よもやま世間咄せけんばなしをしてその夜をかした。
「不義した女を出すことが出来ないようなぬけと、一生暮そうとは思わない。わしの方から出ていくからそう思うがいい」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
胃のへ届く食物は、そのまま直ちに消化されて、血管を少女のような元気さとはなやかさとで駆け回るように感じられた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
さても清風せいふうきて不淨ふじやうはらへば、山野さんや一點いつてん妖氛えうふんをもとゞめず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れぬ紅白こうはくさま/″\のはな咲亂さきみだれて、みなみかぜがそよ/\とくたびに
「私がいくら稼いだって駄目です。私はこれまでなまけるなどと云われたことのない女です」お島は涙をきながら言った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「血が少し附いていますが、わざといてありません。衝突の時に、腕環うでわ止金とめがねが肉に喰い入ったのです。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
五十円の債券を二三枚買って「これでも不動産ふどうさん(!)がえたのだからね」などと得意になっていた母親のことも。
たね子の憂鬱 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
人員の統制が、頭脳あたまのぼやけたものにはちょっと理解ができないくらいだが、簿記台のなかには帳面の数もえていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その死んだ人間のことをいう時にはひどく思いやりのある調子になりながら、火鉢の傍に坐っている若奴の顔をかえって
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
それから真偽しんぎの鑑定のために、虫眼鏡むしめがねなどをはさない所は、誠吾も代助も同じ事であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
天道樣てんたうさま何分なにぶんたのまをしますぜ、やあお天道樣てんたうさまといやることは/\。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
天のいづこも天堂にて、たゞかしこに至上の善の恩惠めぐみの一樣にらざるのみなること是時我に明らかなりき 八八―九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
命は、そこから、いよいよけわしい深い山をみ分けて、大和やまと宇陀うだというところへおでましになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
うつくしい蠱惑こわくちてせることだらう! れるな、にごるな、まよふなと
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
つて両手をかしらに敷き、仰向けにしながら天井を凝視みつめて初は例の如くお勢の事をかれこれと思っていたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
欠けたる椀にこうばしき酒なみなみと注ぎたたえ、前後知らずに酔いして、飲まれぬまでに賜えかし、ラハーキャロー
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その当時、まだ中学生になったばかりの中野の記憶に比べれば、相当けてはいるが、たしかに見当違いではないと断言出来た。
地図にない島 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ドミトリイ・フョードロヴィッチは二十八歳で、気持のいい顔だちをした、中背の青年だったが、年よりはずっとけて見えた。
「両国橋を渡つた人はね。……それでも元町もとまち通りには高圧線の落ちたのにれて死んだ人もあつたと言ふことですよ。」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼等は皆孟子もうしの著書は、我々の怒にれ易いために、それを積んだ船があれば、必ずくつがえると信じています。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
卑弥呼は良人おっとを抱きかかえた。大兄の胸からは、血が赤い花のようにした。長羅は卑弥呼の肩に手をかけた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
わしは檣頭マストヘッドからしおいている鯨のやつらをちゃんと見たのだから、君がいかにかぶりを横にふっても
須川隆白は弘前の人で、伊沢氏塾生の一人であつた。美丈夫であつたが、首をる癖があつた。榛軒歿後には渋江抽斎に従学した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
い物を看附けたと言いそうなかおをして、其をくわえ出して来て、首を一つると、草履は横飛にポンと飛ぶ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
三方が窓で、勾配こうばいのついた天井を結晶ガラスでき、レモン色のカーテンが、自在に動くような仕掛けになっている。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
眼の前にぐいと五大力のとまいたへさきが見え、厚く積った雪の両端から馬の首のように氷柱つららを下げている。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いろり附近まわりに四人の男女が控えてた。男は怪量を上座じょうざしょうじてから四人をり返った。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
右側を往っていた双子がちらりとりかえった。広巳はついとった。双子は有意わざとらしい沈静おちつきを見せた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こまやかにを流したる大理石の上は、ここかしこに白き薔薇ばらが暗きをれてやわらかきかおりを放つ。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この若鷹はの彩色、誇張しているとさえみえる形の一種のそぐわなさからも、実際鷹狩につかう鷹とは凡そかけはなれている。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
それから輿入こしいれ、新婚旅行、里帰り、………と随分面倒な手続きをみますが、そう云うことがどうも私は嫌いでした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こん畜生、こん畜生と、おら、じだんだをんだもんだで、舵へついたかよ、と理右衛門爺りえむじいさまがいわっしゃる。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蜂矢はひらりとからだをかわしたが、金属Qはとてもす早く、蜂矢は二度目にはねじせられた。とたんにひどい頭痛を感じた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(いやいや、僕は、だめですよ。悪口をいわれても、仕方のない人間なんです。ほうっておいてください)と、目をせていう。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
当たった時は驚いたものの、それほどでもないと思っていたのが、だんだん時をるに連れて骨髄こつずいに透って耐え難い。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それが病気の加減で頭がだんだん鈍くなるのか何だか、日をるに従って、無精な排泄はいせつを意としないようになった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕はくち三口みくち無言で飯のかたまりを頬張ったが、突然彼女に、おい作僕の顔色はどうかあるかいと聞いた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
するとつづいて、その同じ鳥か、別なほととぎすか、た声も三声も、―――しまいには珍しくもなくなったほど啼きしきった。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
われは日ごとに公苑に往き戲園しばゐに入り、又心安からぬまゝに寺院を尋ねて、聖母マドンナの足の下にすることあり。
久しく頭をした後虚空こくうに昇り、自分で火を出し身をいて遺骸地に堕ちたのを、王が収めてこの塔を立てたと見ゆ。
しかし昔の道を杓子定規しゃくしじょうぎにそのままんで、それでうまく世が治まるくらいなら、誰も苦労はしないよ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ひと拓拔氏たくばつしのみならず支那塞外しなさくぐわい蠻族ばんぞくおほむねそのてつんでゐる。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あれ、ほゝてのひらへもたせてゐる! おゝ、あのほゝれようために、あの手袋てぶくろになりたいなア!
草刈籠くさかりかごがすつと地上ちじやうにこけるとき蜀黍もろこしおほきれてがさりとつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
我に氣力をして善良の人たることを得しめよ、我をして些の羞慚しうざんの心なく、彼尼院中なるフラミニアを懷ふことを得しめよ。
中から出たのは、平凡な能管のうくわんが一册、それを膝の前に開いて春日かすが藤左衞門は見詰めました。
後には種々いろんなことから自暴酒を飲んだらしかったが、酒を飲むと溜らない大きな顔になって、三つ四つもけて見えた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ぢゆう上手かみてにつゞける一間の家體は細工場さいくばにて、三方にりたる蒲簾がますだれをおろせり。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
と加十の口元に差しつける。加十も止むを得ず野太い口を開いて呑みに呑み込むと、鶴子はフォークを加十の手に握らせて、
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
小梅こうめ伯父をぢさんにつれられて奥山おくやま見世物みせものを見に行つたり池のこひをやつたりした。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
彼の本陣はこの二寺をあわせ用い、刻々にえる軍勢を、附近の長洲から大物の浦までたして、十一日はここで過した。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山峡にそって流れている太田川が、この街の入口のところで分岐すると、分岐の数は更にえ、街は三角洲の上にひろがっている。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
心を二六時にゆだねて、隻手せきしゅを動かす事をあえてせざるものは、おのずから約束をまねばならぬ運命をつ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
陶は起って寝に帰ったが、門を出て菊畦をんでゆくうちに、酔い倒れてきものを側にほうりだしたが、そのまま菊になってしまった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
――そこが、いまの隣家となりの格子戸から、を一つかまちに置いて、おおきな穴のようにと見えました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或る晩、深夜にと眼がめて寝つかれないので、何心なく窓をあけて見ると、鴎外の書斎の裏窓はまだポッカリと明るかった。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しまりをしたかどを揺り動かして、使いのものが、余を驚かすべく池辺君のをもたらしたのは十一時過であった。
三山居士 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その当時、わたしは日露戦争の従軍新聞記者として満洲に出征していたので、帰京の後にそのを知ったのは残念であった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)