トップ
>
吐
>
ふ
ふりがな文庫
“
吐
(
ふ
)” の例文
酒は飲めず、
畏
(
かしこま
)
って
煙草
(
たばこ
)
ばかり
吐
(
ふ
)
かしていたので、愛想に一本、ちょっと吸って、帰りがけにくれたのが
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
息を
吐
(
ふ
)
き返して来ると、患者は暗い穴の底から、
縁
(
ふち
)
に立っている人を見あげるように、人々の顔を捜した。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
喬生は
湖縁
(
こべり
)
の
路
(
みち
)
を取らずに湖の中の
堤
(
つつみ
)
を帰っていた。堤の柳は芽を
吐
(
ふ
)
いてそれが柔かな風に動いていた。彼の体は湖心寺の前へ来ていた。
何時
(
いつ
)
の間にか日が暮れて夕月が
射
(
さ
)
していた。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
仁左衛門さん
宅
(
とこ
)
の
大欅
(
おおけやき
)
が春の空を
摩
(
な
)
でて
淡褐色
(
たんかっしょく
)
に煙りそめる。雑木林の
楢
(
なら
)
が逸早く、
櫟
(
くぬぎ
)
はやゝ晩れて、芽を
吐
(
ふ
)
きそめる。
貯蔵
(
かこい
)
の
里芋
(
さといも
)
も芽を吐くので、里芋を植えねばならぬ。月の終は、
若葉
(
わかば
)
の
盛季
(
さかり
)
だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「お前も、あの親父にいびられることくらいは覚悟していなくちゃ駄目だよ。」少し口がほぐれてきた時分に、芳太郎はそう言って
狎
(
な
)
れ
狎
(
な
)
れしげに、酒くさい息を
吐
(
ふ
)
きかけた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“吐”を含む語句
嘔吐
吐出
吐月峰
吐瀉
吐息
吐月峯
毒吐
竜吐水
逆吐
吐掛
唾吐
吐露
嘘吐
音吐
吐気
龍吐水
息吐
御吐
吐散
吐蕃
...