“湖縁”の読み方と例文
読み方割合
こべり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
支那に遊んで杭州の西湖せいこへ往った者は、その北岸の山の上と南岸の湖縁こべりとに五層となった高い大きな塔の聳えているのを見るであろう。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
著者もかつて西湖に遊んで南岸の湖縁こべりそびえ立った五層の高い大きな塔の姿に驚かされた一人である。その西湖には南岸の雷峰塔らいほうとうに対して北岸に保叔塔ほしゅくとうと云うのがある。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
喬生は湖縁こべりみちを取らずに湖の中のつつみを帰っていた。堤の柳は芽をいてそれが柔かな風に動いていた。彼の体は湖心寺の前へ来ていた。何時いつの間にか日が暮れて夕月がしていた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)