“聳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そび73.6%
そばだ11.3%
そびや8.9%
そびやか1.1%
た1.1%
そそ0.9%
そば0.9%
そばた0.3%
そばだて0.3%
そびえ0.3%
ソヽ0.3%
そはだ0.2%
そゝ0.2%
たて0.2%
つ0.2%
ソソ0.2%
ソビヤ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはアパラチヤ大山系から分離した一つの支脈で、はるかに河の西方に見え、気高く聳(そび)え立って、そのあたり一帯に君臨している。
空には星が瞬(まばた)きをしてゐる。平な雪の表面が際限もなく拡がつてゐる。そして地平線には、暗い森が聳(そばだ)ち、遠い山の頂が突出してゐる。
勘次(かんじ)は俄(にはか)に眼(め)を聳(そびや)かすやうにして木陰(こかげ)の闇(やみ)を見(み)た。彼(かれ)は其處(そこ)におつぎの浴衣姿(ゆかたすがた)が凝然(じつ)として居(ゐ)るのを見(み)て筵(むしろ)から離(はな)れることは仕(し)なかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その正面に当ってあたかも大きな船の浮ぶがように吉原(よしわら)の廓(くるわ)はいずれも用水桶を載せ頂いた鱗葺(こけらぶき)の屋根を聳(そびやか)しているのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
やがて、とある四つ角へさしかかると、彼女は怪訝そうに立ちどまって、指を一本あげて唇(くち)を半開きにしたまま、じっと聞き耳を聳(た)てた。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
暗黒(やみ)の中に恐ろしい化物かなんぞのように聳(そそ)り立った巨大な煉瓦(れんが)造りの建物のつづいた、だだッ広い通りを、私はまた独りで歩き出した。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
馭者がその背に鞭を当てると、二頭の驢馬は、その小さな耳を聳(そば)だゝせながら、いくらか下(くだ)り加減な真直な道を驀地に走つた。
アカシヤの花 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
再び見よ、烈しくなった池の波は、ざわざわとまた亀甲(きっこう)を聳(そばた)てる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自転車のベルの音がする度に、耳を聳(そばだて)てゐたが、除夜の鐘が鳴り出しても、木山は帰つて来なかつた。晴代はぢつとしてゐられなくなつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ここを通り越せば、その尖端(せんたん)雲に入(い)るかと思わる天狗岩が掃川(はきがわ)の岸から聳(そびえ)立っているワイ。
男嶽(ヲノカミ)と女嶽(メノカミ)との間になだれをなした大きな曲線(タワ)が、又次第に兩方へ聳(ソヽ)つて行つてゐる、此二つの峰の間(アヒダ)の廣い空際(ソラギハ)。薄れかゝつた茜の雲が、急に輝き出して、白銀(ハクギン)の炎をあげて來る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
お銀様ほどの人が思わず耳を聳(そはだ)てていると、先方も、もう気取られたかと観念したのか、もうこの辺で術を破ってやろうとでも覚悟したのか、ミシ、ミシ、ミシと、本格的に廊下を踏んで
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
男嶽(をのかみ)と女嶽(めのかみ)との間になだれ落ちてゐる大きな曲線(たわ)が、又次第に両方へ聳(そゝ)つて行つてゐる此二つの峰の間(あひだ)の広い空際(そらぎは)。薄れかゝつた茜の雲が、急に輝き出して、白銀(はくぎん)の炎をあげて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
暫時(しばらく)聴耳(ききみみ)を聳(たて)て何を聞くともなく突立っていたのは、猶(な)お八畳の間を見分する必要が有るかと疑がっていたので。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
岩——の士族屋敷ではこの「ひげ」の生まれない前のもっと前からすでに気味の悪いところになっているので幾百年かたって今はその根方(ねがた)の周囲(まわり)五抱(いつかか)えもある一本の杉が並木善兵衛の屋敷の隅(すみ)に聳(つ)ッ立ッていてそこがさびしい四辻(よつつじ)になっている。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
男嶽(ヲノカミ)と女嶽(メノカミ)との間になだれをなした大きな曲線(タワ)が、又次第に両方へ聳(ソソ)つて行つてゐる、此二つの峰の間(アヒダ)の広い空際(ソラギハ)。薄れかゝつた茜(アカネ)の雲が、急に輝き出して、白銀(ハクギン)の炎をあげて来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
づうと這(ハ)ひ寄つて来た身狭乳母(ムサノチオモ)は、郎女の前に居たけを聳(ソビヤ)かして、掩(オホ)ひになつた。外光の直射を防ぐ為と、一つは、男たちの前、殊には、庶民の目に、貴人(アテビト)の姿を暴(サラ)すまい、とするのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)