“そそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソソ
語句割合
唆24.1%
注18.9%
灌9.9%
濺9.4%
楚々9.4%
雪7.0%
灑6.0%
嗾1.7%
漱1.2%
澆1.0%
瀉1.0%
濯1.0%
瀝1.0%
聳1.0%
誘0.8%
洒0.8%
漑0.7%
粗々0.5%
沃0.5%
粗忽0.5%
誘惑0.3%
滌0.3%
峭0.2%
斟0.2%
洗0.2%
促0.2%
刺激0.2%
動0.2%
嗽0.2%
峻0.2%
揺0.2%
洗礼0.2%
澍0.2%
疎々0.2%
示唆0.2%
衝動0.2%
鑚0.2%
麁粗0.2%
麤々0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とらにはこれらすべてが、退屈なほどみえすいていて、いまさら注意をひかれたり、好奇心を唆(そそ)られたりする対象はなにもないのだ。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その谷に注(そそ)ぐ川はビエーヴル川であるから、この谷はパリの郊外(こうがい)ではいちばんきたない陰気(いんき)な所だと言いもし、信(しん)じられもしていた。
是(ここ)に於て守る者便(べん)を得、連夜水を汲(く)みて城壁に灌(そそ)げば、天寒くして忽(たちま)ち氷結し、明日に至れば復(また)登ることを得ざるが如きことありき。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
少女は驚き感ぜしさま見えて、余が辞別(わかれ)のためにいだしたる手を唇(くちびる)にあてたるが、はらはらと落つる熱き涙(なんだ)をわが手の背(そびら)に濺(そそ)ぎつ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
打水(うちみず)をした庭の縁を二人三人の足音がして、白地の筒袖(つつっぽ)の浴衣(ゆかた)を着た菊五郎が書生流に歩いて来ると、そのあとに楚々(そそ)とした夏姿の二人。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「よしっ……きっとあなたの汚名は遠からず雪(そそ)いでみせる。だが、相手の武蔵は今、何処にいるのか、その居処(いどころ)はおわかりですか」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貪欲界(どんよくかい)の雲は凝(こ)りて歩々(ほほ)に厚く護(まも)り、離恨天(りこんてん)の雨は随所直(ただち)に灑(そそ)ぐ、一飛(いつぴ)一躍出でては人の肉を啖(くら)ひ、半生半死入(い)りては我と膓(はらわた)を劈(つんざ)く。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
然し斯(この)貧(まず)しい小さな野の村では、昔から盆踊(ぼんおど)りと云うものを知らぬ。一年中で一番好い水々(みずみず)しい大きな月が上(あが)っても、其れは断片的(きれぎれ)に若者の歌を嗾(そそ)るばかりである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
が、その時さえこの川は、常夏(とこなつ)の花に紅(べに)の口を漱(そそ)がせ、柳の影は黒髪を解かしたのであったに——
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
狭山はやがて銚子(ちようし)を取りて、一箇(ひとつ)の茶碗に酒を澆(そそ)げば、お静は目を閉ぢ、合掌して、聞えぬほどの忍音(しのびね)に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
このうそを、あらねばならぬことのように力説し、人間の本能をその従属者たらしめることに心血を瀉(そそ)いで得たりとしている道学者は災いである。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
艀舟の中は静寂で月の光が豊かに濯(そそ)いでいる。ゴーリキイは、昼間の疲れと景色の美しさに恍惚としつつ思うのであった。
異時敵を軽んず已(すで)に計に非(あら)ず、今日の折衝知るこれ誰なるかを。幽憤胸に満ちて泄(もら)す所なく、獄中血を瀝(そそ)いでこの詩を録す
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
なるほど、そこには注連(しめ)を張った大きな銀杏のたくましく聳(そそ)り立っているばかり、鳥居も、玉垣も、社殿も……牛島神社の影もかたちもが存しなかった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
吾儕の心を誘(そそ)りゆいて、趣味の巷にこれ三昧の他事なきに至らしむる、また以て忘機の具となすに足るべきではあるまいか。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
朝夕(あさゆう)箒(ほうき)を執(と)ったり、洗(あら)い洒(そそ)ぎをしたりして、下女だか仲働だか分らない地位に甘んじた十年の後(あと)、別に不平な顔もせず佐野といっしょに雨の汽車で東京を離れてしまった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これを防ぐには山下の粘土を取り水にてよく泥に掻き立てその苗の上より水を灌(そそ)ぐがごとく漑(そそ)ぎ掛くれば泥ことごとく茎葉の上に乾き附いてあえて食う事なし、苗の生長には障(さわ)らず
「落ちついているようだが、案外粗々(そそ)っかしい爺さんだね」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
貫一は彼の死の余りに酷(むご)く、余りに潔きを見て、不貞の血は既に尽(ことごと)く沃(そそ)がれ、旧悪の膚(はだへ)は全く洗れて、残れる者は、悔の為に、誠の為に、己(おのれ)の為に捨てたる亡骸(なきがら)の、実(げ)に憐(あはれ)みても憐むべく
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
手品師は慌てて、二度三度同じ事を繰り返したが、その都度手先が段々粗忽(そそ)つかしくなるばかりで金魚は少しも釣れなかつた。そして終(しま)ひには、金魚の代りに小姓の前髪を釣り上げた。
祭よりも祝(いはひ)よりも誘惑(そそ)る。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
カラフト夷人(アイヌ)(中略)の葬礼は、夷人(アイヌ)初めて死するときは、刃物を以て死者の肛門を抉り、その穴より臓腑を抜き出し、骸骨の中(うち)少しも汚穢なきやうに浄潔に洗ひ滌(そそ)ぎ
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
一里といえば人里から左(さ)のみ遠からぬ処であるにも拘(かかわ)らず、ここは殆ど通路の無いほどに岩石嶮(けわ)しく峭(そそ)り立っているのと、昔から此辺(このあたり)は魔所(ましょ)と唱えられているのとで
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
所謂(いわゆる)越中平(えっちゅうだいら)の平野はここに尽きて、岩を噛む神通川の激流を右に視(み)ながら、爪先上りに嶮(けわ)しい山路(やまじ)を辿って行くと、眉を圧する飛騨(ひだ)の山々は、宛(さな)がら行手を遮(さえぎ)るように峭(そそ)り立って
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
乳の如く斟(そそ)ぎ牛酪の如くに固め云々とあるは「乳産製造業」の盛(さかん)なる地方にて初めていわるる形容語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
また十節—十二節は「汝は我を乳の如く斟(そそ)ぎ牛酪(ぎゅうらく)の如くに固め給いしに非(あら)ずや、汝は皮と肉とを我に着せ骨と筋(すじ)とをもて我を編(あ)み、生命(いのち)と恩恵(めぐみ)とを我に授け我を顧(かえり)みてわが息(いき)を守り給えり」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
とばかり転(まろ)び出て来て、彼の手を取り、足を洗(そそ)ぎ、抱えるばかりにして家の内へ入れてくれた女性がある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「盛綱、盛綱。叔父上に水を汲んでさしあげい。……さあ、お足を洗(そそ)がれて、お通りください」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人(ひと)をば促(そそ)る火の明り。
“MONICO” (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
しかしそういう元気のない、変にだれきった一月間にも、部落の人達の心持ちを、ちょいちょい刺激(そそ)るような事件はあった。——
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしユダへ行った人は、革命的精神を動(そそ)られるだろう。そうして世間から迫害されるだろう。一生平和は得られないだろう
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
音羽(おとは)の滝に紅(くれなゐ)の唇(くち)も嗽(そそ)がむ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
囲まれた本丸とはいえ、峻(そそ)り立つ山の上なので、風のない日は少ないといってよい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「夏」の歌「秋」を揺(そそ)りぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
洗礼(そそ)がれし仮名文(かなぶみ)の御経(みきやう)にぞ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ソレ陶韋(とうい)ヲ祖述シ王劉(おうりゅう)ヲ憲章シテ枯淡ヲ骨トナシ菁華(せいか)ヲ肉トナシソノ志ヲ言ヒ以テソノ言ヲ永クスレバ則吟咏三昧(ざんまい)モマタ余師アラン。丙戌ノ元旦大雨澍(そそ)グガ如ク木氷花(ひょうか)ヲ成ス。遊杖(ゆうじょう)ヲ壁ニ掛ク。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
仲達の唇(くち)をつつんでいる疎々(そそ)たる白髯(はくぜん)はふるえていた。あきらかに彼は赫怒(かくど)していた。——がなお、それを手にしたままじっと見ていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その髪切虫が、そうした悪魔気分に示唆(そそ)られて、ソロソロとその長い触角を動かし初めた。
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼(かれ)は身(み)を殺(ころ)さうとまで其(そ)の薄弱(はくじやく)な意思(いし)が少(すこ)しのことにも彼(かれ)を苦(くる)しめる時(とき)、彼(かれ)を衝動(そそ)つて盜性(たうせい)がむか/\と首(くび)を擡(もた)げつゝあつたのである。勘次(かんじ)はもう仕事(しごと)をする處(どころ)ではない。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこには南方に当って半天に鑚(そそ)り立った高山があった。その山の麓には谷川が滔々(とうとう)と流れていた。
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
百難起(たち)て彼の進路を妨ぐるといえども彼の確信は毫(ごう)も動くことなく、ついに麁粗(そそ)ながらも英国をして公義と平等とに基する共和国となすに至れり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
凡庸とはいいながら小智(こざかし)き輩(やから)が、皇国の古伝説をはじめ、漢説、仏説、蘭説などをも麤々(そそ)聞きとりて、さすがに仏説などには泥(なず)まざれども、その諸説の是非、当否を分別することあたわざるがゆえに
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)