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魔所
其処も
魔所ぢやと
名が
高い。
時々山が
空に
成つて
寂とすると、ころころと
采を
投げる
音が
木樵の
耳に
響くとやら
風説するで。
一つ
一つ
黄金白銀の
線に
成つて、
其の
音を
伝ふるが
如くに
感ずる……
思ふに
魔神が
対向つて、
采を
投げる
響であらう……
何につけても、
飛騨谷第一の
隠れ
場所、
近づき
難い
魔所である
一里といえば人里から
左のみ遠からぬ処であるにも
拘らず、ここは殆ど通路の無いほどに岩石
嶮しく
峭り立っているのと、昔から
此辺は
魔所と唱えられているのとで