“魔魅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まみ88.9%
あやかし11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこともなく立ち去った様子であったが、夜更けてからまた同じ姿の輪廓を、星明りに浮き立たせて来て、魔魅まみの如く千浪の影に添っていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海にあるやうな深い水の魔魅まみはないかも知れない、けれどもまた海の水のやうに、半死半生の病人が、痩せよろぼひて、渚をのたうち廻つたり、入江に注ぎ入る水に
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
中の声と一緒に戸がいて、さッと明りが流れて来た。途端に、のしお頭巾の女の魔魅あやかし、すばやく姿を消している。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新九郎は魔魅あやかしの声でも聞くように、宙に眼を吊らしてしまった。いかにもそれはお延が言う通りな虚無僧の尺八、縷々るるとしてむせぶような哀音が、彼方あなたの闇に迷っている。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)