“伝”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
つた48.5%
つたわ18.8%
でん11.8%
つて4.4%
つたは3.5%
つと2.6%
づた2.2%
つたえ2.2%
づたい1.3%
つたへ0.9%
0.9%
0.4%
うつ0.4%
つたふ0.4%
つだ0.4%
づたへ0.4%
づて0.4%
転カ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そそけの頭をあげて、母は幾日か夢に描きつづけた一男の顔を、じっと眺めた。涙が一滴、やつれた頬をって、枕のした。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
一時的に狂態を演ずるところの痴呆状態になる一種の病的現象というものは、狐が化かすという口碑伝説のらない以前の日本にも
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
筆をって書いていても、魏叔子大鉄椎にある曠野景色が眼の前に浮んでくる。けれども歩いている途中は実に苦しかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
を求めて権門貴戚に伺候するはか、先輩朋友の間をすらも奔走して頼んで廻るような小利口な真似は生得出来得なかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ある日、また一場の話がつた。それは町の外れに住んでゐるなどをつくる鍛冶屋の店での出来事であつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
そないいいなさるか思たら、一所懸命歯ア喰いしばって、眼エに一杯たまってた涙が急にポトポトべたてるのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
改札孫の柴田貞吉は一昼夜の勤務から解かれて交代の者にを渡した。朝の八時だった。彼は線路いに信号所の横を自宅へ急いだ。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
土屋文明氏の万葉集年表に、巻十二(三〇九八)に関するを参照し、恋人の高安王が伊豫に左遷せられた時の歌だろうかと考えている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
惣兵衞は土手に綾瀬のへ逃げてくと、ガヤ/″\多勢黒山のように人が立って居りまして、バラ/″\りました。
我住塩沢より越後の方へ二宿て(六日町五日町)浦佐といふ宿あり。こゝに普光寺といふ(真言宗)あり、寺中に七間四面の毘沙門堂あり。ていふ、此堂大同二年の造営なりとぞ。
この頃人てに聞けば、彼女は今では札幌見番でも一、二を争う大きな芸妓家の女将になって、最近では裏の方に新築を始めて、料理屋も始めるらしいという噂であったが
生不動 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そのお春どんいう仲居さんに帯上げ借って、「お客さん階下の部屋い通して待っててもろて」いうて、その間に私が手ッうて身ごしらいしてましたら、またお春どん上って来て
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
妙子さんのがったとは決して仰有らない。唯清之介さんが流感に罹った、と全く別口に扱っている。母親は殊に身贔屓が強く
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
香炉、花瓶、燭台、酒爵である。厨子と云ひ、什器と云ひ、皆川村伝右衛門と云ふ人の贈る所である。伝右衛門は今の第三十三銀行頭取川村さんの祖父である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ニャン君 ご主人の おへやで仕事だ 仕事だ 早くきて手つておくれよ
然ニ小弟宿の事、色〻たずね候得ども何分無之候所、昨夜藩邸吉井幸輔より、こと之候ニ、屋鋪ニ入事あたハざるよし。四條ポント町位ニ居てハ、用心あしく候。
慌てて床を払って坐り直すと、老女も静かに前へ来て、御方から昨夜聞いておいた言を話しだした。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)