“づた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
71.4%
14.3%
14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は廊下ろうかづたいに書院に往って、障子の外にたたずんだ。蓄音器が歌うのではない。田圃向たんぼむこうのお琴婆さんが歌うのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
彼方あつちきませう」とつて、ちやとほして、廊下らうかづたひにちひさな書齋しよさいはひつた。其所そこには棕梠しゆろふでいたやうな、おほきなこはが五ばかりとこかゝつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこに一月餘ひとつきあまりも滯在たいざいしてゐるうちに九ぐわつになりけたので、保田ほたからむかふへ突切つつきつて、上總かづさ海岸かいがん九十九里くじふくりづたひに、銚子てうしまでたが、そこからおもしたやう東京とうきやうかへつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
碑のおもての戒名は、信士とも信女しんにょとも、苔に埋れて見えないが、三つづたの紋所が、その葉の落ちたように寂しくあらわれて、線香の消残った台石に——田沢氏——とほのかに読まれた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)