づた)” の例文
碑のおもての戒名は、信士とも信女しんにょとも、苔に埋れて見えないが、三つづたの紋所が、その葉の落ちたように寂しくあらわれて、線香の消残った台石に——田沢氏——とほのかに読まれた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)