“蔦紅葉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つたもみじ66.7%
つたもみぢ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上から黄色の葉が、ぱらぱらと午後の陽に輝きながら散りかかった。渋色の樹肌きはだには真っ赤な蔦紅葉つたもみじが絡んでいた。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
途端に、どどどっと押し上がり駈け入り、武者草鞋わらじまきの火を踏み散らして屋内へ分れた。その後はもうここかしこ蔦紅葉つたもみじのように柱やふすまを這う火であった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
落葉おちばし尽した木立こだちの間から石と泥とを混ぜた家家いへいへ白茶しらちやけた壁に真赤まつか蔦紅葉つたもみぢつて居るのはつゞれにしきとでも月並ながら云ひたい景色であつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
林は全く黄葉きばみ、蔦紅葉つたもみぢは、真紅しんくに染り、霧起る時はかすみへだてて花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山もゆるかと思はれた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)