“真紅”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞紅
読み方割合
まっか59.8%
しんく30.8%
まつか7.9%
あか0.5%
まあか0.5%
まッか0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「オムレツかね!」と今まで黙って半分眠りかけていた、真紅まっかな顔をしている松木、坐中で一番年の若そうな紳士が真面目まじめで言った。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
逆光線になったM子さんの姿は耳だけ真紅しんくいて見えます。僕は何か義務に近いものを感じ、M子さんの隣に立つことにしました。
手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
紳士はそれを聞くと、黙つて婦人を連れて窓際の小卓こづくゑに案内した。つくゑの上には真紅まつかな花が酒のやうな甘つたるい香気にほひを漂はしてゐた。
彼女は白いブラウスの上に、真紅あかい目のめるようなジャケツをひっかけていた。それよりもなお泉原の心をひいたのは、心持ち唇をかむようにして、じっと空間を見据えている彼女の横顔であった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
生きの身のたづきなければ蓮の花真紅まあかにぞ石に描きてゐにけれ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
から、もし其頃誰かが面と向って私に然うと注意したら、私は屹度きっと、失敬な、惚なんぞするものか、と真紅まッかになっておこったに違いない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)